スキット 烈風と漆黒

  • ヘル

    シンク

  • シンク

    …何? ヘル。

  • シンク

    アンタがボクに話しかけてくるなんて…
    珍しいこともあるもんだね。

  • ヘル

    一応、僕はお前の部下なんだから…
    仕方ないだろ。

  • シンク

    それもそうか…。

  • シンク

    で? アンタがなんでここに?

  • ヘル

    …僕がいたら何かマズい事情でもあるのか?

  • シンク

    いや、ないけどさ…。

  • シンク

    …っていうか、ボクの副官になったからって
    調子に乗らないでよね。

  • シンク

    大体、ボクはアンタのことを
    認めたわけじゃない。

  • ヘル

    そうだな。
    僕もお前を上司として認めたつもりはない。

  • シンク

    ヘェ…結構言うね。
    アンタのそういうところが大嫌いだよ。

  • ヘル

    …大嫌い?
    そんな言葉を聞いたのは初めてだな。

  • ヘル

    まぁ、僕もお前をまだ信用したわけじゃない。勿論、閣下やみんなも…
    誰もまだ信じられないけどさ。

  • シンク

    …アンタ、感情とかないわけ?

  • ヘル

    …下らない。
    そんなもの、とっくの昔に忘れた。

  • ヘル

    …いや、正確にはまだ
    ……わからないんだけどね。

  • シンク

    …アンタもまさか……。

  • ヘル

    え?

  • シンク

    …そう。
    アンタもボクと同じ空っぽ、か……。

  • ヘル

    あぁ、僕は空っぽだ。
    何もかもわかりやしない…。

  • ヘル

    嬉しいだとか…悲しいだとか…
    怖いだとか…怒りだとか…
    ……下らないね、そんなもの。

  • ヘル

    …僕にわかるのは、たったひとつ。
    闇の中に残った…憎しみだけだ……。

  • シンク

    …闇……。

  • シンク

    …アンタも、何かを抱えてるんだね。

  • ヘル

    僕のことはもうどうでもいいだろ。

  • ヘル

    僕はヴァンがお前を呼んでたから
    わざわざ呼びに来てやったんだ。
    お前とこうやって長話するために
    来たんじゃない。

  • シンク

    あっそ…。

  • シンク

    じゃあボク行くから。
    もう二度と来ないでよね。

  • ヘル

    それはできない。

  • シンク

    はぁ? なんでさ。

  • ヘル

    何故って…
    仕事上仕方がないだろ。

  • ヘル

    僕は嫌でもお前の副官っていう役割を
    閣下に押し付けられてる身なんでね。
    お前と関わらないなんてことはできない。

  • シンク

    アンタ…意外にバカ真面目だね。
    嫌われるよ?

  • ヘル

    気にしないな、そんなの。
    僕を誰が嫌おうと知ったことか。

  • シンク

    うわ…サイテー…。

  • ヘル

    なんとでも言えよ。

タップで続きを読む