しょうがないから
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金銀財宝で目が眩む金一色の部屋。
その部屋の主は目の前の誰とも知れぬ部下に苛立つ感情を抑えることなく、足を小刻みに揺すりながら問いかけた。
「オイ…侵入者は男二人に女一人の三人とか言ってなかったか…?」
「は、はい…」
「てめぇらたった三人にいつまで掛かってやがる!!お遊戯会じゃねぇんだぞ!!」
「そ、それがそのうちの一人が悪魔の実の能力者で恐ろしく強ェんです、船長…!」
エースやアイラ、デュース達が順調に海賊をノックアウトしている頃、船の最深部 船長室で一人の2m程の巨身の男は感情のまま怒声を張り上げた。
金銀財宝が溢れかえる至福の部屋は、男にとっては天国そのものであるが、そんなこと今はどうでも良かった。
自分に怯える部下なんてなんて目に入りもしない男はその辺にあった酒瓶を叩き割り、怒りを露わにする。
つい先ほど。何の前触れもなく突如楽園を侵しに害虫がやって来た。数は三。
最初は男の懸賞金に目が眩んだ馬鹿な賞金稼ぎが乗り込んできたと思い、丁重に部下のお出迎えを寄越した。
懸賞金が上がってからというものこんな輩にばかり人気で困るなァとゲラゲラ笑って、早々に自分の前に引き摺られてくると疑っていなかった。
しかし。
待てども待てども、侵入者が引き摺られることなく、逆に部下を伸して着々とこの部屋へ近付いていると言うではないか。
そんな、ボルテージMAXで怒鳴り声を上げる彼は、三人の標的であるワークス海賊団船長である。
「能力者ァ?そんなモン関係あるか!おれがやれと言ってんだ!出来なくてもやれ!!出来ねェならおれがてめェらをぶっ殺すぞ!!」
「ヒ、ヒィ!はい!直ちにー!!!」
顔を真っ青にして逃げ出した名前も知らない部下にワークスは大きく舌打ち、豪華なソファに怒りのまま座り込んだ。
あと少しで自分に楯突いたあの生意気な女が陥落するというのに何の嫌がらせなのか。まるで財宝を目の前にして待てを言われている。そんな気分である。
すんなりとことが進まないことにも男の怒りを助長する要因になっていた。
再び荒れ狂う心情を表すかのような荒々しい舌打ちをした男はソファにふんぞり返る。
すると。
「お、ここか?」
「うわ、何この美的センスゼロの悪趣味部屋…」
「アイラ、皆まで言うな」
「何だ、てめえらは」
男の宝部屋に三人の男女ーーエースとアイラ、それからデュースがやって来たのである。
「あ、どうも。おれの名はエース。お邪魔してます」
「何律儀に挨拶してるの」
「いや、挨拶は大事だぞ」
「そんなことはどうでもいい……何しに来た?」
茶番に付き合う気はサラサラない男は鋭い眼光を侵入者にぶつける。
答えたのは先程とは一転、男を鋭く睨むアイラだった。
「ミゼル。
…知らない訳ないわよね?」
「…なるほど、あの女の差し金か」
合点がいった、と男は笑う。
従順で、顔は小綺麗なその女に箔を付けてやろうと善意でしてやったのは少し前の話だ。だと言うのにあの女は、ワークスを考える素振りもなく、秒で袖に振ったのでたる。あんな屈辱はない。
何の力もない、口だけが達者なたかが飯処のウェイターの存在で。
その報復的な意図も込めてちまちまネチネチ策を講じたのが実を付けようとしていたが…。
大方、啖呵を切ったはいいがいよいよ身の危険を感じて腕っ節に自身のある人間を雇ったとかそんな辺りの話だろう。
「あの身の程知らずな女が考えそうなことだ」
「…何を勘違いしてるのか知らないけど」
鼻を鳴らした男にアイラは目を細めると腕に持つ白刀を鳴らす。
「ミゼルは助けてくれなんて一言も言ってない」
「何?」
眉間に皺を寄せて問いかけるワークスにアイラは笑って答えた。
「いつもお節介焼かれてるからーーー焼き返しに来ただけよ」
アイラから言外に打倒宣言を受けたワークスは物珍しそうに見返した。
「ほぅ…女のお前がおれをか」
「何かおかしい?
まぁ……男女がどうとか言ってる時点で勝負はついてるようなものだけど」
典型的な男尊女卑思考の男に多少なりとも思うところのあるアイラが思ったままを口に出せば、男は青筋を浮かべてアイラ達を睨んで吐き捨てた。
「ミゼルのオトモダチというのは嘘ではないらしい……似たようなナメた口効きやがって…」
「ミゼルもわたしも事実を言っただけよ」
「そうか、よほど死にたいらしい。……だったら望み通り殺してやる…!」
男は怒りのままに怒声を船に轟かせた。
「てめぇらこの死にたがりの馬鹿共ヤっちまえ!!」
その声と共に何処にまだ潜んでいたのかチンピラ海賊がちらほら顔を見せてくる。
思ってたより残ってるなぁと呑気に出てくるチンピラを見渡しながらアイラは背後にいるエース達に言った。
「エース、デュース。周りは任せるけど良い?」
「おー良いけど、一人で大丈夫か?」
「大丈夫よ。こういう勘違い野郎は何人も見てきたからね」
「辛辣だな…」
相変わらずで、場違いな物言いにデュースは肩の力を抜き、とりあえず向かってくる男に蹴りを御見舞した。
その部屋の主は目の前の誰とも知れぬ部下に苛立つ感情を抑えることなく、足を小刻みに揺すりながら問いかけた。
「オイ…侵入者は男二人に女一人の三人とか言ってなかったか…?」
「は、はい…」
「てめぇらたった三人にいつまで掛かってやがる!!お遊戯会じゃねぇんだぞ!!」
「そ、それがそのうちの一人が悪魔の実の能力者で恐ろしく強ェんです、船長…!」
エースやアイラ、デュース達が順調に海賊をノックアウトしている頃、船の最深部 船長室で一人の2m程の巨身の男は感情のまま怒声を張り上げた。
金銀財宝が溢れかえる至福の部屋は、男にとっては天国そのものであるが、そんなこと今はどうでも良かった。
自分に怯える部下なんてなんて目に入りもしない男はその辺にあった酒瓶を叩き割り、怒りを露わにする。
つい先ほど。何の前触れもなく突如楽園を侵しに害虫がやって来た。数は三。
最初は男の懸賞金に目が眩んだ馬鹿な賞金稼ぎが乗り込んできたと思い、丁重に部下のお出迎えを寄越した。
懸賞金が上がってからというものこんな輩にばかり人気で困るなァとゲラゲラ笑って、早々に自分の前に引き摺られてくると疑っていなかった。
しかし。
待てども待てども、侵入者が引き摺られることなく、逆に部下を伸して着々とこの部屋へ近付いていると言うではないか。
そんな、ボルテージMAXで怒鳴り声を上げる彼は、三人の標的であるワークス海賊団船長である。
「能力者ァ?そんなモン関係あるか!おれがやれと言ってんだ!出来なくてもやれ!!出来ねェならおれがてめェらをぶっ殺すぞ!!」
「ヒ、ヒィ!はい!直ちにー!!!」
顔を真っ青にして逃げ出した名前も知らない部下にワークスは大きく舌打ち、豪華なソファに怒りのまま座り込んだ。
あと少しで自分に楯突いたあの生意気な女が陥落するというのに何の嫌がらせなのか。まるで財宝を目の前にして待てを言われている。そんな気分である。
すんなりとことが進まないことにも男の怒りを助長する要因になっていた。
再び荒れ狂う心情を表すかのような荒々しい舌打ちをした男はソファにふんぞり返る。
すると。
「お、ここか?」
「うわ、何この美的センスゼロの悪趣味部屋…」
「アイラ、皆まで言うな」
「何だ、てめえらは」
男の宝部屋に三人の男女ーーエースとアイラ、それからデュースがやって来たのである。
「あ、どうも。おれの名はエース。お邪魔してます」
「何律儀に挨拶してるの」
「いや、挨拶は大事だぞ」
「そんなことはどうでもいい……何しに来た?」
茶番に付き合う気はサラサラない男は鋭い眼光を侵入者にぶつける。
答えたのは先程とは一転、男を鋭く睨むアイラだった。
「ミゼル。
…知らない訳ないわよね?」
「…なるほど、あの女の差し金か」
合点がいった、と男は笑う。
従順で、顔は小綺麗なその女に箔を付けてやろうと善意でしてやったのは少し前の話だ。だと言うのにあの女は、ワークスを考える素振りもなく、秒で袖に振ったのでたる。あんな屈辱はない。
何の力もない、口だけが達者なたかが飯処のウェイターの存在で。
その報復的な意図も込めてちまちまネチネチ策を講じたのが実を付けようとしていたが…。
大方、啖呵を切ったはいいがいよいよ身の危険を感じて腕っ節に自身のある人間を雇ったとかそんな辺りの話だろう。
「あの身の程知らずな女が考えそうなことだ」
「…何を勘違いしてるのか知らないけど」
鼻を鳴らした男にアイラは目を細めると腕に持つ白刀を鳴らす。
「ミゼルは助けてくれなんて一言も言ってない」
「何?」
眉間に皺を寄せて問いかけるワークスにアイラは笑って答えた。
「いつもお節介焼かれてるからーーー焼き返しに来ただけよ」
アイラから言外に打倒宣言を受けたワークスは物珍しそうに見返した。
「ほぅ…女のお前がおれをか」
「何かおかしい?
まぁ……男女がどうとか言ってる時点で勝負はついてるようなものだけど」
典型的な男尊女卑思考の男に多少なりとも思うところのあるアイラが思ったままを口に出せば、男は青筋を浮かべてアイラ達を睨んで吐き捨てた。
「ミゼルのオトモダチというのは嘘ではないらしい……似たようなナメた口効きやがって…」
「ミゼルもわたしも事実を言っただけよ」
「そうか、よほど死にたいらしい。……だったら望み通り殺してやる…!」
男は怒りのままに怒声を船に轟かせた。
「てめぇらこの死にたがりの馬鹿共ヤっちまえ!!」
その声と共に何処にまだ潜んでいたのかチンピラ海賊がちらほら顔を見せてくる。
思ってたより残ってるなぁと呑気に出てくるチンピラを見渡しながらアイラは背後にいるエース達に言った。
「エース、デュース。周りは任せるけど良い?」
「おー良いけど、一人で大丈夫か?」
「大丈夫よ。こういう勘違い野郎は何人も見てきたからね」
「辛辣だな…」
相変わらずで、場違いな物言いにデュースは肩の力を抜き、とりあえず向かってくる男に蹴りを御見舞した。