12:鬼の目覚め
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*飛段
胸や腹に刺さった矢やクナイを抜きながら先を進んだ。
「痛ってェ…」
また正面から無数のクナイが飛んでくる。
三連鎌とワイヤーで適当に払っていくが、キリがない。
「しつけーな、クソ!」
出発してだいぶ経つが、これで入口に戻ってきたなんてことがあったら一回キレてやる。
何度目かのカーブを曲がり、飛び出す槍を屈んでかわした。
足下になにか当たったと思って視線を下にやると、頭蓋骨が転がっていた。
槍にやられたのか、右と左に大きな穴が空いている。
ここに入ってきたのは、オレ達だけじゃないってことか。
「頭にたった一発食らうだけで死ねるんだから羨ましいぜ、ホント」
そう呟きながら先へ進み続けると、広い場所へと出た。
同時に、
「!」
殺気に気付き、三連鎌を振るう。
「待った! オレだ!」
刃先がその顔に当たる寸前で止めた。
ヨルだ。
「ヨル!?」
「驚かせるなよ、飛段;」
後ろに振り返ると、オレが出てきた穴以外に、別の穴が2つあった。
ヨルはそこから出てきたのだろう。
だがオレは妙な違和感を感じた。
「繋がってたのか…」
「そのようだな」
ヨルもオレの視線を追って呟く。
オレは再び前を見たが、背後と違って穴のない壁しかなかった。
つまり、行き止まりってことだ。
「おいおい、ここまで来てそりゃねえだろ;」
「やられたな」
ヨルはそう言うわりに困った顔はしていない。
「…角都はァ?;」
「さあな」
「……………」
感じていた違和感が確信に変わり、オレは背後に回ってその喉に三連鎌の小刃をかけた。
「…なんのつもりだ?」
相手は慌てず、前を見たまま尋ねた。
オレは声を低くして問う。
「テメー誰だ?」
「あ?」
「誰だって聞いてんだ」
「……………」
「なんのためにオレらにアザつけたんだよ? 位置と状態を知るためだろが。なのに、いきなり殺気飛ばしてくるわ、角都の居場所も状態もわかねえわ…。つまりそれは、テメーがニセモノヤローだからだ」
舌打ちが聞こえた。
認めたととっていい。
「解」
印を結んでそう唱えると、その姿は煙に包まれ、本来の姿に戻った。
「!」
たしか、日ノ輪のココロって女だ。
肩越しにこちらを見たそいつは、嘲笑するような笑みを浮かべた。
「おかしいわねぇ。おつむが弱いって聞いてたのにぃ」
「あん時の…」
そのまま三連鎌で切ってやろうかと左手を引こうとしたが、その前に両袖から出てきた飛輪を振るわれ、右アゴを切られた。
「ぐっ…!」
その隙にココロは三連鎌とオレの間を屈んで抜け出し、オレと距離をとった。
「ヒルに面倒な仕事任されちゃった。まあ、日ノ輪総勢で出向くほどでもないしぃ」
面倒臭げな表情で後頭部を掻いている。
「テメーらも“月代”ってのを狙ってんだっけかァ?」
「そーよ。あと…、ヨルにくっついている虫2匹殺せってねぇ」
「くっついてねェ!」
オレが怒鳴ると同時に、両手の飛輪が飛んでくる。
オレはワイヤーを伸ばし、それを払った。
払われた飛輪は別方向へ飛び、カーブを描いてココロの手の中に戻る。
「レベルあげるわよぉ!」
今度は4枚飛ばしてきた。
4枚ともワイヤーで叩き落とそうとしたが、内の2枚がオレの上を通り越し、そのまま背後から顔面目掛けて迫ってきた。
「チィッ!」
咄嗟に左へ飛んだが、右頬に痛みを感じた。
通過した飛輪はココロの手の中に再び戻り、手首と指先でクルクルと回されている。
「…今度は、ちょっと本気出そうかしらぁ…」
目付きが鋭くなり、さっきのより面倒なのがくるのがわかる。
ココロは回していた飛輪4枚を真下に向かって放った。
飛輪は地面へ潜り、見えなくなる。
「…?」
どこから来るのかと警戒していると、
「!?」
いきなり前後左右の地面から飛び出してきた。
ズバ!!
「…っ!」
背中、右横腹、左肩、左胸に飛輪が深く刺さった。
「あら、やっぱり死なない」
「ありかよ、コレェ…」
そろそろ、こっちからも仕掛けてやるぜ。
.
胸や腹に刺さった矢やクナイを抜きながら先を進んだ。
「痛ってェ…」
また正面から無数のクナイが飛んでくる。
三連鎌とワイヤーで適当に払っていくが、キリがない。
「しつけーな、クソ!」
出発してだいぶ経つが、これで入口に戻ってきたなんてことがあったら一回キレてやる。
何度目かのカーブを曲がり、飛び出す槍を屈んでかわした。
足下になにか当たったと思って視線を下にやると、頭蓋骨が転がっていた。
槍にやられたのか、右と左に大きな穴が空いている。
ここに入ってきたのは、オレ達だけじゃないってことか。
「頭にたった一発食らうだけで死ねるんだから羨ましいぜ、ホント」
そう呟きながら先へ進み続けると、広い場所へと出た。
同時に、
「!」
殺気に気付き、三連鎌を振るう。
「待った! オレだ!」
刃先がその顔に当たる寸前で止めた。
ヨルだ。
「ヨル!?」
「驚かせるなよ、飛段;」
後ろに振り返ると、オレが出てきた穴以外に、別の穴が2つあった。
ヨルはそこから出てきたのだろう。
だがオレは妙な違和感を感じた。
「繋がってたのか…」
「そのようだな」
ヨルもオレの視線を追って呟く。
オレは再び前を見たが、背後と違って穴のない壁しかなかった。
つまり、行き止まりってことだ。
「おいおい、ここまで来てそりゃねえだろ;」
「やられたな」
ヨルはそう言うわりに困った顔はしていない。
「…角都はァ?;」
「さあな」
「……………」
感じていた違和感が確信に変わり、オレは背後に回ってその喉に三連鎌の小刃をかけた。
「…なんのつもりだ?」
相手は慌てず、前を見たまま尋ねた。
オレは声を低くして問う。
「テメー誰だ?」
「あ?」
「誰だって聞いてんだ」
「……………」
「なんのためにオレらにアザつけたんだよ? 位置と状態を知るためだろが。なのに、いきなり殺気飛ばしてくるわ、角都の居場所も状態もわかねえわ…。つまりそれは、テメーがニセモノヤローだからだ」
舌打ちが聞こえた。
認めたととっていい。
「解」
印を結んでそう唱えると、その姿は煙に包まれ、本来の姿に戻った。
「!」
たしか、日ノ輪のココロって女だ。
肩越しにこちらを見たそいつは、嘲笑するような笑みを浮かべた。
「おかしいわねぇ。おつむが弱いって聞いてたのにぃ」
「あん時の…」
そのまま三連鎌で切ってやろうかと左手を引こうとしたが、その前に両袖から出てきた飛輪を振るわれ、右アゴを切られた。
「ぐっ…!」
その隙にココロは三連鎌とオレの間を屈んで抜け出し、オレと距離をとった。
「ヒルに面倒な仕事任されちゃった。まあ、日ノ輪総勢で出向くほどでもないしぃ」
面倒臭げな表情で後頭部を掻いている。
「テメーらも“月代”ってのを狙ってんだっけかァ?」
「そーよ。あと…、ヨルにくっついている虫2匹殺せってねぇ」
「くっついてねェ!」
オレが怒鳴ると同時に、両手の飛輪が飛んでくる。
オレはワイヤーを伸ばし、それを払った。
払われた飛輪は別方向へ飛び、カーブを描いてココロの手の中に戻る。
「レベルあげるわよぉ!」
今度は4枚飛ばしてきた。
4枚ともワイヤーで叩き落とそうとしたが、内の2枚がオレの上を通り越し、そのまま背後から顔面目掛けて迫ってきた。
「チィッ!」
咄嗟に左へ飛んだが、右頬に痛みを感じた。
通過した飛輪はココロの手の中に再び戻り、手首と指先でクルクルと回されている。
「…今度は、ちょっと本気出そうかしらぁ…」
目付きが鋭くなり、さっきのより面倒なのがくるのがわかる。
ココロは回していた飛輪4枚を真下に向かって放った。
飛輪は地面へ潜り、見えなくなる。
「…?」
どこから来るのかと警戒していると、
「!?」
いきなり前後左右の地面から飛び出してきた。
ズバ!!
「…っ!」
背中、右横腹、左肩、左胸に飛輪が深く刺さった。
「あら、やっぱり死なない」
「ありかよ、コレェ…」
そろそろ、こっちからも仕掛けてやるぜ。
.