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僕のすべては“無”だった。

ミカエルは皆を束ね

ガブリエルは皆を守り

ラファエルは皆を癒す


僕は、なんだ?

そう、ただの“モブ”だ。

最初から何の意味もない

ただの“背景”だ。

“そんなのつまらない”

ただの背景なのに僕はそう思った。

他の“背景”は何も感じない

それが当然だと言わんばかりに

そして“同じ背景”だった彼は立ち上がった。

なんの役割ももたないただの“モブ”なのに

でも僕には、ルシフェルが輝いてみえた。

彼はもう“背景”でも“モブ”ではない

“立派な役者”だ。

僕はその輝きに感動した

僕たちの神とは違う輝き

僕はその輝きを求めた。

“彼”こそが“僕の神”だと

僕の脳裏に刻まれた気がした。

彼に振り向いてほしい

じゃあ彼の役にたてばいい

そう思ってからは簡単だった。

僕はガブリエルを■した。

本来なら癒すことしかできないラファエルを■す方が楽だろう

でも■すならガブリエルだ

そう思ったんだ。

だって僕、ガブリエル嫌いだし。

それだけのことだ。

ついでにラファエルも、って思ってたんだけど

ガブリエルを■した僕は罪人だ。

残念ながら僕はあのナルシス野郎に■された。

でも考え方は甘いよ。

僕という存在を見逃したんだ、あいつ

あいつ自分に酔ってたからね。

僕たちの“天使”という存在は肉体がなくなった程度じゃ消えない

僕の新たな体は白蛇だった。

たまたまいたから体貰ったんだけど悪くなかったよ

簡単にアダムとイヴを堕とせた。

これでまた彼のお役に立てた。

彼は僕に力を分けてくれた

これでもっと役に立てる

この調子で最終的には彼をサタン様を“神”にしてしまおう!

って思ってたんだけど…ちょっと甘かった

ミカエルのやつ、相撃ちでサタン様を道ずれにしたんだ

そしてミカエルは熾天使という席を犠牲にサタン様を封印したんだ

虚無の地に

………許せない

でもサタン様はそんな事だけで輝きが消えることはない

僕は僕のすべてを利用してでもサタン様をもう一度輝かせてみせる

邪魔なミカエルもガブリエルももういない

ラファエルもウリエルも僕より弱いからほっとけばいい


僕は計画をたてた。

最初は強い体を奪い僕自身を強くすることを考えてひたすら体をとっかえひっかえしてたけど…

限界がある。

まず効率が悪すぎる………

僕はサタン様のようにたくさんの使い魔は生み出せない

できて2,3匹………それもうまく使いこなせない

ラファエル達でも喰わせればもっと強力な使い魔を作れるか?


………喰わせれば?

ここで僕はふとアムールを思い出した。

アムールの力は愛すること

すべてを受け入れる力………すべてを己の力とする愛。
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