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スナックお登勢にて。辰馬が吐いた後、まだまだ続いていたお喋り──
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銀時
そういや、辰馬は紫乃に文句とかねぇの?
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辰馬
文句?なんでじゃ?
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銀時
音信不通だったろうが。お前、怒るとかないわけ?
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辰馬
音信不通?紫乃に逢うたのは一週間前ぜよ
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銀時
ああそう…………って、はっ!?
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辰馬
特に文句なんてないちや
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銀時
え…ちょっと待て!どういう事?
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小太郎
坂本、お前紫乃と頻繁に逢っていたのか?
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辰馬
そうじゃのう。あの戦の後で新しい仕事したいって連絡受けゆう。農具の調達とかで何度かのう
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銀時
おい。俺がお前に紫乃の消息訊いた時、知らねぇっつったよな?どういう事だコラ
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辰馬
あはははは。そりゃ紫乃に口止めされちょったからに決まっちゅう
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銀時
あ!?なんで口止めすんだよ!
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小太郎
坂本には報告したのに、俺達には何も無いとは…
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紫乃
辰馬とは以前から仕事の事で連絡取っていたし、新しく事業起こすのに後ろ盾が必要だったのよ
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銀時
にしても、今の今まで俺達に連絡無しで辰馬だけにあったのが許せねぇ
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紫乃
仕方ないじゃない…アンタ達と連絡取ったら、甘えが出ちゃいそうだったもの
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小太郎
甘えてくれば良かろう
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銀時
何?甘えたら泣いちゃいそうだった?
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紫乃
………泣かないわよ
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小太郎
人は、泣いて強くなるものだぞ
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銀時
そうそう。お前、ホンット泣かねぇもんな
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紫乃
嫌いなの。涙見せるのが
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辰馬
高杉にもか?
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紫乃
え?
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辰馬
高杉に涙見せたりはしないんかのう。泣かされ…いや、啼かされたりはしとらんかった?
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紫乃
は…?
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銀時
あー、そっち?泣かないけど、啼いてはいたって?てか、どうなの?高杉とは
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紫乃
何がどうなの、よ
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銀時
やっぱお前がリードしてたの?
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紫乃
知らないわよ
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辰馬
高杉も血の気の多い男じゃったから、激しくされたんじゃなか?
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銀時
アイツ手数少なそうだよな(笑)
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辰馬
意外とマニアックだったかもしれん
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小太郎
あやつはムッツリだったからなぁ
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銀時
硬派気取りかしんねぇけど、全然乗ってこなかったもんな。俺らのエロトークに
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辰馬
その癖ちゃっかり紫乃を物にしちょるき、やり手なんは間違いなか
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銀時
ヤリ手なぁ。ま、確かにヤッちゃったからね
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小太郎
まぁ、そうなるだろうと思っていたがな
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銀時
いやでも、思ってたより早かったわ
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小太郎
紫乃が襲われそうになったのを見て焦ったのだろう
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銀時
俺も焦ったわアレ。俺が奪ってやろうと思ってたから
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辰馬
おまんは…(呆)
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銀時
という事で、どう?俺と一発…
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紫乃
………いいわよ?
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銀時
んな事云わずにいいじゃねぇか………え?今なんて?
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紫乃
いいわよって云ったの
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銀時
え、マジでか…
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紫乃
今から移動する?
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銀時
はっ?いや、え…い、今すぐは俺も心の準備が……てか、ホントにいいの?
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紫乃
ええ。コレ(拳)一発くらいならいつでもいいわよ
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銀時
そっちの一発じゃねぇぇぇぇ!!そんなだろうと思ったけど!
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辰馬
あはははは。金時でいけるならわしにもチャンスあったのう
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小太郎
いや、未亡人となった今こそ俺が…
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紫乃
なってないわよ
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銀時
…正直な話、お前タイプじゃないけど、ヤリてぇって思った事あんのは本当だから
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紫乃
真顔で何云ってるのよ。気持ち悪い
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銀時
寂しくなったら、俺んトコ来いよ
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紫乃
だから…
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小太郎
俺の所でもいいぞ。エリザベスを撫でると癒されるしな
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辰馬
それなら、わしんトコでもいいぜよ。陸奥もガールズトークが出来るって喜んじょるきにのう
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紫乃
…………アンタ達
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銀時
また独りで抱え込むんじゃねぇぞ。お前は甘える癖を付けた方がいいんだよ
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小太郎
ああ。育児も大変だと訊くからな。息抜きも忘れるなよ、紫乃
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辰馬
こっちからも遊びに行くぜよ!
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銀時
紫乃、これからも俺達家族がいるからな。お前には、頼れる兄貴がこんだけいるって忘れんじゃねぇぞ
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紫乃
随分大所帯だ事。けれど、二つも家族を持てるなんて…幸せね
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微笑む紫乃を見て、銀時・小太郎・辰馬も笑みを浮かべた。
彼女の頬を撫でるように紫煙が漂っていた。 -
お終い。
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