第1章 オニの妹。(全18話)
夢小説設定
この章の夢小説設定男女主人公にて展開しますが、
別に男の子でも女の子でも好きにお読みください。
両者ともに来日した異国人です。
炭治郎たちと肩を並べて戦えるスタイルではない、
予定(それはほかのサイト様に任せたいな)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【幕間 善逸のおつかい】
ぴっちりとした着慣れない服装と足元に違和感を覚えながら、善逸はどんどん歩いて行ってしまう背中を追った。
なにやら聞き慣れない言葉ばかりが飛び交う大きな広間の中には、色とりどりの見慣れない服装の男女が散らばっている。
露出が多めで胸元が大きくはだけている着物を着た、淑やかな女性と目が合う。にこやかに笑みを向けられたが、善逸は内心悲鳴をあげ、ラシードの背中を掴む。
「ちょっと、ちょっとなんなのここ! 怖いよ、ここの女の人たち目が笑ってないし、とって食わんばかりの音してるよおおっ」
「あーやっぱり? いやーお前のその耳いいなあ、戦えなくなっても耳だけ活かしといてくれれば雇ってやるから老後は心配すんなー」
なんの話だよっ縁起でもないこと言うのやめてえええ。
ここまで、全部こそこそ話しで終えている二人の会話。
桑島の元から半ば拉致されるように連れてこられたのは、麹町にある華族会館だった。昔は鹿鳴館と呼ばれて、外交のために使われるはずだった社交場らしい。
「背伸びしすぎて大失敗しちゃったんだよなあ。かお──その時の総理大臣も辞任したくらい。で、今は華族に使われてる。今日は、ちょっとした国内外の交流会なわけよ」
「なんであんたがここに来れるのよ?! なんで俺がここにいれるの!」
へらへらしながら進み出す少年を追って、涙目で善逸はついていく。
周りの異国の人間たちはにやにやしているし、もうやだ逃げ出したい。外交問題に発展したらどうしよう。
なんて思っていたら、ラシードにしなだれかかるように女性が引っ付いたり、何言ってるかわからないがイケてる声色の男性がガラス容器を片手に話しかけてきたり。
それににこやかに答える少年の後ろで、善逸は空気を読んで泣きたいのをこらえながら一生懸命笑顔。基本的には笑ってりゃいいから、と言われていたから、必死で笑った。
そして、嫌な音をする相手が来たら、無表情でそっぽ向けと言われていたので、不安になりながらも言う通りにした。
それが、3日くらい続いた頃。
善逸は豪華な料亭に案内されていた。もちろん、ラシードに追従して。
「いやあ、助かったよラシード! 危うく大損するところだった!」
「お礼ならこいつに言ってよ。まあ、鬼殺の仕事あるから難しいだろうけどさ」
それお外で言っちゃダメなやつ──と善逸が真っ青になる中、席を囲む男たちは笑っていた。
「こっそり手を貸してくれてるアンタらだから手を貸してんだ。今後もいいようにしてくれれば、こういう篩に関して報酬とかいらないから」
話を聞いていた善逸は、だんだん相対している人物たちの正体に気付き始めた。彼らが名を呼び合うのを聞いていると、ど偉い階級の有名人たちが連想されてしまう。
「ビジネスパートナーは選ばなきゃな〜! ほら、善逸、この飯めっちゃ高いからな。食っとけ食っとけ、普通食えないぞ〜」
泡を吹きかけている少年を気付けてやるかのように背中をバシバシ叩いてやる。
財界の有名人たちの温かな眼差しに見守られながら、善逸は必死で御膳を平らげるのだった。
めでたしめでたし(?)