PET 檻の中の乙女


2016アメリカ・スペイン


最初は「うわぁ…だいぶ鬱陶しい主人公…女の子頑張れ」


だったのが、まあびっくり!!

良作でした!!!

愛の大勝利なハッピーエンド!!

ハッピーエンド?

ハッピーエンド!!!!!!

タイトルがペットでサブタイトルに檻の中の乙女って付くくらいなのでこれだけでもわかっちゃう人いると思いますが、美女監禁モノです

しかし…思ってた監禁モノとちがう!

主人公のセスはさえない保健所のアルバイター

殺処分を待つ犬達の世話をしながら、仲良くなった良い子の犬が殺処分されていくのを「仕方ない…僕じゃ飼えないし…」となあなあに過ごしておりました

この時点でセスはなかなか犬達に良い待遇をしておりまして、仲良しの大型犬が薬で殺処分される時も「大丈夫だからな。怖くないからな」と犬を最後までなだめる優しい青年でした。

でも「良い犬なのに…」とは思っても自分では助けてやれない。時給9ドルだし。9ドルってことは約900円か。大型犬飼えないよなぁ…

ここでなかなかのきっつい言葉をくれたのは毒薬を用意してる白衣のおっちゃんでした。

セス「良い犬なのに…」

おっちゃん「じゃあお前が引き取るか?殺処分待ってやるぞ。決めろ」

セス「いや…僕の住んでる場所や時給じゃ…ゴニョゴニョ」

おっちゃん「…そういうとこがお前の悪いところだ」

おっちゃんの言いたいところもわかるんだけど、どれくらいの期間かは知らんがセスは保健所でバイトし続けてるわけだし、良い犬ばっかだろうし、いちいち飼ってたらそっちの方が考えなしの大馬鹿じゃないっすか…

おっちゃん的には“じぶんが飼えないにしても何かしら行動すればいいだろ”的なことだったのかもしれませんが

という最初からおっちゃんの言い草にプリプリしつつ映画を見続けておりました。

そんで内気なセス君はなんと帰りのバスの中で運命の再会を果たします。

その美女の名前はホリー

話しかけるセス!!

「ホリーだよね」

しかしホリーの方は「どなたですか?」な対応。そりゃそうだ。セスの口頭説明によると「高校は同じ。でも僕の方が1学年上。君は高校時代の人気者だったから覚えてるんだ!」

サイコかよ…

もちろんホリーは気味悪がります。当然だ。誰もが気味悪く思って逃げるよ…

セスは一生懸命誘おうと必死ですがホリーはバスを降りてってしまいました。

ここからセスが気持ち悪い。

ホリーのことを調べまくる。

ツイッターかフェイスブックかな?

インスタという可能性もある

とにもかくにもそこでホリーの好物やら何やら調べまくり始めるセス

突然の行動力

恋が1人の冴えない男を変えた!気持ち悪い方向に!!

そしてホリーを探るうちに彼女が働く喫茶店を見つけ出すセス!!

ホリーはまだ本出してないけど作家活動をしながらウエイトレスとして働いておりまして、彼女の好みや好物を調べたセスは誘い出す言葉を考えたり練習したりします!

健気に彼女を誘おうと自室で1人練習する姿がまた何とも言えず気持ち悪い…

序盤のセスの気持ち悪さは本当にホリー逃げてな気分です

そんでホリーの働くお店に向かうセス!しかし当然相手にされない!

めげずにホリーの後を追うセス!

別の日にホリーの好きな薔薇の花束送りつけて、メッセージカードに名前無しで「僕のものになって」とか鳥肌

ただただストーカー

でも後でホリーの元カレにぶん殴られます

元カレといいますか、どうやら浮気しちゃったらしいカレと喧嘩中?っぽい感じ?

んでこの辺りからセスがさらにエスカレートして色々調べまくった挙句になんとホリーを監禁しちゃいます…

お手製の檻をうっかり見つけた保健所の地下に作って、そこにホリーを閉じ込める

最悪の男である

ホリー可哀想すぎてもうセスまじで気持ち悪い

しかもホリーに「君を救うためなんだ」とかわけのわからない大義名分にほんとなんだこのストーカー男は…とホリーに同情しまくってました…

DVDパッケージのあらすじでは、一生懸命声かけたのに小馬鹿にされて逆上したセスがホリーを閉じ込めた、的な感じのことが書かれてるんですが、小馬鹿になんかしてないぞ!!ホリーの対応は妥当も妥当!!

突然現れた気持ち悪い知らない男に笑顔振りまく女がどこにいるってんだ

しかも捕まったホリーが何を言っても「君を救うため」とそればっかりで今のホリーを全否定して、まるでセスにとって都合の良いホリーこそが本物だとでもいいそうなほどの気持ち悪さ。

映画見ながらずっと「セス気持ち悪い」と思ってました。

が。

まさかの展開きました。

セスの言う「君を救うため」とは、ほんとにホリーの為でした…

なんと美女ホリーは…連続殺人鬼だったのです…

セスはホリーに殺人をやめさせる為に檻に入れたのです

開けてびっくり玉手箱な真実

実はホリーの元カレが浮気した女ってのがホリーの親友のクレアという女性で、ホリーはクレアと2人で車に乗ってる最中に浮気のことを問い詰め、頭に血が登ったそのままの状態でなんと事故!車は大破!!!

ホリーもクレアも血まみれになりながらもか何とか生きていたのですが…ここでホリーは初めての殺人を犯します。

でも事故ってことでホリーの殺人は見落とされてしまいます。

ここでホリーは感じたそうです。

“私には殺人の天才的な才能がある”と

サイコなのはホリーの方でした!!

いやセスもサイコっぽいんですけどホリーの方が上手。

その後も次々と殺人を犯していくホリー。

セスはストーカーする中でそのことに気付き、ホリーを更生させる為に檻に閉じ込める決意をしたのでありました。

ここからはセスとホリーの心理戦。

といってもホリーの方が何枚も上手

セスの勝ってる部分ってただ自由がきくことくらい。

僕がご飯運んだりしないと君は死んでしまうんだぞ!な感じで主導権を握ろうとするのですが、内気だったうぶな青年が魔性のホリーに敵うはずもなく!

そんでなんと途中でホリーが閉じ込められているところにセスの同僚のおっちゃんが訪れるんですけど、ホリー、逃げる為に動く!と思いきやここでまさかのびっくり行動!

途中でセスが帰ってきて同僚を殺す!と思ってたのですが、思ってたのとはちょっと違って…なんとホリーがセスを言葉巧みに操って同僚のおっちゃんを殺害させてしまいます

同僚を殺してしまいガクブルなセスにホリーは「私の言葉の通りにしなさい」と死体の処理をさせます。

幸い?なことに捨てられた犬達が集められた保健所であるので…死体の一部はワンちゃん達のご馳走になりました…

檻に捕らえられているのはホリーのはずなのに、セスの方が完全に捕らわれました。

その後は失踪した同僚を探しに警官が来てセスを怪しみ、セスは平然を装うんだけど粗ばっか出しちゃうし…

そんなこんなでなんとホリーが次にセスに告げるのは「愛の証が欲しい。あなたの指ちょうだい」

びっくり発言です

「檻に閉じ込めるのはペットとしてしか見ていないからよ。愛じゃないわ。でも私を愛しているんでしょ?なら指ちょうだい」

びっくり

なんで指?

もちろんセスは嫌がりますが、自分が犯した殺人のことや警官の怪しむ眼差しやらに精神的に参ってしまったんでしょう…ホリーの檻のそばで人差し指を切断!

あまりの痛みにセスは悶絶します。

ホリーは切断されたセスの指に手を伸ばし…手に入れたのは指を切断した包丁!

指なんざいらん!と包丁ゲットしたホリーは自分の首に刃を当てて「指以外にも失いたくなかったら檻の鍵を開けなさい!」とセスに命令

セスは檻の鍵を開けて、ホリーは晴れて檻から出されます。包丁を手にしたまま。

そしてゆっくりとセスに近付き、愛してる、と口づけをしてあげて、セスの首をスパッと切ってしまいました…



そしてそうして、自由を手に入れたホリーは元カレと元サヤに収まり2人で暮らします。が、またも浮気発覚。ホリーは果物ナイフを手にしますが…恋人を殺すことはしませんでした。

そして貸し倉庫に向かい…どこかで見たような檻の置いてある所に訪れて…「来たわよ」と。その檻に閉じ込められていたのはセスでした。

生きてたーーーー!!!!

髪は伸び放題だし黒目も盲目になったみたいに白が混じって、こじきみたいな風貌に変わり果ててはいましたが、指は無くなったままだし確かにセスです!

そしてホリーはセスに話します。

「また恋人に浮気されちゃった。殺そうと思ったけど…あなたを思い出して、殺せなかったわ」と

セスは首を切られて声帯をやられたのか声は出せませんでしたが満足そうに笑います。

セスの頑張りは報われていたのです!

セスはホリーに殺人をやめさせる為に檻に閉じ込めたのですから!!

これぞ愛の大勝利だ!!

いろんな愛の形がありまして

その愛の形の1つをセスは見事に完成させましたとさ!!

というハッピーエンドでございました!

魂で結ばれるということでしょうか。ホリーはセスのおかげで殺人をやめられて、セスも手に入れて。悪女です。

なかなか引き込まれる映画でした!!

捕らわれた美女が可哀想な映画だとばっかり思ってたので、良い意味で期待を裏切られました!!!

悪女強し!!!

しかしその悪女の心に住み着いた純粋な青年の思いもまた強し!!!!!
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