レ・ミゼラブル
『レ・ミゼラブル』
2012年・イギリス
元盗人(時代の犠牲者)である怪力ナイスガイなジャン・バルジャンが主人公とされているミュージカル映画だが主人公は彼だけではなく出演者全員だと思うの
特に私が一番泣いてしまったのはエポニーヌが死んじゃう時だからわたしの中ではエポニーヌが物語のヒロインである
レ・ミゼラブルは今まで何度も見れる機会があったのに、見てみたいけど後回しにしてたのには訳がありまして。はい。
まず中学時代に小説のレ・ミゼラブルを読もうかなぁって思ってたら先輩に「おもんないで」って言われて、その言葉を鵜呑みにして私の無意識下で毎回後回しにさせてたんでしょう
後は、数年前に日本のアニメで『レ・ミゼラブル~少女コゼット~』というコゼットを完全ヒロインにしたっぽいのを母が見てたのですが、その時に私が「どんな内容?」と訊ねたところ
母「マリウスって青年がコゼットを追い求める話」
と言われて…
私の中のコゼットは10歳にも満たないような幼い少女で、そのロリを追い求める青年の話ってどんなんだよと完全に話を勘違いしてしまっていました
私の中でレ・ミゼラブルはロリコンの話しになってしまってたんですね…
まさかコゼットが美しい娘さんに成長していたなど知るよしもなく
そいで。ようやくミュージカルのレ・ミゼラブルを見たところですな!!
序盤の母ちゃんの激動の人生に泣き、中盤の美しく成長したエポニーヌの死に泣き、その後に幼い少年が時代の犠牲者となった所から涙が止まりませんでした
みんな時代の犠牲者なんだよ
まさか序盤でコゼットの母ちゃんが死ぬなんて思ってなかったし、有名な「夢破れて」があんなに早く聞けるなんて思ってなかった
そして、私はあんまり俳優さん達の名前を覚えないんですけどアン・ハサウェイさんは覚えるわこれ
泣きっぱなしの「夢破れて」でしたわ
大切な愛娘コゼットを思いながら死んでしまうんだけど、唯一の救いは死の間際にバルジャンがコゼットを助けてくれると約束してくれたことですよね
バルジャンもバルジャンで、自分の妹の子供の為にたった1つのパンを盗み、そこから色々あって19年間も投獄された後の仮釈放でまた色々あって改心して出自を偽りながら市長として市民から慕われいましたが、正体がばれた(訳あってばらした)後、コゼットを引き取って一緒に逃亡の人生を歩みながら、コゼットとの生活に父としての幸せを見つけてバルジャアアアアアアアァァァァァァアァアァン
てかこの話あれだね。バルジャンを改心させた神父様の清らかすぎる心が無かったら、何もかも繋がらなかったんだね
人生って数奇
世知辛いけど暖かい
んでよ。私の中でのレ・ミゼラブル最強のヒロイン、エポニーヌちゃんのお出ましですわ
このエポニーヌちゃん。
初登場時は幼いコゼットと同じくらいの年齢の少女でした。
幼いコゼットが母親の頼みで預けられていた宿屋の夫婦の一人娘なエポニーヌちゃん。
意地悪で子悪党な宿屋の父ちゃん母ちゃんの間に産まれて、この親にしてこの子有りって感じに育てられてた
意地悪な母ちゃん「コゼット汚な!!母娘揃って汚な!!それに比べて私の可愛い愛娘のエポニーヌ超カーワーイーイー!!」みたいな感じ
幼少エポニーヌも可愛いお人形さんを抱き締めながら幼少コゼットに「いいでしょう!」って感じの顔
まさに意地悪な女の子!
のはずだったのに
バルジャンが幼少コゼットを引き取ってから9年が経ち…
時代は学生達が立ち上がる激動のただ中へ
学生運動の主要格の青少年マルクスは、友との運動演説真っ最中でした。
マルクスを優しく見守るのは美しく成長したエポニーヌ
エポニーヌはマルクスに恋をしていました
しかしマルクスの方は「僕をからかってるの?」スタンスでエポニーヌの恋心に気付かない
そしてマルクス達が立ち上がっている町に、バルジャンがこれまた美しく成長したコゼットを連れてやって来たのです
マルクスとコゼットはお互い一目惚れしちゃいます
そしてそんなマルクスを複雑に見守るエポニーヌ…
あああああぁぁぁぁぁぁぁああぁあぁあぁあああぁぁ片想いいぃぃんがあああぁぁぁああぁあぁあぁぅああ
エポニーヌもエポニーヌで、美しい娘が幼少期に少しだけ一緒に暮らしていたコゼットだと気付きます
ちなみにエポニーヌの子悪党両親はというと、子悪党っぷりがばれて宿屋を失ったのか、路上で更なる子悪党になってました。エポニーヌも日銭を稼ぐために両親を手伝っている様子。でもほんと、エポニーヌ、超絶良い子になってます
誰だエポニーヌを良い子にしたのは
恋か。マルクスか。
マルクスへの恋心がエポニーヌを理性的な美しい娘に成長させたのか
エポニーヌが意地悪なまま育ってたなら、私はエポニーヌをヒロイン扱いしないし泣きもしなかったぞ
そんなこんなでエポニーヌ、苦しい片想いに身をゆだねながら、それでもマルクスのそばにいられるだけでいい、自分の心の中だけで恋人みたいにいられたらいいの。でもいつか気付いてくれたなら…って感じでマルクスの側にいて、でもマルクスはコゼットに恋をして
エポニーヌ、学生運動と恋の間で揺れるマルクスに、コゼットの居場所を教えます
どれほど苦しかったことか。でも顔に出さずにマルクスをコゼットの住む場所に連れていくんです
そして運命も2人を祝福するように、夜の帳の中で柵に阻まれながらもマルクスとコゼットが再会して互いに名乗り、愛を口にします
コゼットに愛を語るマルクスを物陰で見守るエポニーヌ。どれほど苦しかったことか
エポニーヌが胸中を歌うときも「コゼット、あなたは美しくなった。でも私はとてもみすぼらしい」と歌うのですが、見にまとう衣服に差があるだけで、エポニーヌ、君も美しいよおおおぉぉぉぉぉ!!!
そしてその後に子悪党なエポニーヌの父ちゃんがコゼット達の生活する家を襲いに行こうとするのですが、エポニーヌ、止めるんです!!
子悪党父「邪魔するなら我が子でも許さねえぞ!!」
エポニーヌ「悲鳴あげてやるから!!」
子悪党父「うるせぇ!黙ってろ!!」
エポニーヌ「きゃあああああああ!!」
ほんとに悲鳴を上げたエポニーヌ、父ちゃんに殴られます(蹴られてたか?どっちか)
そしてエポニーヌの悲鳴のおかげでコゼットとバルジャンは逃げることができたのです
また逃亡することになり、マルクスの側にいたいコゼットは悲しみます。でも手紙をしたため、マルクスに見つけてもらえるように2人再会した柵に挟んでバルジャンと共に逃げてしまいまして
ここて手紙を発見したエポニーヌ、複雑な乙女心から、その手紙をマルクスに渡さずに自分の手元に残すのです。あぁ複雑な乙女心
エポニーヌ、君は悪くない
そして時代の鐘が鳴り響きます
若者達が立ち上がる時、エポニーヌも髪をひっつめ、胸をさらしで潰し、少年達と同じ服を着て運動に参加します
運動の参加理由がマルクスの側にいたいからで何が悪い
「マルクスの側にいたい」と書いて「愛する人を守りたい」と読むのだ
マルクスも恋と革命の狭間で揺れますが、友と共に革命運動を行うことを決めたんだ!!
そして始まる、政府と若者達との戦い
自由を求めて戦う若者達
マルクスも、エポニーヌも戦います
そしてなんやかんやあり、マルクスが単身敵地に乗り込もうとします
もちろん仲間達が止めようとしますが、マルクスは敵地に向かい、敵の銃口がマルクスに向けられた時、エポニーヌはマルクスを庇い砲撃を胸に食らいました
ここで私はとりあえず叫んだしごっさ泣いた
うわあああぁぁぁぁエポニーヌゥゥゥゥゥ!!ってなった
崩れるエポニーヌ。マルクスは敵達に退くよう告げてから、胸を押さえるエポニーヌを発見
下がった場所で胸を押さえて苦しむエポニーヌを抱き締めます。
エポニーヌは最初、砲撃を受けたことを隠したままでマルクスに謝罪するんです。「ごめんね。あなた宛のコゼットからの手紙、あなたに渡さなかった」と
マルクスは手紙を手に取りますが、それでもエポニーヌの側にいてやります。そして自分の身代わりになって砲撃を受けていたことにも気付きます
そこでエポニーヌは「痛くないよ。あなたが側にいてくれるから」と
健気か
マルクスもようやくエポニーヌの自分に対する思いに気付きます。そしてエポニーヌの命の時間が長くないとさとり、エポニーヌが亡くなる数分間、ずっと抱き締めて側にいてやります
きっとこの時のマルクスの心にはエポニーヌしかいなかったと信じたい
たった数分間だけでしたが、エポニーヌはマルクスと恋人になれたんだって解釈してる。きっとそうだ
エポニーヌはマルクスを守れた喜びと、マルクスに抱き締められる幸せを感じながら笑顔でこの世を去ります
最後の最後で幸せだったよね、エポニーヌ
そしてエポニーヌが命を落とし、マルクスが茫然自失となり
共に運動をしていたマルクスの仲間の一人がエポニーヌの遺体を優しく抱き上げて別の場所に移動させるんだけど、もしかしたらこの青年はエポニーヌを好きだった可能性があるかも知れないと思いながらまた泣いた
エポニーヌ、両親が子悪党なのにあんなに美人で良い子だったんだから、彼女を好きだった他の青年がいたとしても不思議ではない
もちろん作中では触れられていないけど
とにもかくにもエポニーヌが亡くなり、幼い少年までもが犠牲となり…
幼い少年は生き残るって思うだろ?無惨にも殺されてしまうんだぜ
少年だけでなく、マルクス以外ほぼ全員が
マルクスはというと、傷を負いはしますが、バルジャンによって助けられます。
バルジャンは娘同然に育ててきたコゼットをマルクスにとられてしまう!とも考えちゃうんですが、コゼットの未来の為に、マルクスを救い出すんです
そんでもって色々あって、マルクスとコゼットは再会して、仲間達を失い深く傷付いたマルクスの心をコゼットが癒して…
長年コゼットを守りながら逃亡生活を続けてきたバルジャンはマルクスにコゼットを託して、自分一人だけで行方をくらまします
まぁ結局最後には終の居場所でコゼットと再会して、コゼットとマルクスに看取られながら息を引き取ります
長かったねバルジャン。お疲れ様だね。
エポニーヌの話ばっかしてたからバルジャンの話しは隅に追いやられてましたが、主人公はバルジャンなんだって
私の中では全員主人公だがな
バルジャンを長年追ってた悪役っぽい刑事さんにもドラマがあってさぁ
もうほんと、みんな主人公だよこの映画
子悪党夫婦もある意味で主人公なんだよ
エポニーヌも最強のヒロインなんだよ
ほんともう、エポニーヌウゥゥゥ
うあああぁぁあエポニーヌウゥゥゥェァァ
先入観の影響で長年見ないままいましたが、小説買おうと思います
映画、ほんとに見てよかったです
また借りて見ると思います
ほんとエポニーヌ最強のヒロイン
死んでしまいはしましたが、彼女にとっては最高のハッピーエンドだったと信じています
子悪党の両親の元に産まれて、一番輝く美しい娘の時代に化粧も髪飾りもつけられないボロを着るようなみすぼらしい人生だったのに、最後の最後で大切な人の命を守れて、さらにその大切な人に「君が眠りにつくまでずっと側にいるからね」って言われて抱かれながら死ねたんですから
この時代に生きた少女の最高の青春だったと信じたい
私の中のレ・ミゼラブルのヒロインはエポニーヌで決まりである
まあ、みんな魅力があってみんな好きなんですけどね
その中でもエポニーヌに一番惹かれたんだから仕方ない