第5回
ソリッド「…何で俺がここに呼ばれんだよ」
7人目の小人「おや、なぜ熊がここに?」
ソリッド「熊じゃねえよ人間様だよ」
7「熊が喋るとは!なんて器用な熊なんだろうか!よし、ぜひこの熊太郎君をこの世界で1番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるアンヌちゃんよりもピチピチスベスベプルプルウルウルな僕のフィアンセである白雪姫ちゃんに持ってかえってあげよう!」
ソリッド「…それマジで言ってたのかよ」
7「よしそうと決まれば善は急げだ!熊太郎君は動いてはいけないよ!一思いに殺してあげる事が7人目の小人に化けていたけど実は7人目の王子様であった繊細で美しい僕の宿命だからね!狙いは眉間!一発ゴー!!」
ソリッド「うわ危ね!ゴーじゃねえんだよ!あと俺は熊太郎じゃねえよ!あらかじめ説明受けてんだろうが馬鹿野郎!」
7「なんだって!?熊太郎君め!この繊細で美しい僕に向かって馬鹿野郎だなんて口を利くなんて!そんな悪い子は僕のおちムゴー!!」
ソリッド「何物騒なこと言おうとしてんだよ…とりあえず落ち着け。お前は短編台詞小説“白雪姫”から来た王子、俺は長編小説“エル・フェアリア”から来たソリッドだ。わかったか?わかったんなら手を離してやる」
7「ムゴ」
ソリッド「よし」
7「ぷは…全く、冗談が通じないなんて」
ソリッド「どこらへんが冗談だったのか詳しく聞かせてくれや」
7「仕方無い聞かせてあげよう!僕のおちムゴーッ!!」
ソリッド「お前まじでやめろよ…」
7「ムゴムゴ」
ソリッド「お前が昔は男好きだった設定はわかってるから二度と股間の話しはすんな」
7「二度とではない。次に話せば三度目だ」
ソリッド「そうだな!そうなんだけどな!俺が言いたいのはそこじゃねーんだよ!!誰だよこいつを暴露大会のキャラに選んだやつ!」
7「暴露大会ではない、大暴露大会だ!それとこの繊細で美しい僕を光栄にも選んだのは管理人だ!」
ソリッド「わかってんだよ!俺が言いたいのはそういう意味じゃねーんだよ!!」
7「…あまり難しい話しはしないでくれ。繊細で美しい僕には目が回りそうだ」
ソリッド「単なる馬鹿じゃねえか…嫁さん苦労するぞ」
7「何だと!?繊細で美しい僕はまだ結婚はしていないがこの世界で1番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるアンヌちゃんよりもピチピチスベスベプルプルウルウルな僕のフィアンセである白雪姫ちゃんが苦労するだって!?誰のせいで苦労するというんだ!教えてくれ!今すぐにそいつを一思いに殺さねば!」
ソリッド「話聞けよ!どっから聞いてもお前の事だろうが!」
7「なに!?僕が白雪姫ちゃんを苦労させる張本人だというのか!?」
ソリッド「そう言ったんだよ」
7「ふ…ふふ…」
ソリッド「…何だよ気持ち悪い…」
7「苦労させられているのはこの繊細で美しい僕の方さ!!」
ソリッド「はあ!?」
7「いいかい熊太郎君」
ソリッド「ソリッドだっつってんだろ」
7「繊細で美しい僕が出演する台本小説“白雪姫”の世界観において白雪姫ちゃんは世界で4番目に美しいお姫様なんだ!」
ソリッド「そうだったな。世界一は母親だったもんな」
7「そう!そして白雪姫ちゃんの美貌にやられたのは僕だけじゃなかった…6人いる僕の兄上達も白雪姫ちゃんにメロメロになってしまったのさ!!」
ソリッド「お、おう…」
7「白雪姫ちゃんを僕のフィアンセとして兄上達に紹介したところ…兄上達の目の色は変わってしまったんだ!!」
ソリッド「…」
7「その日から軽く内戦始まっちゃった☆」
ソリッド「軽く言うことかよ!お前のいる話は唯一のギャグだろうが!!」
7「ああ、大丈夫さ!内戦とはいっても民に迷惑はかけないからね!勝負内容はただ1つ!白雪姫ちゃんの心をゲットするそれだけさ!その為に僕を含めた兄上達は毎日のように白雪姫ちゃんの喜びそうな贈り物を考えて作らせているんだ!おかげでなぜか国の金回りがよくなって潤い始めている!!」
ソリッド「なんだよその設定は!!」
7「ギャグだからさ!」
ソリッド「羨ましい限りだな…」
7「そういう熊太郎君はまだ小説にあまり出ていないはずだが?」
ソリッド「あ?ああ、俺はモブだからな」
7「何!?しかし熊太郎君には若い娘が共にいるんじゃなかったかい?」
ソリッド「アエルか。あいつは…奴隷だ奴隷」
7「奴隷?にしては大切に扱っていたような…」
ソリッド「…」
7「わかったぞ!熊太郎君!君は俗に言うツンデレという属性なのだな!!若い娘を奴隷だなどと口では蔑みながら心では愛しムゴー!!」
ソリッド「…いらんこと言うな…な?わかったら離してやる」
7「ムゴムゴ」
ソリッド「…はぁ」
7「ぷは…熊太郎君は素直じゃないんだな」
ソリッド「あいつは俺が買った奴隷なんだよ。それ以上でも以下でもねぇよ」
7「奴隷に以下などないと思うが…」
ソリッド「…」
7「…難しいことはわからないな!」
ソリッド「…こいつが馬鹿でよかった」
7「なぜ娘を買ったんだ?」
ソリッド「あ?」
7「アエルちゃんさ。なぜ買ったんだ?」
ソリッド「…」
7「惹かれる何かがあったのではないか!?」
ソリッド「お前もしつこいな…」
7「白雪姫ちゃんが恋バナ好きだとわかったんだ!白雪姫ちゃんへのお土産話の為に教えるんだ!」
ソリッド「恋バナでも何でもねぇよ!!」
7「ならなぜ?」
ソリッド「…たまたまだ!たまたま!!」
7「タマタマ…」
ソリッド「おい、変な意味で考えんなよ」
7「アエルちゃんを買ったのはいつだい?」
ソリッド「…いつだったか…7、8年は経ってるんじゃねえか?」
7「…けっこう長いんだな。アエルちゃんの年齢は?」
ソリッド「あいつの歳わからねぇんだよ。たぶん今で20は越えてるだろうがな」
7「若い娘と男が1つ屋根の下とは…なかなか深く考えてしまいそうになる!!」
ソリッド「考えんでいい」
7「奴隷だと宣言するということは!!…やはりニャモニャモしているのか?」
ソリッド「…なんだって?」
7「ニャモニャモ…しているのか?」
ソリッド「何だよニャモニャモって!!」
7「いや、それは…でへへへ」
ソリッド「気持ち悪いな!!」
7「でへへへ」
ソリッド「…まあ何が聞きたいかはわかった」
7「で…どうなんだ!?」
ソリッド「お前なぁ…親子ぐらい歳の離れたガキに手なんか出すと思ってんのか」
7「しかしアエルちゃんはもう20歳は越えているんだろうに?ガキではないと思うんだが」
ソリッド「…俺から見たらしょんべん臭いガキなんだよ」
7「なんだ、つまらないな…じゃあ手を出していないのか」
ソリッド「…当たり前だろ」
7「まて!今のはわかったぞ!!何だ今の間は!!」
ソリッド「はあ!?」
7「ははぁ~ん、さては熊太郎君!手は出していないだろうが、手を出された側だな!!」
ソリッド「はあ!?!?」
7「小説を読むかぎりアエルちゃんは絶対に熊太郎君に恋をしている!そしてひとつ屋根の下!怖いもの知らずの若者ならば即行動あるのみ!どうだ僕の推理は!!」
ソリッド「お前なぁ…」
7「しかも何やら“エル・フェアリア”の第2章後半のヒロインはエレッテちゃんとアエルちゃんらしいではないか!ならばトキメキゴングの鳴り響くラブパッション祭りが開催されるのだろう!!」
ソリッド「言ってる意味がわかんねえ!!」
7「いいなぁ…僕も白雪姫ちゃんとのその後を書いてほしいなぁ」
ソリッド「諦めろ。管理人にその予定が無い」
7「…うぅ、寂しいものだ」
ソリッド「まぁいいじゃねえか。こうやって変な形で出られるんだから」
7「…これから活躍する者にはわからないだろうけどね…話の終わってしまった者達はつまらないんだからな。特に短編だと長編に比べれば思い入れも少ないものなんだ」
ソリッド「…そこらへんはわからねぇな」
7「ふーんだ。いいもーんだ。そのうち管理人の意識を乗っ取って王子様祭りとか開催してやる」
ソリッド「王子様祭り…お前と“エル・フェアリア”のコウェルズ王子と…“いにしえほし”は王さんだから参加出来ねぇか」
7「僕が企画する王子様祭りは王子ならば『元』が付くなら参加可能だ!!」
ソリッド「…てぇと…お前、コウェルズ王子、ヴァルツ殿下、バインド王、クロード王?」
7「ファントムも忘れてやるな!」
ソリッド「…来るか?」
7「呼ぶ!!」
ソリッド「おう、それならお姫様祭りもやればいいだろ」
7「お姫様祭り…七姫に、白雪姫ちゃんに…ファルナラちゃん?」
ソリッド「“いにしえほし”のファルナラは王族じゃないから別だろ」
7「ならばヒロイン祭りだ!いやむしろヒロイン選手権だ!!」
ソリッド「…なんだそりゃ」
7「各小説のヒロイン、あるいはヒロイン候補達に水着やらプリティポイントやらを競わせてサイト内で最もヒロインに相応しい娘を見つけだすんだ!!」
ソリッド「…で、お前は誰が一番のヒロインだと思ってんだ?」
7「もちろん白雪姫ちゃんさ!!熊太郎君は?」
ソリッド「…ヒロインなぁ…ヒロイン要素っていったら…守ってやりたくなる感じだろ…“雪の消える朝に”の粉雪とか良い線いくんじゃねぇか?」
7「守りたくなる感じがヒロインの素質なのかい?ならほぼ壊滅的じゃないか」
ソリッド「…それは大声で言うな。な?」
7「僕の白雪姫ちゃんは、こう!って決めたら突っ走るし、七姫なんか可愛いふりして灰汁が強そうだし、アリアちゃんは図体からして大きいし」
ソリッド「図体とか言ってやんな…」
7「ミュズちゃんはなんかケンカ腰だし、エレッテちゃんは守ってあげたいというか…根暗そうだし…ガイアさんは年齢的にヒロイン選手権には入れないし…アエルちゃんはどうだ?」
ソリッド「…」
7「アエルちゃんなら良い線いきそうじゃないか?“エル・フェアリア”の中でも魔力を持たないし、奴隷という可哀想な立場でありながら明るく前向きじゃないか!」
ソリッド「あいつは駄目だ。向いてねぇ」
7「やってみないとわからないだろう!」
ソリッド「いや無理だろ…」
7「うーん…共に暮らすが故に彼女を理解しているんだな。だが安心していい!深いところまで審査対象ではないさ!水着の可愛さを競うんだから!」
ソリッド「水着だけかよ」
7「後は…下着かヌード?」
ソリッド「絶対にやめとけよ…何人か野郎が暴走するぞ。てぇかそれだとヒロイン選手権じゃねぇだろ」
7「う…それもそうか…なら水着選手権?」
ソリッド「変な方向から離れろ」
7「なら水着選手権は男達にさせればいい!弾ける肉体美が拝めるなんて至高の日ではないか!僕は審査員をやるぞ!絶対にだ!!」
ソリッド「…」
7「あ、熊太郎君は司会進行をさせてやろう。毛むくじゃらな君の水着は見たくないからね」
ソリッド「ああそうかい…」
7「ふふ…ふふふふ…素晴らしい大会になりそうだ。“エル・フェアリア”ではコウェルズ君とニコル君の金銀タッグが見てみたいね…アクセル君も華奢そうでポイントが高いよ。“いにしえほし”のオズ君とルト君の兄弟姿も見てみたい…ああ、こちらも金銀タッグになるのかな?ああぁ興奮が冷めそうにないよ!“雪の消える朝に”の緋翼君の燃える姿も見てみたい…“幻紅葉”のブルー君もアクセル君のような儚さがありそうだね。ショタッ子であるルクレスティード君とそら君にはラウンドボーイをさせよう!!もちろん水着でね!!…待ってくれ!“ハツコイ”の悪魔君もショタッ子になるのかな!?ああぁ考えただけで鼻血が!!」
ソリッド「…」
7「ふふふふ…小説内の旨そうな男の子達は全員調べ尽くしているよ」
ソリッド「…お前…」
7「あ、もちろん一番は白雪姫ちゃんだよ!彼女の可愛さに勝る存在なんていないからね!はああぁぁたのしみだなぁ」
ソリッド「いや、野郎の水着選手権なんてしないだろ」
7「え?」
ソリッド「女どもならまだしも、野郎の水着選手権なんかするわけないだろ」
7「…え?」
ソリッド「…現実をよく考えろ。管理人の好みは可愛い女の子だ」
7「……え?」
ソリッド「…管理人の好みは、胸のでかい可愛い女の子か…動物だ」
7「………え?」
ソリッド「…それが現実だ」
7「…」
ソリッド「そういうこった。仕方ねぇ」
7「う、嘘だ!!」
ソリッド「嘘じゃねぇよ」
7「嘘だあああぁぁぁううぅぅううわあああん!!」
ソリッド「あ、こら逃げんな!!…ったく…勝手に出ていきやがって…このあとどうするんだ?」
ソリッド「…」
ソリッド「…」
ソリッド「…しゃあねえ、次に回すか…カードはっと…これか」
ソリッド「…あいつの分も引いていいのか?」
ソリッド「…帰ってこねぇな…」
ソリッド「…いいか。引くか」
ソリッド「えぇーと“エル・フェアリア”の次のキャラは…エレッテか。まだ男が苦手だったな。相方は女が当たりますようにっと…」
ソリッド「…」
ソリッド「…“幻紅葉”のキールド…あ、野郎か…」
ソリッド「…やばいか?」
ソリッド「…しゃあねえか。これもあいつの為ってやつだな」
ソリッド「…それにしても、エレッテもでかくなったもんだな。昔っからおどおどしてたが…」
ソリッド「“エル・フェアリア”第2章の後半はエレッテとアエルがヒロインか…めんどくせぇ2人を揃えるもんだ」
ソリッド「さ、馬鹿王子もいないし、とっとと帰るか。アエルに土産でも買って帰らねぇと煩ぇんだろうなぁ…なんか買って帰るか…確かサンリオの店が気になるって言ってたなぁ」
7「ぁぁぁぁあああああ…あれ?」
7「熊太郎くーん?」
7「…帰っちゃった?」
7「…あ!次のキャラが出されてる!僕も引きたかったのに!なんて熊太郎君だ!!」
7「…次のキャラは…エレッテちゃんとキールド君か。キールド、キールド…ああ、あの中年間近の男か。僕の興味じゃないな」
7「キールド君は確かシェイリーちゃんとニャモニャモな仲っぽいって白雪姫ちゃんが言ってたなぁ…あれ、そういえばシェイリーちゃんはもう大暴露大会に出てた気が…」
7「エレッテちゃんは男の子が苦手な人だったような…うーん…まぁいいか!白雪姫ちゃんに沢山お土産買って帰ろっと!!たしかサンリオのお店があったはず!!全種類買って帰ろっと!!待っててね白雪姫ちゃーん!これで兄上達よりも白雪姫ちゃんの好感度アップだ!!えへへへ、そしたら、今夜こそ白雪姫ちゃんと…でへへへへへ今夜こそニャモニャモにゃー!!」