第4回


フレイムローズ「わー!こんにちは!」

粉雪「あの…初めまして」

ローズ「俺は“エル・フェアリア”のフレイムローズだよ!よろしくね!」

粉雪「私は“雪の消える朝に”から参りました、粉雪と申します。宜しくお願い致します」

ローズ「このサイトに一番最初に載せられた短編小説だよね!読んだよー」

粉雪「ありがとうございます。お話自体は数年前のものなんですよ」

ローズ「そうなの?」

粉雪「はい。以前のサイトに載せていたものですから」

ローズ「へー。その時はどんな小説があったの?」

粉雪「…“いにしえほし”はありました」

ローズ「うそ!?」

粉雪「ですが内容が全く異なります」

ローズ「…俺“いにしえほし”読ませてもらえなかったんだよね」

粉雪「私は読ませて頂けたのですが、以前を知っているので妙な気持ちになりました」

ローズ「そっかぁ…“雪の消える朝に”は今と前で変更点とかあるの?」

粉雪「申し訳程度ですが。大筋は同じですよ」

ローズ「そうなんだ…けっきょく緋翼さんとは触れ合えなかったんだよね」

粉雪「仕方ありません。私は冬山の精霊。あの方は炎の精霊ですもの」

ローズ「悲しいなぁ…俺だったら嫌だなぁ」

粉雪「フレイムローズ様は好きな方はいらっしゃるのですか?」

ローズ「俺?みんな好きだよー!」

粉雪「…あの、そうではなくて…恋慕う方は…」

ローズ「あー、俺ムリなんだ」

粉雪「え?」

ローズ「魔眼持ちだからさ、恋愛的な意味の好きな人は作れないんだ」

粉雪「…どうしてですか?」

ローズ「どうしてって…うーん…そう言われたから?」

粉雪「…どちらの方に?」

ローズ「みんな。魔眼は特別な力だから、結婚相手は慎重に選ばないといけないんだ。…たまには女の子と仲良くしたいなーとは思うけど」

粉雪「…ですが、心から恋慕う方が現れたらどうしますか?」

ローズ「んー…」

粉雪「…」

ローズ「よくわからないよ。粉雪ちゃんはどうだったの?」

粉雪「え…私ですか?」

ローズ「緋翼さんとの恋愛は!!」

粉雪「私は…」

ローズ「緋翼さんは粉雪ちゃんと一緒にいる為に仕事放棄して、力を失い始めたんだよね。だから近付くことができたんだっけ」

粉雪「…はい」

ローズ「…悲しかった?」

粉雪「…私のせいで弱まるあの方を見てはいられませんでした…」

ローズ「…それでも緋翼さんは粉雪ちゃんの傍にいたかったんだよね」

粉雪「…」

ローズ「俺だったらどうするかなぁ?」

粉雪「…」

ローズ「…わからないや」

粉雪「ふふ…」

ローズ「粉雪ちゃんだったらどうしてた?緋翼さんと粉雪ちゃんが逆の立場だったら」

粉雪「私と緋翼様がですか?」

ローズ「うん!」

粉雪「…私でしたら…」

ローズ「どうする?」

粉雪「…私でしたら、身を引いたかもしれません」

ローズ「…会わないようにするってこと?」

粉雪「はい…」

ローズ「ふーん…みんなそれぞれなんだね」

粉雪「…ですね」

ローズ「恋愛小説は粉雪ちゃんの出てる“雪の消える朝に”の他に何かあるのかな?」

粉雪「…“エル・フェアリア”も恋愛小説かと思うのですが」

ローズ「え!?そうなの!?」

粉雪「…ご自分の出演されている小説では…」

ローズ「えー…」

粉雪「大半の方が恋をされていませんでしたか?」

ローズ「うー…」

粉雪「…フレイムローズ様の中の“エル・フェアリア”はどういったお話なのですか?」

ローズ「えっと…リーン様の救出劇?」

粉雪「でしたらヒロインはリーン姫様になるのでしょうか」

ローズ「ヒロインはアリアで、裏ヒロインがミュズって女の子だって聞いたけど」

粉雪「あら、でしたらエルザ姫様は?」

ローズ「重要人物だって!」

粉雪「…難しいです」

ローズ「登場人物が沢山いるからね」

粉雪「主人公はどちらの方になるのでしょうか?」

ローズ「…あー。ね。それはね…」

粉雪「?」

ローズ「…最初はリーン様だったんだよ!」

粉雪「まあ、そうなのですか!」

ローズ「らしいよ。ホントの最初の設定だとリーン様がファントムに拐われて、ファントムの復讐に付き合わされる話しになるかもしれなかったんだ」

粉雪「では大筋は変わらないという事でしょうか?」

ローズ「たぶん。細かい設定は物凄く変わってるみたいだけど」

粉雪「と言いますと?」

ローズ「…俺もよくわかんないや」

粉雪「…そうなのですか」

ローズ「あ、でも小説が今の形に落ち着いた頃の主人公はガウェで、ニコルはエルザ様に片思いするただの平民騎士だったんだよ!」

粉雪「ガウェ様が主人公の時は、ヒロインはやはりリーン姫様だったのでしょうか」

ローズ「そうなるよね。…リーン様、早く元気な姿に戻れるといいなぁ」

粉雪「5年間も土中に埋められていたなんて…」

ローズ「呪いの力で死ねなかったんだ…きっと苦しかったよね。でも助けられてよかった!これもロスト・ロード様のお陰だよね!」

粉雪「そう…ですね」

ローズ「最後はどうなるのかなぁ。みんなで幸せに暮らせたらいいなぁ」

粉雪「そうですね」

ローズ「…そういえば俺達、大暴露大会に呼ばれてたのに全然大暴露してない気がする」

粉雪「大暴露…“雪の消える朝に”は大暴露するほどの情報はありませんし…申し訳ございませんが“エル・フェアリア”の大暴露をお願いするしか…」

ローズ「大暴露…何かあったかな?」

粉雪「あ!そういえば、第1回の大暴露大会で、フレイムローズ様には妹さんがいるとお伺いしたのですが、本当なのですか?」

ローズ「いるよー。双子の妹!」

粉雪「双子ということは、よく似ているのですか?」

ローズ「会ったこと無いからわかんないんだ」

粉雪「え…」

ローズ「会ったこと無いんだ」

粉雪「…ですが」

ローズ「フェアリーローズって名前なんだよ!早く会えたらいいなぁ」

粉雪「故郷にいらっしゃるんですか?確かフレイムローズ様は赤都の領主様のご子息様なのですよね?」

ローズ「そうだよ。貴族第2位!…だけど妹は赤都にはいないんだ」

粉雪「え…ですが」

ローズ「えへへへー、これ以上はヒミツだよー。まだ小説内で書かれてないからね!」

粉雪「何やら思惑がありそうですね」

ローズ「ふふふ!」

粉雪「会えるといいですね」

ローズ「必ず会うよ!」

粉雪「他にご兄弟はいらっしゃるのですか?」

ローズ「お兄様が2人いるよ。俺は三男坊!みんな俺と同じで髪の毛真っ赤っかなんだ」

粉雪「綺麗な髪の色ですものね。緋翼様から頂いた曼珠沙華の花を思い出します」

ローズ「赤色好きでしょ」

粉雪「え、どうして…」

ローズ「当たり?」

粉雪「…はい。…好きです」

ローズ「だと思った!赤って緋翼さんの色だもんね!」

粉雪「!」

ローズ「プレゼントの花も赤で、緋翼さんも炎の精霊だから赤とか緋のイメージだし。きっと緋翼さんは白が好きだよ」

粉雪「…どうして?」

ローズ「だって白は粉雪ちゃんの色だもん!」

粉雪「は、恥ずかしいです…」

ローズ「エル・フェアリアは虹がイメージカラー…って言ったら色全部って言ってるも同然だよね」

粉雪「きっと綺麗な世界なのでしょうね」

ローズ「いいところだよ!あと少しで冬だから、冬になったらおいでよ!」

粉雪「…ですが」

ローズ「少しくらい平気だって!」

粉雪「いえ、そういうことではありません…私はもう天に召された身ですから」

ローズ「あ…」

粉雪「…こうしてこちらに来られたのも、特別な処置を施して頂けたからです」

ローズ「…」

粉雪「なので、せっかくの申し出ではありますが…」

ローズ「…あれ…じゃあさ」

粉雪「?」

ローズ「…ここでなら会えるんじゃない?」

粉雪「…会える?」

ローズ「粉雪ちゃんと緋翼さん!」

粉雪「--…」

ローズ「だって粉雪ちゃん、小説の中だと悲しいお別れしちゃってるけど、この大暴露大会には出られてるんだよ!なら緋翼さんともここでなら再会できるし、触り合えるんじゃないかな!?」

粉雪「…緋翼様と?」

ローズ「きっとそうだよ!」

粉雪「…ですが」

ローズ「緋翼さんだって粉雪ちゃんを抱き締めたいはずだよ!」

粉雪「…叶いますでしょうか…」

ローズ「管理人さんにお願いしてみるとか?」

粉雪「…いえ、やはりいいです」

ローズ「どうして!?」

粉雪「…叶わなかった時が…悲しいですから」

ローズ「…」

粉雪「せっかくですが」

ローズ「…なら嘆願書作ろ!」

粉雪「…嘆願書ですか?」

ローズ「紙に書いて壁に貼っとこうよ!大暴露大会で粉雪ちゃんと緋翼さんを会わせてくださいって!」

粉雪「…」

ローズ「…あんまり乗り気じゃ無さそうだね」

粉雪「…申し訳ございません」

ローズ「うーん…」

粉雪「…どうしても、私のせいで力の弱まってしまった緋翼様を思い出してしまって…つらくなってしまうのです」

ローズ「…緋翼さんは気にしないと思うけど」

粉雪「…それでも、私は…つらかったんです」

ローズ「…なら手紙にする?」

粉雪「手紙ですか?」

ローズ「手紙にしてさ、緋翼さん宛てにして、壁に貼っとこうよ!そしたら次に緋翼さんの番が来た時に読んでもらえるよ!」

粉雪「お手紙…」

ローズ「紙とペン…紙とペン…無い!買ってくるから待ってて!」

粉雪「え!?」




ローズ「ただいま!」

粉雪「…どちらまで?」

ローズ「近くにダイソーあった!」

粉雪「だ…」

ローズ「良さそうな便箋買ってきたから沢山書いてね!」

粉雪「…ありがとうございます」

ローズ「…俺も何か書こっと!」

粉雪「誰宛てに書かれるのですか?」

ローズ「えへへへー、実は気になってる子がいるんだよねー」

粉雪「…恋ですか?」

ローズ「違うよー。“いにしえほし”のリオちゃん!俺と同じで基本的に目を閉じてる設定なんだよねー」

粉雪「そうなんですか」

ローズ「俺はわざと目を閉じてるんだけどね。リオちゃんはホントに開かないらしいよ。サイトのキャラの中で唯一の閉じた目仲間だから気になるんだよね」

粉雪「フレイムローズさんは目を閉じたままでも周りの様子がわかるんですよね?」

ローズ「うん。魔眼の力だよ。手紙書こ書こ~。便箋どれ使ってもいいよ!」

粉雪「あ、ありがとうございます。…このお花の模様の便箋を頂いてもよろしいですか?」

ローズ「沢山あるからどれでも好きに使って~」

粉雪「ありがとうございます!」

ローズ「伝達鳥がいればすぐに持っていってもらえるのになぁ」

粉雪「お手紙を届けてくださる鳥ですよね。すごいですね」

ローズ「一番は直接対話できる伝達鳥だけどね。王城にも沢山いるよ」

粉雪「直接…羨ましいです」

ローズ「じゃあ手紙にわんさか書いちゃおう!」

粉雪「はい!」

ローズ「えっと…」

粉雪「…」

ローズ「…」

粉雪「…」

ローズ「…あ、間違えた」

粉雪「…」

ローズ「…」

粉雪「…」

ローズ「できた!」

粉雪「わ、私も…」

ローズ「どんなこと書いたの?」

粉雪「えっと…いつまでもお慕いしております、と」

ローズ「早く緋翼さんの番が来るといいね」

粉雪「はい」

ローズ「手紙は…宛名書いて、封筒に入れて…壁にぺターンと!!」

粉雪「は、はい!」

ローズ「ふう、一仕事終わった!」

粉雪「はい!…あの、ありがとうございました」

ローズ「いいよ~これくらい」

粉雪「……緋翼様…」

ローズ「…ほんとに緋翼さんの事が好きなんだね」

粉雪「…はい」

ローズ「格好良いんだろうなぁ。粉雪ちゃんも可愛いし」

粉雪「わ、私など…お姫様方に比べたら…」

ローズ「七姫様達はみんな綺麗だからね!」

粉雪「…はい」

ローズ「でも粉雪ちゃんはクリスタル様に似てるかも」

粉雪「クリスタル様…4年前に亡くなられたエル・フェアリアの王妃様ですか?」

ローズ「そう。病的な感じ…って言ったらダメか…儚い感じが似てるかも。だから粉雪ちゃんが七姫様達に会ったら、すぐに仲良くなるかもね。クリスタル様は愛されてたから」

粉雪「王妃様と国王様もとても仲が良かったんですよね?」

ローズ「そうだよ!みんなが憧れるくらい!」

粉雪「御家族でも仲が良いのですよね。七姫様方も王妃様を慕っていらっしゃいましたし」

ローズ「う…ん…七姫様達とクリスタル様は仲良かったけど」

粉雪「?」

ローズ「…言ってもいいのかな?」

粉雪「…何かあったのですか?」

ローズ「うー…仲が悪いわけじゃないんだけど、コウェルズ様は少し冷めてたから…」

粉雪「…王子様が?」

ローズ「うん…何がどうって聞かれたら難しくて上手く言えないんだけど」

粉雪「…みなさんそれぞれに思われ方が違うのですね」

ローズ「クリスタル様はお体が悪かったし、国王のデルグ様も優柔不断な人だったから、コウェルズ様は自分がしっかりしないとってなってたんだと思う」

粉雪「大国を担う方ですものね」

ローズ「そうだよ。…だから…これからどうなっちゃうのかなって、ちょっと心配なんだ。もし王位継承で争いが起きたら嫌だなぁって」

粉雪「コウェルズ様にニコル様…上手く決まるといいですね」

ローズ「だね。…あ、そろそろ時間だね」

粉雪「そうみたいですね」

ローズ「えっと…次の人を選ぶんだっけ?」

粉雪「名前の書かれたカードを引くと聞きましたが」

ローズ「カ、ア、ド、カ、ア、ド」

粉雪「あ、あれではないですか?」

ローズ「え?ほんとだ、あれだ!」

粉雪「次の方を選ぶなんて、どきどきしますね」

ローズ「ほんとだね!…どのカードにしようかな…」

粉雪「…私はこちらで」

ローズ「俺も決めたよ!」

粉雪「では引きましょうか」

ローズ「あ、待って、たしか『いっせーのーで!』って言ってカードを見るんだよ」

粉雪「『いっせーのーで』ですね。わかりました。」

ローズ「じゃあいくよ」

ローズ・粉雪「いっせーのーで!」

ローズ「…」

粉雪「…」

ローズ「…え、誰だろう…」

粉雪「…」

ローズ「…粉雪ちゃんは誰だった?」

粉雪「…“白雪姫”から7人目の小人様を…」

ローズ「あ、実は王子様だった人か…」

粉雪「フレイムローズ様は?」

ローズ「…粉雪ちゃん、“エル・フェアリア”全部読んでくれた?」

粉雪「あ、はい。…目は通していますが…」

ローズ「…じゃあソリッドって人、誰だかわかる?」

粉雪「…たしか、エル・フェアリアの闇市にいらっしゃる兵士?の方だったと…」

ローズ「えー、知らないよー!!何それ、王城と関係無い人も出てくるのー?」

粉雪「…みたいですね。あ、ですがソリッド様は外見は熊のような方ですが、中身はとても格好良い方らしいですよ」

ローズ「やだよ知らない人なんて…もう一回やっちゃダメかな…」

粉雪「…ダメですよ。せっかく選んだのですから」

ローズ「うぅ…」

粉雪「まあまあ…“エル・フェアリア”の魅力を裏側から教えて下さるかも知れませんし」

ローズ「俺べつに裏側とか興味無いよー…」

粉雪「そ、そんな我が儘を言ってはダメですよ。皆様一丸となって“エル・フェアリア”の物語を作っていくのですから」

ローズ「んー…わかった」

粉雪「よかった…では、皆様にお別れをしましょうか」

ローズ「粉雪ちゃんともしばらくお別れかぁ…あ、手紙が緋翼さんに読んでもらえるといいね」

粉雪「はい!」

ローズ「俺もリオちゃんに読んでもらうんだー!それで、閉じた目仲間になるんだー!」

粉雪「素敵なお仲間ですね」

ローズ「これからも閉じた目のキャラが増えるといいなぁ」

粉雪「そうですね」

ローズ「じゃあ、この辺りでお別れだね」

粉雪「はい。少し寂しいですが…私は天に戻りますね」

ローズ「あ…そっか。粉雪ちゃんはもう…」

粉雪「ですが、この場所には来ることが出来ますから」

ローズ「そうだね!」

粉雪「それでは改めまして、第4回大暴露大会は短編小説“雪の消える朝に”から粉雪が」

ローズ「長編小説“エル・フェアリア”からはフレイムローズ・アイリス・アイズでした!」

粉雪「…あまり暴露をしていない気がしますね」

ローズ「…そうだね…でもまあ自由にやっていいよって言われてたし大丈夫だよ!!」

粉雪「そうですよね」

ローズ「じゃあこの辺りで!」

粉雪「今後とも宜しくお願いいたします」

ローズ「さようなら~」



ローズ「あーあ、終わっちゃったね」

粉雪「早かったですね」

ローズ「うん…粉雪ちゃんはこれからどこか寄ってから帰るの?」

粉雪「いえ、私はこの場所以外では存在できない身ですから、このまま消えるのを待ちます」

ローズ「…」

粉雪「とても楽しかったですよ。ありがとうございました」

ローズ「じゃ、じゃあさ、俺、今から大阪名物沢山買って戻ってくるから、待っててよ!」

粉雪「え、ですが…」

ローズ「待っててよー!!」

粉雪「あ…フレイムローズ様…」




粉雪「…身体が…」


粉雪「…」


粉雪「…お手紙」




ローズ「ただいま!沢山買って…」


ローズ「…粉雪ちゃん?」


ローズ「…間に合わなかったのか…そっか…」


ローズ「…仕方無いよね…はは…」


ローズ「…」


ローズ「…あれ、手紙が…」


ローズ「…」


ローズ「…うん。俺もだよ。…また会おうね」




 
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