じかん


  『じかん』


しゃくしゃくしゃくしゃく

歩くたびに

水を含んだ草が鳴る

雨上がりの朝に

歩いた懐かしい散歩道

変わってしまい 戻らないもの

変わらずあり続けるもの

懐かしいような

でも 珍しいような


冷えた風が撫でる私の頬は

散歩道のおかげで暖かい



時間が止まった場所がある

時間の戻らない自分がいる


それが 今 だと誰かが告げる


 
1/1ページ
スキ