※台詞のみのお話になります

　

白雪姫「おーっほっほっほ！鏡よ鏡！魔法の鏡！この世界で１番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるのは、だぁれ？」

鏡「はい、白雪姫。それはこの国の女王であり、あなた様の母親でもあるアンヌ様でございます」

白雪姫「…。カラスが鳴いたから聞こえなかったわ。仕方ない。もう一度聞き直さないといけないわね！鏡よ鏡、魔法の鏡！この世界で１番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるのは…だぁれ？」

鏡「はい、白雪姫。それはこの国の女王であり、あなた様の母親でもあるアンヌ様でございます」

白雪姫「あ、耳鳴りが。ってあーあ、また聞きそびれてしまったわ。鏡。この世界でいろいろ合わせて１番の女は誰？」

鏡「アンヌ様」

白雪姫「っきいいいぃぃぃぃ！！」

鏡「落ち着いてください白雪姫。血管切れますよ」

白雪姫「これが落ち着いていられるか！こら鏡！なんで私よりお母様を１番だと言う？確かに私を生んだのだから、それなりに美人なのは認めるわ。だけどね、この私が１８歳をむかえた今、１番美しいのはこの私！可憐なのもこの私！はかなげなのもこの私！思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるのもこの私のはずでしょう！！

鏡「いえアンヌ様です」

白雪姫「まだ言うか！！…コホン。まぁ、確かに？世の中の考え方というのは十人十色。誰かが『あの人カッコイイー！』と言っても、その友達は『ぇえ？フツーじゃん？』となりますわ。だけどね鏡。この私と、その母親よ？ピチピチスベスベプルプルウルウルのこの私と、シミ･シワ･タルミの三拍子揃ったババアよ！？あんたの枯れ専趣味で決める問題じゃないの！きちんと全世界の魂からの叫びを反映なさい。ほら、答えは！？」

鏡「アンヌ様です」

白雪姫「割られたいの？あらそう、ドＭなの！？」

鏡「いえノーマルです。でもアンヌ様になら踏まれたって構わないです」

白雪姫「あんたバカじゃないの！？いったい、私のどこが母様に劣るというのよ！！」

鏡「全てにおいて４番目です」

白雪姫「はぁ！？なんで私が４番目なのよ！？てか全てにおいて！？」

鏡「はい」

白雪姫「理由！理由を述べなさい！！何故私が４番目なの！！」

鏡「それは、１番がアンヌ様。２番がアンヌ様のお姉様であるローズ様。そして３番目がアンヌ様とローズ様の母親であり、あなた様のお婆様でいらっしゃるマリア様だからです」

白雪姫「っっはああああぁぁぁぁ！？！？！？待ちなさい！３番目！本っっ気のババアじゃない！！クソのついたババアじゃないっ！！」

鏡「いえ。世界第３位の美貌ｴﾄｾﾄﾗを持つ女性です」

白雪姫「何でなんでナンデよおおぉぉっ！！」

鏡「現実だからです」

白雪姫「鏡！私が納得する理由を説明なさい！私が４番目の理由を！！」

鏡「はい。そもそもアンヌ様の一族は絶世の美男美女揃いでした。しかも魔法の山の奥深くの一族であったが為によそ者の血が入る事なく美しい遺伝子のみが受け継がれ続けたのです。しかしあなた様の父親である国王がその村に迷い込み、一族の中で一番美しいアンヌ様に一目惚れをして求婚し、受理されたが為に、美しい遺伝子によそ者の遺伝子が半分交わり、あなた様が生まれてしまったのです」

白雪姫「な…んですって！？じゃあ、私が１番じゃないのは、全部お父様のせいだと！？」

鏡「ぶっちゃけそうなります」

白雪姫「そんな…ゆ…許せないっ！！」

鏡「どうされますか？」

白雪姫「そうね…私の中から父様の遺伝子をなくせば私が１番になれるはず。…検索なさい魔法の鏡！どうすれば私の中のお父様の遺伝子を消せるのか！！」

鏡「えーっと…あ、ありましたよ白雪姫。検索結果によりますと、国王陛下の血を全て抜き取ればいいそうです」

白雪姫「なるほどわかりましたわ！！今すぐ狩人を呼びなさい！狩人に国王を暗殺させるわよ！！」

鏡「あ、ちがいますよ。白雪姫の中の国王陛下の」

白雪姫「狩人に父様の血を全て抜き取らせて…そうだわ、ちゃんと抜き取れたかどうか確認する為にも血を持って帰るよう言わなくちゃ」

鏡「そんな事しても意味は」

白雪姫「狩人ー、かぁーりうどぉー！」

狩人「お呼びでしょうか白雪姫！」

白雪姫「かくかくしかじかよ。いってらっしゃい」

狩人「は！」

鏡「だーめですよー、白雪姫ー。話すっとばしちゃ」

白雪姫「何を言っているの！楽しみにしてたテレビを録画して見る時は、CMは飛ばして見るでしょ？それと同じよ」

鏡「あー、自分、CMも楽しむヒトなんでー」

白雪姫「あらそう。…ふふ、ふふふ」

鏡「…白雪姫？」

白雪姫「とうとう私が世界一になる時が来ましたわ！！おーっほっほっほ！！」

鏡「…まったく、困ったお姫様だなぁ」

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国王「るーるるんるんるん、るーるるんるんるん。城の庭にこんなに可愛い野薔薇が咲いたって知ったら、アンヌ喜ぶだろうなーあははははー。よーし、この世界で１番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるの僕の可愛い妻・アンヌの為に、野薔薇を摘んであげよう！…あ、野ウサギ！！」

ウサギ「ぴ！？ぴぴーっ！！」

国王「つーかまーえたっと！可愛い僕の娘、白雪姫にはこのウサギをソテーにしたものをあげよう！白雪姫は食いしん坊だからなーあはははははー。おや？狩人ではないか？そこで何をしている？…あ、まさかこのウサギを狙っていたのかい？それはすまないことをした！残念だが僕が先に捕まえてしまったんだ！素手で！すごいでしょ！！僕すごいでしょ！！」

狩人「国王陛下…かくかくしかじかの理由で…お命、ちょうだい！」

国王「わ、わわわわぁ、そんな理由で！？仕方ない、ひとまず逃げる！すたこらさっさ！！」

狩人「あぁ、国王陛下が逃げてしまった！…しかたない、替わりにイノシシの血を姫様に献上するとしよう！すたこらさっさ！！」

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国王「ふー。かくかくしかじかの理由で森の奥深くまで来てしまったぞ。あ、あれは？小さな家だ！ひとまずあそこでかくまってもらおう！！がちゃ、こーんにーちわー！！」

小人「うわわわぁ！お、お兄さん誰だい！？」

国王「お兄さんだなんて！僕はいい年のおじさんだよー。君は？」

小人「僕は七人目の小人さ。」

国王「七人目？七人の小人じゃなくて？というかぜんぜん小人に見えないんだけど？」

小人「七人目の小人さ。実はかくかくしかじかでね、僕一人になってしまったんだ」

国王「そうだったのかい、実をいうと僕もかくかくしかじかの理由でね」

小人「そんなことが！わかった、好きなだけいるといいよ！」

国王「ありがとう小人君！」

小人「とんでもないよ国王君！僕たち、もう友達だろ！」

国王＆小人「あっはははははは！！」


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白雪姫「ええい、どういうことなの鏡！なぜまだ私が１番じゃないの！？」

鏡「そんなこと言われましてもねぇ…あ、まだ国王陛下生きてるみたいですね」

白雪姫「なんですって！？どこ！！」

鏡「森の奥の小人の家ですね。あ、このでかい小人、七人兄弟の末っ子だったみたいですけど、かくかくしかじかの理由で、国王がくるまでは一人で生活してたみたいです」

白雪姫「何よ、かくかくしかじかの理由って」

鏡「…知らない方が御身の為にこざいます」

白雪姫「えー、教えてよー！！ねえねえ！！おねがーい！！」

鏡「はいはいわかりましたよ。このでかい小人、薔薇属性です。御兄弟はそれが苦痛で逃げ出したようですね」

白雪姫「あらやだ男の園。そんなヤカラとお父様が一緒に？大変！今頃お父様、きっと死んでしまいたい気分でしょうから、この私が自ら葬ってさしあげますわ！いでよ毒林檎！どろん！」

鏡「…どろん？」

白雪姫「効果音よ。気にしないで！」

鏡「…で、その毒林檎の正体は？」

白雪姫「五千匹の蚊を林檎の中に詰め込みましたわ。父様がかじりついたとたんに蚊が一斉に飛び出して、父様の血を全て吸い取るという計画！おーっほっほっほ！我ながら惚れ惚れするアイデア！」

鏡「えげつないこと考えますね」

白雪姫「さあ行くわよ！目指すは小人のいる山小屋！ババアの格好をしてしゅっぱーつ！！」


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小人「ねーねー国王君、そろそろ一緒にお風呂に入ろうよー。僕たち、友達だろ？」

国王「ダメだよ小人君。僕のはだかんぼを見ていいのは、最愛の妻、アンヌだけだからね」

小人「ちぇっ、ちぇっ！じゃあ僕、山で木の実を取ってくるよ」

国王「うん。いってらっしゃーい」

白雪姫「林檎はいらんかねー？林檎はいらんかねー？」

国王「あ、林檎売りが来た！！おーい、林檎ちょうだーい。僕、林檎大好きなんだー。あれ、白雪姫？」

白雪姫「ぎく、な、何の事だいお兄さん？わたしゃ年老いた林檎売りだよぅ」

国王「えー？でも白雪姫に顔も声もそっくりだよー？」

白雪姫「とにかくこれをお食べよ！！」

国王「わーい林檎だぁ！もぐもぐごっくん！う！？…ばたんきゅー！！」

白雪姫「やった、やったわ！…あれ、でも蚊は？…あらま、五千匹は詰め込みすぎたのね。まあ、お父様は喉に蚊のかたまりが引っ掛かって、息が出来なくなって結果オーライだわ！今から血を全部抜き取りましょう！イソイソ！」

小人「ただいま国王くーん！」

白雪姫「いけない！大きな小人が帰ってきたわ！今はとにかく隠れなきゃ！」

小人「あれ？国王君？…国王君！…い、息をしてない！！ど、どうしよう！！」

アンヌ「はいよー、シルバー！！パカラ、パカラ、パカラ、パカラ！」

小人「あ、あなたは！？」

アンヌ「私はこの国の女王であり、そこに倒れている国王の妻、アンヌ！」

小人「ど、どうしてだろう！？女性に興味なんて沸かなかった僕なのに、美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されていそうなあなたを見て一目で恋に落ちてしまった！あなたの夫である国王君はたった今死んでしまいました！ぜひ僕と再婚してください！！」

アンヌ「何を言っているの？この人はまだ死んでいないわ！えい、ぶちゅう！！」

国王「スポン！う、うーん、あれ？アンヌじゃないかー！！わーい、アンヌアンヌー！！」

小人「うわわ、羨ましいなぁ国王君！」

アンヌ「実はかくかくしかじかの理由を魔法の鏡から聞いたの。近くにいるんでしょう！！白雪姫、白雪姫ー！」

白雪姫「…はい、ママ」

国王「あー、やっぱり白雪姫だったんだねー」

小人「な、か、可愛い！アンヌちゃんほど美人じゃないけど、アンヌちゃんよりピチピチスベスベプルプルウルウルで可愛い！！ぜひ僕と結婚してください！！」

白雪姫「な、何よ！大きな小人のくせに高貴な王族に話しかけないでほしいわ！！」

小人「し、白雪姫ちゃん！！でも実は僕は、隣の国の第７王子様なんだ！かくかくしかじかの理由でここにいたんだけど、立派な王族だよ！！」

アンヌ「そんなことより白雪姫！自分のお父様をかくかくしかじかの理由で殺そうとするなんて言語道断！次にやったら、真っ赤に腫れるまでお尻ペンペンしますからね！！」

白雪姫「ご、ごめんなさぃママー、ごめんなさいお父様ー。えーん、えーん」

小人「国王君！近々正式に、白雪姫ちゃんに求婚しに行くから、それまで他の男からの白雪姫ちゃんへの結婚話はしないでね！！」

国王「うん、わかったよ小人君！君はいい人だから、きっと白雪姫も幸せになれるよ！！それとアンヌ」

アンヌ「あらどうしたの？あなた？」

国王「助けてくれてありがとう！大好きだよー！！」

アンヌ「私もだぁい好きよー！！」

国王「あはははー」

アンヌ「うふふふー」

白雪姫「あーあ、結局この世界で１番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛される女の子になれなかったなー」

小人「でも君はこの世界で１番美しくて可憐ではかなげで思わずギュッて抱きしめたくなった後に押し倒したくなるほど魅力的で誰からも愛されるアンヌちゃんよりもピチピチスベスベプルプルウルウルじゃないか！僕はそんな君が大好きさー！！」

白雪姫「まあ、うふふ！」


鏡「こうして、白雪姫は幸せにくらしましたとさ。おしまい」