第70話
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「ダメだー。まだ出てくる気配がない」
時刻は昼過ぎ。部屋に閉じこもってしまったアリアを出すために離れていたアクセルの戻ってきて第一声のため息に、一階の談話室にいた護衛部隊のメンバーとガウェはやれやれと顔を見合わせた。
大声で盛大な告白をしてしまった為に恥ずかしすぎて出られないのはわかるが、呼びかけに応じないまま明日を迎えるつもりなのだろうかと思ってしまう。
「アリアが誰に目を向けてたかなんて、みんな気付いてたんだから今さらなのに」
「でも先に告白したはずの当の本人は気付いてなかったと」
「…そろそろ私をいじるのもやめておかないか?」
アクセルの二度目のため息に相槌を打つセクトルの言葉に、項垂れ続けるレイトルが気恥ずかしそうに頭を抱える。
アリアが部屋に篭ってから今まで、さんざんいじられ続けていたのだから仕方ない。
「ま、一歩前進で良かったじゃんか。心配の種ばっかだったからな」
トリッシュの呑気さは場を和まずためだろうが、それにすらレイトルはそっぽを向いてしまう。
「…こっからが問題、ともいえるけど」
そして続けられた言葉に、全員黙り込んでしまった。
アリアとレイトルの関係が問題になるのは、国が絡むからだ。
「…アリア抜きで話し合えるなら、むしろ引きこもってくれて良かったのかもな。ガウェ殿もいてくれるし」
トリッシュに呼ばれてちらりと顔を向けるガウェも、普段の無表情の中に隠しきれない心配そうな様子を見せていた。
当然だろう。親友二人とその妹の今後はあまりにも苦難の道となることだから。
「俺はモーティシアがこっち側にまわったことが不思議だったけど…どこまで話が進んでたんだ?」
トリッシュはまだモーティシアを信用しきっていない口調だが、顔を上げるモーティシアは気にはしていない様子を見せた。
「…ここにいるメンバーではレイトルとニコルを抜いた全員がアリアの夫候補だったこと。あと数名もちろんいましたが、その中にミシェル殿もいたこと。ミシェル殿はアリアに近付き、国もそれに気付いたこと……アリアの相手はミシェル殿と国が決めたこと」
「--!?」
最後の言葉に緊張が走る。
「…ミシェル殿の思考の異質さに私が気付くのが遅すぎました。そうでなければ、今こうして皆がここに揃うことも無かったでしょう」
「待てよ…国が決めたって、どういうことだ?」
あくまでも淡々と事実を告げていくモーティシアに、ニコルが強く眉根を寄せる。
「言葉通りの意味です。上層部はミシェル殿とアリアを結ぶ為に動き始めています。手始めに動いたことといえば、レイトルをアリアから離すための下準備でしょう。国からすれば幸いにも、ミシュタト家は次男と藍都の末姫との繋がりを断っていますし」
そこで深呼吸するようにため息をつき、腕を組んで言葉続けて。
「まあ、こちら側の幸いとして、ガウェ殿が早々に動いてくれていましたが」
幸いと言いながらも不穏な流れに、今度はレイトルが前のめりになった。
「…聞いてないよ…ガウェ?」
藍都ガードナーロッド家から“末娘のジュエルとレイトルの婚約を”と連絡が来たのはしばらく前の事だ。レイトルの生家が藍都から少なくない量の仕事を任されていたのでレイトルも心配はしていたが、何の変化もないので大丈夫なのだと思っていたのだ。
しかし。
「お前の家に回してた藍都からの仕事が止められたけど、替わりにガウェが黄都からの依頼として仕事を回してくれたんだよ」
レイトルの家の事情を、セクトルが話して聞かせる。恐らくは、家族がレイトルの耳に入るのを防いでいたのだろう。心配させない為に。
「…ガウェ…ほんとなのかい?」
「……ああ」
親友を思うからこその隠し事は、当事者であるレイトルにとっては強く拳を握り締めるに充分だった。
自分だけが知らなかったなど、情けないと当然思うだろう。
「…護衛任務としてもレイトルを離すという案がありましたが、こちらはクルーガー団長が止めてくださいました。リナト団長は不満そうでしたが、騎士団から人員を借りている状況では強くは出られませんでしたからね。それにリナト団長は自分のお孫さんとアリアの婚姻を今も望んでいますし」
「…トリック殿か」
「はい。でもこちらも、年齢差がありすぎて可哀想だとのことで早々に辞退されていましたよ」
事情に通じるモーティシアは多くを隠す事なく告げてくれる様子を見せる。そして現状はここまでだと肩に力を抜いて、同時に全員が黙り込んだ。
物事は今のところ上手い具合に回ってくれて、大きな被害は出ていない。しかしこれからはわからない。
「…次の動きがどうなるか、だよなぁ」
トリッシュの呟きに、場の空気が一層重いものに変わった。
今までは序の口だと、誰もが気付いているからだ。
「…次の動きに関しては、私からの頼みとなるのですが--」
今後どうなるのか、口を開いたモーティシアを制したのはガウェだった。
「--わかっている」
モーティシアの言いたいところを理解していると、私服であれ胸元に付けている黄都領主の証である紀章を撫でて、ガウェはモーティシアに義眼の瞳を向ける。
「…黄都領主として、後ろ盾となれということだろう」
さも当然のことであるような口調だった。
「俺がここにいる理由ならその事だろうからな。紫都領主にも掛け合えばレイトル側についてくれるだろう。藍都の次期領主も紫都領主の下で学んでいる途中だから、こちらも丸め込めるはずだ。赤都と緑都も話をすれば充分に手応えがあるだろう。そうすれば、上手く進めば上位十四家を全てこちら側につけることができる」
困惑するニコルとレイトルの視線を受けながら、以前から考えていたかのようにすらすらと考えを聞かせてくれた。
今すぐにでも動くことは可能だと言わんばかりの。だが「ただ…」と言葉はそこで詰まり。
「それでも、国とは強固なものです」
続く言葉はモーティシアが聞かせてくれた。
水面下で、確実に狙いを定めてくる。
エル・フェアリアは大国だ。その大国に唯一戻った貴重な治癒魔術師を逃すはずがないのだ。そして大国であるが故に、たった一人を逃さないだけの力は有り余るほどに存在する。
「レイトルの魔力量さえ人並みにあったらなぁ」
何気ないアクセルの呟きは、レイトルが眉をひそめる前にモーティシアが小馬鹿にするように鼻を鳴らして切り裂いた。
「人並み程度では無理でしたよ。そうでなければ私が直接命じられることもなかったでしょう」
それが現実だと。
「顔ぶれを見なさい。魔力質量異常者達の集団です。この中でなら、レイトルが唯一の正常者ですよ」
その言葉は魔力をほぼ持たないレイトルにとってありがたいものではなかったが、静かに唇を閉じるに徹して。
「…でも、正常じゃダメだって事だろ。魔力の質量は訓練でどうにかなるものでもないし…」
アクセルの反発するような口調がまたレイトルの心をえぐった。
恐らくアクセルも口にしていいものではないと気付いているのだろう。ちらりと申し訳なさそうにレイトルに視線を送りはしたが、謝罪などはしなかった。
「アリアの母親はメディウム家の人間だったとして、父親が魔力持ちの家族だったならなぁ…ニコル、アリアのお父さんって平民か?」
レイトルの魔力の問題をはぐらかすようにトリッシュは一度頭を掻き、
「…そう聞いてる」
「ニコルのお父さんはなんか貴族っぽいのになぁ」
仮面越しとはいえ以前会ったことのあるニコルの父親を思い出してため息をついた。
「血の薄まりがあるから、国は何としてもアリアの次代を確実に強い魔力を持つ者として産ませたい…それも、何人も、ね」
魔力は質の良いもの同士が交われば交わるほど上質な子供が産まれてきたのだ。もちろん例外も存在はしたが、圧倒的に上質な子供の方が多かった。
だから国は、遥か昔から上質な魔力の持ち主を管理してきたのだ。
「上層部の誰がこの件に関わってるのかわかったら、ガウェ殿の力で交代させられないかな?」
「そこまでは無理だ。黄都領主の権限は王都にはない」
良い案を浮かんだかのようにアクセルが顔を輝かせたが、すぐにガウェ本人に否定されて。
「…でも、国の“裏”を牛耳るのが黄都なら、いっそ闇市の人たちを使って脅すとか」
「物騒だな!でも、最終手段としていいんじゃないか?」
次に出した案にはトリッシュも食いついてくれたが、ガウェはやはり肯定的ではなかった。
「…無理だな。そんなことに黄都領主の力を使えば、統制の取れている闇市を崩すことに繋がりかねない。そもそも黄都領主だからといって闇市を意のままに操れるわけじゃない。私兵団じゃないんだからな」
「…そっか」
黄都領主と闇市の繋がりは口で簡単に説明できるような代物ではないと言われ、アクセルが目に見えて消沈していく。
王族すら顔色を窺う場合もある黄都領主の地位は闇市を統べた事が大きいが、だからといって闇市を好き勝手に動かせるわけではないのだ。
「…国って、何なんだろう」
アクセルの呟きは、どうしようもないほど無情な存在への批判だ。
国に従事する立場にあるが、国の為だからと大切な仲間を傷付けることを良しとはできないと。
「…国が繁栄することが民の幸せに繋がる。何百万人もの民の為なら、一人の犠牲など何でもないと思っていました」
そしてそれは、モーティシアも同じで。
「…犠牲、になるんだ」
「…愛しいと思える者と一緒になれないのですから、犠牲でしょう。上層部はそうは思っていませんが」
少し前までのモーティシアなら思いもしなかった考え方。
国は大切だが、その為に身近な個の人生を好き勝手に左右されるのは、おかしいのではないかと。
決められた未来を本人が良しとするなら構わない。でも、そうではないから。
「…上層部も、夫候補に集めたメンバーがこんな風に話し合ってるとも思わないだろうな」
ニヤリと笑ってつぶやくトリッシュに、ようやく全員が肩の力を抜いた。
今日の話し合いだけで全てわかるわけでもないし、決められるわけでもないのだから。
「もう既成事実って感じで堂々と公言しといたら?」
「恋人関係になったからといって結婚もまだなのに上層部が諦めてくれるはずがないでしょう。宣言すれば翌日にでもレイトルを地方に飛ばして、その間にアリアとミシェル殿を近付けようとするでしょうし、婚約関係に至ったとしても強引に“ミシェル殿とも子をなすように”と命じて実行に移してしまえる国ですよ。エル・フェアリアは」
「…さすがにそこまでは…」
「するだろうな。この国は」
否定しようとするアクセルの言葉をさらに否定したのはニコルだった。
その冷たい口調は、ニコルがこの数日病み続けた理由を語る気がした。
「…モーティシアはさ、なんでミシェル殿はダメだって考えになったわけ?さっきもミシェル殿のことを異質って言ってたし。急にレイトルの肩を持ったのも、なんか…らしくない」
まだモーティシアを信用しきっていない様子を見せながら問うてくるトリッシュに、全員の目が彼に向かった。
それを聞きたい者は多いはずだ。モーティシアはずっとミシェルとアリアを近付けようとしていたのだから。
いったいどこまで言えばいいのか。モーティシアが言葉を選ぶように思案に入っていたのは数秒程度だった。
「…ミシェル殿を何度もアリアに近付かせようとしていたのに思うように動いてくれなくて、妙だとは感じ続けていたのですが…アリアがレイトルへの思いをはっきり自覚した頃合いに“この時を待っていた”と言われまして…」
モーティシアは何度もミシェルを急かし続けてきたのだ。
「どうやらミシェル殿はアリアに昔会っているらしいのですが、その時に何かあったのか…とにかく、アリアに対して好意だけではない別の感情を持っていることは確かでしょうね」
ミシェルと込み入った会話はそれほど多くはなかったが、それでも違和感に気付けるほどの。
「…アリアに好意以外の感情を持ってて、アリアがレイトルのことを好きになるまで待って…でも、昔会ってたなんて聞いたことないよな」
「…アリアが忘れてる、だけ。だとしたら、まるで昔のニコルとガブリエル嬢みたいだな」
首を傾げ続けるアクセルの後にポツリと言葉を続けたセクトルに、レイトルとガウェは同時に顔を見合わせた。
「…は?」
知らぬは当人ばかりと言えるほどに眉をひそめるのはニコルだ。
「…いまだに思い出してないんだもんな」
「ガブリエル嬢は、君が騎士になった頃から君を慕い続けてたんだよ。何度も話しかけにきてたし…正直、味方のいない君に対して良くしてくれていた」
「…知らねえよ」
ガブリエルはアリアだけでなく自分の敵でもあるのだからと不機嫌になるニコルに、今度はレイトルとセクトルが顔を見合わせて。
「…これも忘れてるかもしれないけど…若手騎士を歓迎する舞踏会の席で、君はガブリエル嬢を突き飛ばしたんだ。それ以降のガブリエル嬢は結婚して王城を出るまでの数ヶ月、君への嫌がらせに奮闘してたよ」
嫌がらせは見ていられるものではなかったが、可哀想でもあったかな、と。
レイトルの言葉に改めて過去を思い出す様子を少し見せてから、あ、とニコルはようやく過去の片鱗を掴んだ表情を見せた。
「…女を突き飛ばしたことは覚えてる…妙に馴れ馴れしくて…あの頃はお前ら以外全員敵だったから」
気を抜けばすぐに潰しにかかる世界だったからと。
「まぁ、その時に何があったかはわかりませんが、ガードナーロッド家は傲慢で執念深い一族として有名ですし…もしかすると、似たような事がアリアとミシェル殿の間であったのかもしれませんね」
「それで…つまり、ミシェル殿がアリアを恨んでるってことか?」
もしそうだとしても、少しの間とはいえミシェルと行動したからこそ、にわかには信じられないような内容だ。
「…あんなに勤勉な感じなのに」
「性格など人の中にいくつも存在するものですよ。とにかく、私にとって彼は、アリアの幸せの為に任せられる存在ではなくなったということです」
腕を組んでミシェルを拒絶するような様子を見せるモーティシアに、へえ、とニヤついたのはトリッシュだけだった。
「アリアの幸せ、考えてんだ」
まるでいじるような口調にモーティシアは軽く睨みつけるだけだ。
「アリアの幸せを考えれば、ミシェル殿は駄目だとして…ミシェル殿の候補順位って何番目くらいなわけ?」
「何番…」
「そ、順位。俺、いいこと考えたかもしれない」
ソファーから立ち上がって、ニヤリと笑って。こういう時の悪知恵の働かせ方がだんとつに上手いトリッシュは、モーティシアの返事を待つ前にまずガウェを指さした。
「ニコルは兄貴だから論外として、魔力の質量的に最有力候補にガウェ殿は絶対だろ。その次にアクセルとセクトル。俺、モーティシアの順番だったんじゃないか?」
魔力をほぼ持たないレイトルは飛ばして一人一人指差していくトリッシュに、モーティシアは「そうですが」と眉を寄せながら呟く。
いったい何を思い付いたのかと皆が見守る中でトリッシュの答えを話さないままの言葉はまだ続き。
「ミシェル殿の候補の順番としてはそれより下だったんだろ。候補のギリのラインが他の魔術師何人かとしても、それと同じか少し上くらいか」
「…良くわかってるじゃないですか。それで、何を言い出すつもりなんですか?」
「その場しのぎで長くは騙せないだろうけど、護衛部隊のメンバーがアリアに興味を示したことにすればいいんだよ。国からしたら、ミシェル殿より俺達の方が夫候補として魅力的なんだからな」
悪巧みが上手くいくことに自信を持った笑みで、自分は婚約者がいるから無理だけどと宣いながら。
「何を言ってるんだ!」
「演技だって怒んな!それに、お前がアリアのそばにいるカムフラージュにもなるだろ。上層部をなんとか騙してる間に、ガウェ殿には信頼できる領主さん達に現場を伝えてバレないよう水面下で味方になってもらえれば、いざという時一気に攻め落とせるかもしれないだろ」
護衛部隊全員がアリアに興味を示すなどとレイトルは強い拒絶心を見せたが、トリッシュの方が頭の回転は早かった。
今までの会話内容をまとめて上手く使えそうなところを見つけ出しレイトルを黙らせて。
「どうだよ、ニコルは」
レイトル以外に反対するとしたら兄であるニコルだけだろうと目を向けたトリッシュだが、ニコルは困惑を強めてしまっていた。その大きな理由はひとつだ。
「…アリアの噂はまだ消えていないはずだ。なのにそんなことしちまったら、アリアがどうなるか…」
噂、その言葉に全員が息を呑んだ。
アリアが護衛部隊内で護衛の者達と肉欲に耽っているという下品な噂は、たしかにまだ消えてはいないからだ。村で男達に襲われたという真実と偽りを混ぜこねた噂と一緒に。
ガブリエルが流したであろうその噂は、リーン姫をファントムに奪われて混乱のかぎりを尽くしていた城内で、瞬く間に広がっていたのだから。
「…いえ、いっそその噂を上手く利用できるかもしれません」
噂の件を持ち出されてさすがにトリッシュも口を閉じるが、代わりとばかりにモーティシアが目を光らせた。
「噂の下品な箇所はあくまでも尾ひれが付いたのだと思わせるのです。我々が真摯にアリアに目を向けたという噂に変える事ができれば…もしかしたら上層部も考え直す可能性があります」
上層部がミシェルを相手に選んだ理由はミシェルがアリアを求めたからだ。なら、ミシェルよりも魔力の上質な者達がアリアを求めれば。
「…ニコル。きちんとアリアとも話しましょう。残念ですが噂は既に流れてしまったのです。なら逆手にとればいい。アリアを噂に晒すことにはなりますが、このまま大人しくしているだけでは、本当にアリアの未来に関わります」
動揺するニコルを置き去りにするように、アクセルとセクトルは乗り気の様子を見せて。
「…私がアリアと先に話してきてもいいかな」
手をあげたのはレイトルだった。
「…正直、まだいまいち賛成はできないんだけど…そもそもちゃんとアリアと話せてない状況だから…」
その場の勢いとはいえ好きだと言ってもらえはしたが、それだけの状況でしかない、と。
「…まずは話をさせてほしい」
それは当然の意見で。
「…そうですね。私たちも少し先走りすぎました」
「善は急げだからとっとと行ってこいよ。アリアもさすがに閉じこもりすぎだろ」
モーティシアとトリッシュに背中を押されて立ち上がるレイトルは、まずニコルの元に向かった。
「…いいかな、ニコル」
その短い言葉の中に含む多くの感情を知るのは、アリアを深く愛してしまったレイトルとニコルだけだ。
「…ああ。頼む。お前になら、任せられるから」
「…ありがとう」
そしてニコルは兄としてアリアを任せる言葉を選んで、レイトルはその言葉を最後の後押しとばかりに応接室を後にした。
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