第1話


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連れていかれた先は出会った場所よりも少し離れており、ようやく辿り着いたその店と近辺の様子にガウェとフレイムローズはピタッと動けなくなった。
 平民向けの飲食地区であるそこは平民から見れば小綺麗な場所だが、華やかな世界に産まれ育った二人にとっては目を閉じていたいほどに薄汚れた場所でしかない。
 王都の城下町は他国からの観光も多い為に店を出す場合は整理整頓が条例で定められているはずなのに、と。
 もちろん各店きちんと条例通りにしてはいるのだが、それでもガウェとフレイムローズには三日ほど掃除を忘れた馬小屋にしか見えなかった。
 その昔、馬小屋の掃除当番に当たった時に毎日掃除もせずに暴れ馬の調教ごっこに明け暮れた揚げ句、全く掃除をしていない状況が隊長にバレて滅茶苦茶怒られた過去が懐かしい。
 だが今ここで思い出したくはなかった。
「…酒、場?」
「あら、お酒飲めない?」
「いや…そういう意味じゃ…」
 完全に固まったガウェの代わりにフレイムローズが訊ねてみるが、別の意味で解釈されてしまったらしい。
 その後はモゴモゴと口の中だけで自分でも訳のわからない言い訳をしている。
 明らかに足取りが重くなったガウェ達に気付いていないのか、姉妹はとっとと酒場の中に入ってしまう。
「酒場かぁ…どうしようガウェ、俺、安酒苦手なんだ」
「食事だけ食べてろ。俺は食事すら合わない」
「…そっかぁ」
 出会いに心を弾ませていたはずのフレイムローズも完全にトーンダウンしている。
「何かわいてそうだよね。衛生面大丈夫かなぁ…」
「…言うな」
 どんな美女との食事であろうと、御貴族様にとっては苦行にしかならないだろう店だった。
「--ねえ、好きに頼んでもいいの?」
「あ、いいよ!何でもどうぞ!」
 仕方なく腹をくくって店内に入れば、奥の四人席の丸テーブルに姉妹達は嬉しそうな笑顔で座っていた。
 姉のアミに訊ねられて自由にするよう返せば、隣のマイルがキャアと嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
「やった!お姉ちゃん、マイル、あれ食べたい!」
「待って待って!焦らず頼も!」
 二人には行き付けの店であるらしく、メニューも見ずにいくつかの注文を店員に告げていく。
 店内は昼の食事時である為か飲んだくれた男より食事を楽しんでいる客が多く、それなりに賑わっている様子だった。
 テーブルは欠けた跡やシミが目立ち、椅子に至ってはクッションすら敷かれていない。
 見るものすべてが嫌な意味で真新しく、好奇心を隠せないフレイムローズはキョロキョロと辺りを見回しっぱなしだ。
「二階もあるんだ」
「二階は宿よ。部屋数は多くないけどね」
「へー、よく知ってるんだね」
 何の気も無く訊ねるフレイムローズに、アミがわずかに声を固くした。
「…まあ、それより、ファントムの話だったよね?」
「そんなの後でいい--痛って!!」
 せっかくファントムの話が聞ける所を遮られて、ガウェは隣に座るフレイムローズの足を容赦なく蹴りつける。
 何しに来たと思っているんだ。
「…後でいいの?」
 ふと悲しげな声に変わったマイルを見れば、どこか具合でも悪いのかと訊ねたくなるほどに顔色が白くなっていた。
「…どうしたの?」
「この辺り、最近物騒だから…」
 それはファントムと関係があるという事なのだろうか。何があったのかフレイムローズが訊ねれば、姉妹は互いに目を合わせて一瞬言葉をつまらせた。
「…通り魔よ」
「とおりま?」
 ようやく口を開いたのはアミで、気の強そうな顔が不安に染まる姿はどこか煽るような色気がある。
「この辺りでずっと昔から歌ってた吟遊詩人がね、酷く暴行されたの。何とか意識はあるけど…もう歩けないし、喉も潰されてしまって、二度と歌えなく…」
 この辺りということは、この酒場を行き付けにしている姉妹にとってもよく知る人物なのだろう。アミの言葉を静かに聞いていたマイルの目には涙が浮かんでいる。
「そんな…酷いね」
「酷いなんてものじゃないわ!!」
 フレイムローズが何か言わなければと口を開けば、まるで責めるようにマイルがテーブルをダンッと強く叩いた。周りからの視線が一気に集中するが、マイルは気付いていないらしい。
「見回りの王都兵に犯人像を言っても見つけるなんて口先ばっかりで動いてくれてる様子なんてないし…」
「おまけに詩人が歌った詩にも問題があったなんて、訳のわかんない言い訳して…通り魔なのよ?詩なんて関係無いじゃないっ!!」
 どうやら本当に被害者と接点があるらしく、アミとマイルは涙を浮かべながら強く兵士を批難する。
「お、落ち着いて…」
 フレイムローズが慌てながら二人を宥めるが、一度張り摘めた空気がそう簡単に戻るとは思えなかった。
「…ねえ」
 ふいに、マイルが俯いた状態から見上げるようにガウェに視線を送る。
「…あなたはどう思うの?さっきから、ずっと黙ってるだけで…」
 店内に入ってから、ガウェはひと言も話していない。
 吟遊詩人の話にも無関心でいるのが気に入らないのだろうが、こういう会話に今までガウェが入ったことはない。
「…さあな」
 ガウェやフレイムローズからすれば、いつも通りの返答。
「酷いと思わないの?」
「どうでもいい」
 だが完全に興味が無いというよりは、どこか拒絶するかのように。
「ガウェ…不謹慎だよ」
 さすがにフレイムローズもとがめるが、ガウェは相手にせず無視を決め込んだ。
 不幸中の幸いは、ちょうど最初の食べ物が来たことだろう。
 店員が二人やってきて、一人がガウェ達の前に取り皿やフォークを置いていき、もう一人の持つ盆には料理が置かれている。
「た、食べよう!料理が来た事だし」
 わざとらしく明るく言うフレイムローズに、アミが申し訳なさそうに笑うところだった。
「ごめんなさい、変な話しちゃって」
 まだ視線を感じてガウェが後ろを見れば、傭兵上がりのような体格の良い男と一瞬だが視線が交わった。しかしすぐにそらされる。
「ここの料理は最高に美味しいの!きっと王家の人達でも虜になるわよ!」
 無理矢理明るく振る舞うアミに、しかしフレイムローズはハハハと乾いた笑いを浮かべるだけだった。
 王族付きである二人は王子や姫が毎日どのような食事を食べているか知っている。
 知った上で、さすがに小汚ない大衆店の食事が王族の口に合うとは思えなかった。
 そして運ばれた食事は思った通りあまり口に合うものではなかった。といってもガウェは匂いからして無理で一切口にはせず、フレイムローズが好奇心から少しつまんだ程度だが、肉は固く、スープには雑味があり、控え目にみても王族の口に合う代物ではない。
 しかも他テーブルでは謎の巨大芋虫の生きた丸焼きやら生ミミズの油かけやら赤ちゃん百足の卵とじやらえげつないものも運ばれており、姉妹達がそれらを頼まなくて本当によかったと心から思っていたところだ。
「ラード幼虫の丸焼き、美味しいけど高いんだよね…いいなぁ…」
 このマイルの呟きは完全に聞こえなかったものとしてガウェとフレイムローズはひたすら俯くしかなかった。
 実は食事を済ませていたという設定で食べるのは姉妹に任せ、他愛無い話を続ける。
 警戒心こそ強いが人懐っこい性格でもあるフレイムローズはすぐに姉妹と打ち解け、自分達は他都から来たのだと簡単に告げた。
「--じゃあ観光で来たのね!王都はいかが?」
「賑やかで面白いね。いろんな物があって目移りしちゃうよ」
 これは事実だ。
 基本的に王城の中で生活している騎士は、任務以外の大半を訓練に費やしてあまり城下に降りることはない。
 必要なものは全て王城で最高級の物が手に入るし、食事も侍女達が高位の騎士や魔術師の目に留まろうと腕を磨いているので、料理の腕は高い。
 たまに城下に降りるとすれば、家族知人に会うために個人邸に向かう時か、発散の為に遊郭に向かう時か。
「じつはさっき画廊で見てたんだけど、七姫様達の絵をたくさん買ってたわよね。やっぱり七姫様が気になる?」
「え…そりゃあ…この国の宝だし」
 まさかここで知っているとも言えずに、フレイムローズが言葉を濁しながら少し口元をひきつらせた。
 絵を沢山買いはしたが、その大半は女の子には見せられないような春画ばかりだ。もしここで見せてという話になってしまったら、いったいどうかわせばいいのか。
 しかし心配は杞憂に終わった。
「私、一回でいいから七姫様に会ってみたいなぁ。きっと毎日遊んで贅沢な暮らしをしてるのよ!羨ましいな。かわってほしい!!」
「あはは…」
 それは王家の姫に憧れる年頃の娘達の単純な羨望なのだろうが、実際の姫達の一日は成人前なら目まぐるしいほどに勉強漬けで、成人を迎えている姫達も政務やら集中訓練やらで、休める時は一日にごくわずかだけだ。
 それを知っているからこそ、遠い目で笑うしかなかった。
「もしなれるなら、やっぱり第二姫のエルザ様よね。この国で一番の美女だっていうし」
「マイルは第一姫のミモザ様に憧れちゃう!エル・フェアリアと並ぶ大国ラムタルの王様の弟と結婚するなんて、世界で一番幸せになれるわ!毎日贅沢に暮らせるもの!」
 キャアキャアとはしゃぐ姉妹はどこまでも無邪気で、王家に対する憧れをこれでもかというほど体現してくれている。
 成人前の姫でも数ヵ国の言葉と文字と文化を完璧に覚え込まされるということがどれほど過酷なことかわかっていないのだ。
 知らないのだから仕方ないのだろうが、毎日遊んでいると見もせずに言われると、さすがに気分は悪い。
「あ、でも緑のお姫様だけにはなりたくないかな」
「マイルも!!」
 そして話の最後に出てきたその言葉が、取り繕っていたフレイムローズの笑顔を完全に消した。
 ガウェは初めから笑っていない。
「…ラムタル王に求婚されるくらい綺麗なお姫様って有名だけど」
 七姫の否定を聞き流せるほどに、フレイムローズは大人ではない。
 リーン姫の話に過剰に反応するのは普段ならガウェの方だが、ガウェとは別の意味でフレイムローズにも爆弾なのだ。
 王家とそれに近い騎士以外にはあまり知られていない情報をフレイムローズは口にするが、姉妹は二人の苛立ちに気付いてはいない。
「そんな話聞いたことないわ。マイルたちのおじいちゃん、一度だけ七姫様を見たことがあるの!すごいでしょ?でも緑の姫は駄目だって言ってたもの」
「エル・フェアリアで見たこともないような醜い髪をしていたんですって。悲惨よね」
 フレイムローズの言葉を否定するマイルと、鼻で笑うアミ。
「…じゃあ、そろそろファントムの話を」
「見た目も性格も醜いって言ってたわ。死んじゃえてよかったわね。国の為にも」
 無理から話題を変えようとしても、火のついた会話はすぐには消えない。しかも、ガウェとフレイムローズの怒りの振り幅を一気に振り切らせるに充分な言葉を贈ってくれた。
「--」
「…帰るぞ」
 それでもガウェがまだ冷静でいられたのは、単純に一緒にいたのが“フレイムローズ”という爆弾だからにすぎない。
 もしこの場に一緒にいたのが他の誰かなら、この目の前にいる姉妹達を容赦なく叩き潰すのはガウェだっただろう。--彼のように。
「あ、待ってガウェ!!…二人とも、お会計は多めにしておくから、まだ食べてて」
 席を立ち店の扉に向かうガウェに、フレイムローズもわずかに正気を取り戻す。
 このまま立ち去ることが出来れば、彼女達は悲劇のヒロインのままいられただろうに。
「待って!!」
 アミが何か口にするよりも先に、マイルは掴みかかるようにガウェの腕に触れた。
 ガウェは簡単にマイルの腕を振りほどくが、その程度で怯むほどか弱い娘ではないらしい。
「マイル!」
「…もうこんな回りくどいことしてらんない!!…あなた、顔に傷があるよね…」
 姉の制止も聞かずに、マイルがガウェの顔の右側を睨み付けた。
 正確には、髪で隠された傷を。
 ガウェは何も話さず、フレイムローズは突然の出来事に困惑したままだ。
「さっきちらっと見えたの…見せて!!」
 言い終えると同時に掴みかかられるが、ガウェに敵うはずなどない。しかし前髪をはだけさせるには充分だった。
 乱暴な動きが前髪を止めていた髪留めをあらぬ方向に歪ませて、ガウェの顔を醜く傷付けた剣の痕が露になる。
 とたんに、店内はガタガタと騒がしく揺れた。
「な、何?」
 その流れに付いていけずに困惑し続けるフレイムローズが、ガウェの背中に立つ。傷が見えた時点でマイルはガウェから離れた場所に体を離していた。
 ガウェとフレイムローズを囲いながら、先ほどまで客であったはずの男達は腕をならしている。
 そして、アミが宿だと教えてくれた二階の扉から男が一人、車椅子を押しながら出てくる所だった。
 車椅子には干からびたような老人が座っており、その老人がガウェを見るやすぐに、出ない声で何かを騒ぎ始める。
 静まり返った店内で老人の騒ぐ音はひどく響くが、喉を潰されたかのように口から漏れるのは空気の音だけだった。
「おじいちゃん、何て?」
 アミが訊ねれば、車椅子を押した男が老人の言葉にならない声に耳を傾けて。
「…そいつだ。間違いない」
 強くガウェを睨み付けた。
 とたんに店内の男達の瞳に殺意が宿り、それを肌で感じたフレイムローズが無意識に腰を低くして戦闘体勢を取る。ガウェはつまらなさそうに立っているだけだ。
「やっぱり…あんたが犯人だったんだ」
「どうしておじいちゃんを!!」
 そしてようやく、ガウェがため息をつく。
「そういうことか…」
「何なの?ガウェ?」
 訳のわからない状態でいるのが自分だけだと理解して、フレイムローズはガウェに状況の説明を求めるが、話してくれたのはアミだった。
「そっちのお兄さんは知らないようね…さっき話した吟遊詩人は私たちのおじいちゃんよ!!顔に傷がある男に数日前に殺されかけたの…ずっと探してたのよ!どうしてこんな酷いことを!!おじいちゃんが何したって言うのよ!!」
 通り魔に襲われた老人と、その犯人。
 誰がどう見ても、悪人はガウェの方だ。
「…理由ならお前達も兵士から聞いたのだろう?王家を侮辱した罪だ」
「おじいちゃんはそんなことしてない!!」
「へんな言いがかりつけないでよ!!あんたに何の権限があるのよ!!」
 周りを男達に囲まれているというのにガウェは余裕の表情で、反省の色など微塵も見せない。
「…ガウェ、本当に君が?間違いじゃないの?」
 フレイムローズにはガウェが通り魔などという行為を犯すこと事態に疑問を持っているが、とたんに車椅子の老人が騒ぎ立ててフレイムローズの言葉を遮った。
「ガウェ…」
 もし本当にガウェが犯罪を犯したなら、フレイムローズは咎めなければならないのだろうが。
「--虹と鉄の大国エル・フェアリア」
 静まり返る店内で、ガウェは静かに口を開いた。
「数千年の昔に虹の女神エル・フェアリアに託された広大な土地には現在 多くの民と豊な恵みが息づき、世界中のどこよりも幸福に満ちていると謳われる」
 それは詩の朗読であったが、フレイムローズ以外の者達には聞き覚えのある内容で。
「長く続く王家には虹色の美しい子供達がおり、特に七人いた姫達にはエル・フェアリアの民は愛情と誇りをもって『虹の七姉妹』『七姫』と呼び讃えていた。
悔やまれるのは、五年前に緑を宿した第四姫が不慮の事故でこの世を去り、二度と七姫全員が揃うことが無くなった悲しい事実だ。
しかし失われた緑の姫には他の姫達のような華やかさはなく、その性格も見た目同様美しくはなかった。
むしろエル・フェアリア唯一の王子であるコウェルズ殿下が緑の姫の代わりに式辞の際に緑を纏う事により美しい虹の調和が保たれたので、緑の姫が亡くなられた事は悲しくはあるものの、大国エル・フェアリアにとっては良かった事だろう」
 誰が聞いても気付く。緑姫を侮辱する詩。それを口にしたガウェの瞳は恐ろしいほどに冷めきっていた。
 静まり帰る店内で、真っ先に口を開いたのはフレイムローズだった。
「…そんな詩を歌ったの?」
「それが何よ!!何かあるっていうの!?」
 その詩は姉妹達にとっては子守唄のように耳に馴染んだものであり、その為にどれほどの王族付き達の怒りを買うかもわからない。王族付きの忠誠心を知らない平民にはわかりようのない事実だが。
 噛み付くマイルに、フレイムローズは笑顔を見せた。
「…じゃあ悪いのはそっちのおじいさんなんだね。よかったー!ガウェが一方的に悪いのかと疑っちゃったよ!!」
「な!?」
 ただしその笑顔には不愉快の色が隠されることなくにじみ出ているが。
「ごめんねガウェ。そんな詩を歌われたら俺でも怒るよ。でも後に残るような暴力は駄目だよ」
 たしなめるような口調だが、すでにフレイムローズの爆弾は点火されてしまっている。
「…あんた達何言ってるわけ?頭おかしいんじゃない?」
「え?おかしいのはそっちでしょ。王家を侮辱しておいて。生きてるだけもありがたいと思わないと」
「はあ!?いつ侮辱したっていうのよ!!」
 どこまでもお互いの意見は平行線を辿るばかりで交わらない。
「…わからないの?」
 交わるはずも無いのだ。
 ガウェ達と彼女達とでは、生きてきた世界が違うのだから。
「やめろ。もう行くぞ」
 せめてものガウェの情けも、周りを取り囲む者達からすればただ逃げようとしているだけにすぎない。
「待って!!おじいちゃんをこんなにされて簡単に帰すわけないでしょ!!」
「最初っからみんなに復讐の手伝いをお願いしてたのよ。おじいちゃんと同じ目に…いいえ、もっとひどい目に合ってもらうから!!」
 ガウェへの怨みを晴らす為に動く男達に、団長から命じられた任務の本当の内容にようやく気づいた。
 行けばわかると言われた。それは王都に流れるファントムの噂などではなく、起こした事件の尻拭いは自分でしろという言葉だったのだ。
 フレイムローズを付けたのは、徹底的に行えという暗黙の命令だ。彼女達はそれほどまでに騎士達の怒りを買っていたのだ。
「……目を開けろ、フレイムローズ」
 ガウェはただその言葉を発するだけでよかった。それだけで、爆弾は凄まじい威力で爆発するのだから。

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