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『平太。』

「あ、名前先輩。」

『日陰ぼっこ?』

「そうです………先輩もどうですか?」

『あら、お言葉に甘えようかしら。』



僕が日陰ぼっこをしていたら名前先輩がひょこっと顔を覗かせて声を掛けてきた。
こうして僕が大好きな日陰ぼっこをしていても揶揄う事なく一緒に遊んでくれる。



『こうやって日陰で過ごすのも悪くないわね。』




あの怖いくのたまだけど名前先輩は優しい。名前先輩は僕達用具委員のお手伝いもしてくれている。
僕は大好きな日陰ぼっこを一緒に楽しんでくれる名前先輩の事が大好きだ。
でも僕の委員長である食満先輩とは何やら深い関係みたいで、僕達と食満先輩に向ける目の優しさが違う。

でも皆んなが仲良く過ごせてるならこれ以上僕が望む事はない。
















『平太、そろそろ夕方よ。』

「あっ……いつの間に。」

『そろそろ部屋に帰らないと先生に心配されるわ。』



先輩が草陰から立ち上がり僕も続こうとすると立てない。



「あっ……動けない……」



平太が焦っているのか顔をしかめ立とうとするが動けない。


「あっ…………ごめんなさいっ!」


焦れば焦るほど不安と恐怖で涙が出てくる。先輩に怒られる。そんな事を思っていると名前先輩の手が伸びて来る。


「ひっ!」


恐怖で目を瞑ると名前先輩の指が僕の涙をすくい、頭を撫でる。そっと目を開けるとその表情は微笑んでいる。



『大丈夫。ほら深呼吸して、平太。』



その口からは優しい口調。言われた通り息を吸うと徐々に身体に力が入り動けるようになる。

すると名前先輩が僕を軽々と抱っこする。いきなりの視線の高さにびっくりする。



「わっ…… 名前先輩……」

『ねっ、動けたわね。』


満面な笑みで僕を見る先輩。その時僕の胸の奥が温かくなる。
あ、だからか。食満先輩と名前先輩は深い仲なのか。
食満先輩が名前先輩を見るお顔は一番優しい表情だ。


名前先輩、ひっく……ごめん……なさい……んくっ……」

『ふふっ、泣き虫さんね。』


平太の背中をあやすようにぽんぽんと叩く。




泣く平太を抱っこしたまま一年生の忍たま長屋まで送る。長屋に着く頃には平太の涙も止まっていた。




『平太、またね。』

「あっ……… 名前先輩。」


平太を下ろして帰ろうとすると平太から引き止められる。
後ろを振り返るとモジモジしながら何か言いたげな表情をしている。


「……………また委員会……お待ちしてます。」


その言葉に名前先輩は一瞬驚いた表情をされたけどすぐ微笑み、姿を消した。



















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名前先輩…………)

(なーに、平太?)

(何で僕は先輩の足の間に座っているのでしょう…)

(ふふっ、内緒。)

(えっ………)

(平太が可愛いくて側に居たいだなんて言えない)




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