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くのたま長屋から賑やかな声が聞こえてくる。
ここは自室から離れた後輩達の部屋前である。


『楽しそうね。何してるの?』


部屋の前を通りかかった為、襖を開け中にいる後輩達に声をかける。


「あ、名前先輩!おシゲちゃんがしんべえから南蛮の服を貰ったんです!」


南蛮と聞き興味が湧く。
そこには色とりどりな南蛮の服がある。手に取り見てみると妙に布の面積が少ない。



「どうやら南蛮では水着という名で水場で着る布らしいです。」

『水着?』



へえっと興味深く手に取り見てみるが、南蛮では皆がこのような布をきているのか。布の表面は凹凸が無く、滑りがある。これが水にどう働き掛けるか気になる。
盛り上がっている中、ソウコが提案する。


「ならこれを着て皆んなで海にでも行きましょうよ!」


その案に否定する者は居ない。その後くのたま後輩達と共に海に出掛ける。









海に着くと陸に残っていた鬼蜘蛛丸さんに話し、快く許可をもらう事が出来た。その後も桶にひたすら吐いている鬼蜘蛛丸さん。

早速、水着とやらに着替える。

私が選んだ水着は黒で上と下に分かれている物だっ
た。というより余った水着の中で色が普通で他のは柄が多く好みでは無かった。



『ってこれは着方合ってる?』


そう、見本がないから正しい着用が分からない。
自問自答しながら着てみるが一応余る生地もない為、大丈夫だと思っている。
水着を着用し海に戻ると後輩達は華やかな柄に身を包まれキャッキャッと戯れている。



『皆んなの可愛いわね!似合ってるわ!』

名前先輩!その格好可愛いです!」

「似合ってます!」


後輩達の反応は大丈夫そうだ。
その後は海で水練や、水を掛け合いとても楽しい時間を過ごしていた。











遊びつかれ水の浮力に身体を任せ、ふと沖に目をやると何やら船が見える。
目を凝らして見ると兵庫第三協栄丸さんの乗っている船だ。近くには忍たまの同級生達も居る。今日は海上実習の予定でもあったのだろう。


海から出て船の付き場に向かうと、兵庫第三協栄丸さんと忍たまの六年生達も出てきた。



『兵庫第三協栄丸さん!』

「おお!名前じゃないか!……ってかなんて格好しているんだ?」

『あぁ、これは南蛮服です。水場で着る布で後輩がしんべえから頂いたので。』



自身の着ている布を差しながら説明していると辺りが静かになる。




名前!お前……なんて格好しているんだ!」


文次郎がわなわなと震えたと思うと顔を赤くしながら馬鹿大きい声でいきなり怒鳴られる。余りの大声に耳を塞ぐ。



『文次郎、うるさいわ!』

名前、自分の格好をよく見ろ。」



仙蔵にも言われ、自身の身体に視線を下すが特に何ともなっていない。


『何にもないじゃない。』

「肌が出過ぎだよ!」


あの伊作も大声を出す。六年生達の表情は顔を赤面している。そんなに赤くする程なのだろうか。
すると兵庫第三協栄丸さんも口を開く。



名前、今日はもう帰りなさい。」

『えっ、……』

「これ以上この海に居たら、君達の身に危険が起こる。」



危険。兵庫第三協栄丸さんの真剣な表情に生唾を飲み込む。兵庫水軍の頭に其処まで言われたら帰るしかない。



『分かりました。あの子達を連れて帰ります。』


あの第三協栄丸さんに其処まで言わせる程とは思わなかった。でも危険を顧みることはできない。
そう言い残し早々に後輩達を引き連れて学園に帰る。







「今日は楽しかったですね!」


帰る最中トモミちゃんが笑顔で声を掛ける。


『そうね、また皆んなで川辺にも今度行きましょうか!』

「次はお弁当も持って行きたいでしゅ!」

『それもありね。ぜひそうしまょう!』















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(ねぇ、名前の姿……)

(ほぼ裸だ。しかしあれは、うむ……)

(あれはあれでいいな!私は大好きだ!)

(モソッ………目に眩しい……)

(忍者は三禁だ!あんな姿で狼狽えるな!)

(もっと危機感抱いてくれ)

(お前達、あの子を相手にするのは大変だな)



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