長編
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合同
合戦場に到着し、それぞれ二手に分かれる。
い組とは組の仙蔵と文次郎、伊作と留三郎。
ろ組の長次と小平太に私。
合戦場では負傷者の血と足軽達の汗の臭いが入り混ざり、鬼気迫る臭気を醸し出している。
今更だが合戦場の雰囲気は初めてではない。
「どう分かれる?」
「…………私は彼方の情報を得る。」
『なら私は向こう側に行く。』
「よし!そしたら解散!」
一斉に分かれ、所定の場所で始める。
近くの木に登り、合戦場を木の上から見下ろす。
彼方此方に矢尻が飛び交い、人の命が簡単に失われていく。次々に人が斬られ斬りつけられ、ばたばたと人が倒れていく。とてもじゃないが後輩達にはまだ本物の合戦場を見せられない。
『……命って呆気ないものね。』
合戦は資材の消費が無駄に過ぎない。
陣営近くまで忍び寄り気配を消す。
武士に足軽の兵力、配置を確認し情報を纏める。
この合戦だと勝敗は早くつきそう。しかしあくまでも今日は情報収集だ。
情報を纏めたら木々を飛び交い、集合場所まで向かう。
向かっている途中、足軽の悲鳴が聞こえた。
悲鳴の場所まで向かうと、其処には槍を持った足軽と対峙している小平太がいる。
大方、合戦場で興奮した小平太が飛び出て、足軽に見つかり喧嘩を振り掛けられたのだろう。
念の為、苦無を持って足軽の背後に忍び寄る。
完全に戦闘体勢に入った小平太の目がギラギラしている。その形相に怯え切った足軽が腰を抜かしながら逃げようとしている。
忍びがいると伝わったら大変な事になる。口布を当て行動に移す。
足軽の目の前に姿を現すとギャッと声を上げ、槍を突き刺してこようとした為、背後に周り首の両側から手刀をする。足軽はドサっと音を立てながら気絶し横たわった。
「名前!今から面白い所になりそうだったのに!」
『小平太、先生にバレたら私達実習の単位落とすのよ。』
「なはは!すまん!」
『ったく、長次は?』
「まだだ!」
口を尖らせながら言うが小平太に笑い飛ばされ、ハァと溜め息を溢す。そうだった。小平太は戦いになると楽しそうに参加するタイプの人間だった。普段は長次が側に居たから忘れていたけど早く長次に帰って来て欲しいと切実に思う。
茂みから気配を感じる。足軽と思い、身を消すが杞憂だった。
「………今戻った。」
『長次、良かった。』
「………何をしている。」
事の詳細を話す。肝心の小平太本人は相変わらず笑っているだけだった。
「………小平太。」
「なんだ長次!」
「………戦うの駄目……絶対」
「おぅ!分かった!」
小平太の無邪気な笑顔にははっと苦笑いが出る。
まぁ全員情報を収集し、分析する事が出来た為先生達の所に戻る。
『ろ組とくのたま戻りました。』
「うむ、報告を!」
「『はい』」
報告を終え、本日の野外実習は無事終了となった。
『そう言えばあの四人は?』
「…………喧嘩の声が聞こえたからまだだろう……モソ……」
『……忍ばないといけないの分かってるのかしら。』
数刻後、ぼろぼろになった文次郎、留三郎、伊作に額に筋が立っている仙蔵が戻ってきた。
あの仙蔵をあそこまでブチ切れさせるのは中々出来ないだろう。触らぬ神に祟りなしだ。
合戦場に到着し、それぞれ二手に分かれる。
い組とは組の仙蔵と文次郎、伊作と留三郎。
ろ組の長次と小平太に私。
合戦場では負傷者の血と足軽達の汗の臭いが入り混ざり、鬼気迫る臭気を醸し出している。
今更だが合戦場の雰囲気は初めてではない。
「どう分かれる?」
「…………私は彼方の情報を得る。」
『なら私は向こう側に行く。』
「よし!そしたら解散!」
一斉に分かれ、所定の場所で始める。
近くの木に登り、合戦場を木の上から見下ろす。
彼方此方に矢尻が飛び交い、人の命が簡単に失われていく。次々に人が斬られ斬りつけられ、ばたばたと人が倒れていく。とてもじゃないが後輩達にはまだ本物の合戦場を見せられない。
『……命って呆気ないものね。』
合戦は資材の消費が無駄に過ぎない。
陣営近くまで忍び寄り気配を消す。
武士に足軽の兵力、配置を確認し情報を纏める。
この合戦だと勝敗は早くつきそう。しかしあくまでも今日は情報収集だ。
情報を纏めたら木々を飛び交い、集合場所まで向かう。
向かっている途中、足軽の悲鳴が聞こえた。
悲鳴の場所まで向かうと、其処には槍を持った足軽と対峙している小平太がいる。
大方、合戦場で興奮した小平太が飛び出て、足軽に見つかり喧嘩を振り掛けられたのだろう。
念の為、苦無を持って足軽の背後に忍び寄る。
完全に戦闘体勢に入った小平太の目がギラギラしている。その形相に怯え切った足軽が腰を抜かしながら逃げようとしている。
忍びがいると伝わったら大変な事になる。口布を当て行動に移す。
足軽の目の前に姿を現すとギャッと声を上げ、槍を突き刺してこようとした為、背後に周り首の両側から手刀をする。足軽はドサっと音を立てながら気絶し横たわった。
「名前!今から面白い所になりそうだったのに!」
『小平太、先生にバレたら私達実習の単位落とすのよ。』
「なはは!すまん!」
『ったく、長次は?』
「まだだ!」
口を尖らせながら言うが小平太に笑い飛ばされ、ハァと溜め息を溢す。そうだった。小平太は戦いになると楽しそうに参加するタイプの人間だった。普段は長次が側に居たから忘れていたけど早く長次に帰って来て欲しいと切実に思う。
茂みから気配を感じる。足軽と思い、身を消すが杞憂だった。
「………今戻った。」
『長次、良かった。』
「………何をしている。」
事の詳細を話す。肝心の小平太本人は相変わらず笑っているだけだった。
「………小平太。」
「なんだ長次!」
「………戦うの駄目……絶対」
「おぅ!分かった!」
小平太の無邪気な笑顔にははっと苦笑いが出る。
まぁ全員情報を収集し、分析する事が出来た為先生達の所に戻る。
『ろ組とくのたま戻りました。』
「うむ、報告を!」
「『はい』」
報告を終え、本日の野外実習は無事終了となった。
『そう言えばあの四人は?』
「…………喧嘩の声が聞こえたからまだだろう……モソ……」
『……忍ばないといけないの分かってるのかしら。』
数刻後、ぼろぼろになった文次郎、留三郎、伊作に額に筋が立っている仙蔵が戻ってきた。
あの仙蔵をあそこまでブチ切れさせるのは中々出来ないだろう。触らぬ神に祟りなしだ。