目覚め











パチリと目が覚めた。懐かしい昔の記憶。
まだぼーっとする頭で、身体の伸びをする。
最近は実習や授業で忙しかったから思い出さなかったがまだ夢にまで出てくると言う事は影響してるのか。



『…………だいぶ昔の事なのに。』



起きたついでに顔を洗って、鍛錬でもして身体を動かそうか。



顔を洗い、くのたまの忍装束に着替え部屋を後にする。その前に朝ご飯を食べないと。















食堂は生徒達で賑わっている。
お膳を持って席を探すが空きがない。辺りを見渡させばユキちゃん達と目が合い、手招きされている。



「おはようございます！名前先輩！」

『おはよう、トモミちゃん。ここいい？』

「勿論です！」

『隣ごめんね。』

「おはようございます！先輩。」

「ユキちゃん、おシゲちゃん。おはよう。」



朝の挨拶を交わし、おばちゃん特性の朝食を口に運ぶ。空腹のお腹にじんわりと広がる。
ご飯を食べながらユキちゃんが口を開く。



『先輩は今から実習ですか？』

「そうね、今日は忍たまと合同実習が控えてるからこの後は野外に行かないといけないね。」

「先輩は上級生なので、全然顔が見れなくて寂しいです。」

「ほんとそうでしゅ…」



ユキちゃんおシゲちゃんがこぼす。くのたまの下級生は礼儀作法で入学する者が殆どであり、上級生になる者は少ない。
また六年生にもなると座学よりも実習が多い為、後輩達とも必然的に顔を合わす機会が無くなる。




『学園の行事とかには絶対参加だから、その時でも会えるわよ。』

「でも…」

『この後授業があるのでしょう？実習が終わったらまた顔を見せに行くわ。その時色々話しましょう？』

「ほんとでしゅか！なら授業頑張ります！」



その一言で笑顔になる後輩達。可愛い後輩。こんな後輩達に慕われて自分は幸せだ。




朝食をかき込むと後輩達と別れ、実習に向かう。