長編
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終焉
「名前………」
燃え盛る城から一足早く脱出してきたがまだ戻ってこない名前。
敵を倒した後、目的の奴に辿り着けたのか。
『全てが終わったら城から離れた森で落ち合いましょう。』
そういい奴の所に向かった名前。
頼む。早く帰ってきてくれ。こんな事になるなら想いをぶつけてしまった方が良かったかもしれん。だがそんな事をしてしまえば名前の復讐に水を差してしまったかもしれない。
俺の心は既に名前の存在で満たされている。
普段の笑っている顔も、切なさに満ちた顔もどれもどれもが愛しい。
あいつがいないと切なさに胸が突き上げられる。
早く会ってお前を狂おしい程に抱き締めたい。
奴を討った後城内から火の手が上がり煙が巻く中、弾んだ石のように城内を駆け巡る。
残党は既にいない。後は留三郎と外で合流するだけだ。早く急げ。焼け落ちる建物の残骸を避け足を早める。彼は危険を顧みず共に戦ってくれた。
留三郎は無事に脱出できたのだろうか。
私の中で彼は最早、友人以上の存在だ。
急いで彼の所に帰りたい。
『留三郎』
矢羽根で俺を呼ぶ音が聞こえる。
潜めていた闇から姿を現すと、忍装束の所々が焼け焦げ怪我をしている名前がいた。
「名前!」
俺の姿を見ると安堵の息を吐き、膝から崩れ落ち倒れ込む。その寸前で急いで駆け寄り抱き留める。
『ははっ……気が抜けた…』
「名前、無事で良かった……」
『留三郎、やり遂げたわ……』
腕の中に収まる名前。彼女の満足そうな笑みにこちらも微笑む。
「馬鹿……無茶しやがって。」
『約束したわ。生きて戻るって。』
「あぁ。」
彼の腕に抱き締められ、私の頬が留三郎の胸に当たり彼の体温と鼓動が伝わってくる。
「このまま口吸いしていいか?」
『今更?』
「お前をもう二度と離したくない。」
あの晩突き離された。だがあの晩のような事は二度と起こさせない。
「名前、お前の事が好きだ。」
『私もよ。留三郎。』
その言葉を合図にどちらともなく口吸いする。
二人の頭が重なり合い、互いを離さないとばかり濃厚な口吸いを続ける二人を月夜が照らしていた。
「名前………」
燃え盛る城から一足早く脱出してきたがまだ戻ってこない名前。
敵を倒した後、目的の奴に辿り着けたのか。
『全てが終わったら城から離れた森で落ち合いましょう。』
そういい奴の所に向かった名前。
頼む。早く帰ってきてくれ。こんな事になるなら想いをぶつけてしまった方が良かったかもしれん。だがそんな事をしてしまえば名前の復讐に水を差してしまったかもしれない。
俺の心は既に名前の存在で満たされている。
普段の笑っている顔も、切なさに満ちた顔もどれもどれもが愛しい。
あいつがいないと切なさに胸が突き上げられる。
早く会ってお前を狂おしい程に抱き締めたい。
奴を討った後城内から火の手が上がり煙が巻く中、弾んだ石のように城内を駆け巡る。
残党は既にいない。後は留三郎と外で合流するだけだ。早く急げ。焼け落ちる建物の残骸を避け足を早める。彼は危険を顧みず共に戦ってくれた。
留三郎は無事に脱出できたのだろうか。
私の中で彼は最早、友人以上の存在だ。
急いで彼の所に帰りたい。
『留三郎』
矢羽根で俺を呼ぶ音が聞こえる。
潜めていた闇から姿を現すと、忍装束の所々が焼け焦げ怪我をしている名前がいた。
「名前!」
俺の姿を見ると安堵の息を吐き、膝から崩れ落ち倒れ込む。その寸前で急いで駆け寄り抱き留める。
『ははっ……気が抜けた…』
「名前、無事で良かった……」
『留三郎、やり遂げたわ……』
腕の中に収まる名前。彼女の満足そうな笑みにこちらも微笑む。
「馬鹿……無茶しやがって。」
『約束したわ。生きて戻るって。』
「あぁ。」
彼の腕に抱き締められ、私の頬が留三郎の胸に当たり彼の体温と鼓動が伝わってくる。
「このまま口吸いしていいか?」
『今更?』
「お前をもう二度と離したくない。」
あの晩突き離された。だがあの晩のような事は二度と起こさせない。
「名前、お前の事が好きだ。」
『私もよ。留三郎。』
その言葉を合図にどちらともなく口吸いする。
二人の頭が重なり合い、互いを離さないとばかり濃厚な口吸いを続ける二人を月夜が照らしていた。
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