読書記録
わかったつもり 読解力がつかない本当の原因/西林克彦
2025/01/21 17:10新書

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因/西林克彦/光文社新書
タイトルに惹かれて手に取りました。日頃色々な本を読む中で実はちゃんと読めてないんじゃないかと不安に思っていたので本書は大いに勉強になりました。
「わかったつもり」が厄介なのはきちんとテクストを理解しないまま、誤読したまま気が付かないという点。「分からない」のであれば、そこから調べて「分かる」ようになるけれど、「わかったつもり」はそこで止まってしまう。
「わかったつもり」になってしまうのは、自身が持っている知識、書かれている文脈が持っている「雰囲気」や読み始めてすぐに〇〇だからこうだという思い込み、逆に結論だけを見て〇〇だったからこうだという思い込みもあれば、世間一般的に望ましいとされている解釈の当て嵌めなど、多岐に渡る。
例文を用いてどのくらい正確に文章が読めているのかテスト問題が幾つか用意されているが、実際にやってみて結果はあまり芳しくなく、いかに普段いい加減に文章を読んでいたのかを思い知らされた(例文は小学生の国語の教科書に掲載されているものだった)。
また文章や作品を読解する上で、作中には明確に答えが書かれていない場合の解釈の正しさはどれだけ作品と整合性が取れてるどうかだと著者は書く。
「わかったつもり」や誤読を避けるためには先入観を捨て、読み飛ばすことなく、注意深く文章を読む必要がある。これだけ書くと当たり前のことで容易く見えるが、実際にやってみると意外と難しいので気になる方はぜひ本書を一読されたし。