読書記録
琥珀の町 幻想小説集/私市保彦
2025/08/31 18:42日本文学

琥珀の町 幻想小説集/私市保彦/国書刊行会
表題作の他、「蒐集家」「芝居小屋」「砂時計」「失踪事件」「今浦島鼈甲師物語」「移動遊園地」「手無し娘曼荼羅」「崖の下」9編収録。
どの話も日常から夢の世界へとスライドしていくような展開で、大人の御伽噺の趣きがある。どこか不気味な雰囲気やほんのり暗い影があるのも良い。
砂時計で時間を測っている間、幸せな夢が見られることに病みつきになった男の末路を描く「砂時計」、江戸時代を舞台に書かれたある鼈甲師の「今浦島鼈甲師物語」、ハーメルンの笛吹き男ばりに妖しい男が主人公たちを惑わせる「移動遊園地」がお気に入り。
描かれる風景や舞台が、どれもどこか懐かしさがあるのもとても良かった。