読書記録

ゴライの悪魔/アイザック・バシェヴィス・シンガー

2025/08/01 17:03
海外文学
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ゴライの悪魔/アイザック・バシェヴィス・シンガー/未知谷

実在の町であるゴライが舞台の物語。17世紀のユダヤ共同体の崩壊を描く。
物語はラビ・ベニシュがフメリニツキーの大虐殺によって荒廃したゴライを、昔から受け継がれてきたユダヤ教によって立て直そうとするところから始まる。しかし町にはユダヤ人の救済が近いという噂が各地の共同体から続々と届き、やがて聖地エルサレムからサバタイ・ツェヴィについての知らせを齎す使者が到着する。実はこのサバタイ・ツェヴィはユダヤの歴史上最大の偽メシアであるらしい。ゴライの人々は一挙にこのメシアに心酔し、極端な禁欲主義者イチェ・マテスを聖者と考え、快楽主義者ゲダリヤに町の行く末を委ねていく。
全体的にユダヤ教特有の用語が随所に散りばめられ、かつてのユダヤ共同体の暮らしぶりを覗き見るようで興味深い。
第2部後半の町が荒廃し、人々が堕落し、女預言者と持て囃されたレヘレに悪魔が憑き、足の悪い敬虔なレブ・モルデカイ・ヨセフと対決する場面は圧巻。
「何人も主に強いようとするなかれ。この世における我らの苦しみを終えんがために。」の一文からなる言葉で締めくくられるラストは神と人の関係の在り方を糺しているよう。

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