読書記録
言葉人形/ジェフリー・フォード
2025/07/31 17:13海外文学

言葉人形/ジェフリー・フォード/東京創元社
表題作他、「創造」「ファンタジー作家の助手」「〈熱帯〉の一夜」「光の巨匠」「湖底の下で」「私の分身の分身は私の分身ではありません」「理性の夢」「夢見る風」「珊瑚の心臓(コーラル・ハート)」「マンティコアの魔法」「巨人国」「レパラータ宮殿にて」13編収録。
ジェフリー・フォードは言葉だけで夢幻の迷宮を作りあげる。読み進めていけばいくほど、現実から離れ深い夢の中へ沈潜していくような読み心地で、ひとつひとつの話は短いものの、非常に密度が高く圧倒される。
SFっぽい「理性の夢」や正統派ファンタジーを思わせる「珊瑚の心臓」「マンティコアの魔法」、幻想文学的な「私の分身の分身は私の分身ではありません」「夢見る風」、ややホラーテイストを含んだ「〈熱帯〉の一夜」など作品ごとに異なった持ち味もまた凄い。
「レパラータ宮殿にて」は世間から爪弾きにされている者達が集まり作った小さな王国、宮殿が瓦解していく様を描いた作品だが、彼等が現実の世界(世間)に戻っていく終わり方は長い夢から目覚めるようなカタルシスがあり、読後も良い。
ジェフリー・フォードが熱烈に支持されている理由が良く判る素晴らしい本だった。邦訳されている作品は全て読みたい。
