読書記録

みえないもの/イリナ・グリゴレ

2025/07/22 16:15
海外文学
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みえないもの/イリナ・グリゴレ/柏書房

フィクションとノンフィクションを織り交ぜたエッセイ。以前読んだ同著者の「優しい地獄」がかなり印象に残っていたので本作も読んでみました。
著者は文化人類学者ということもあり、最近読んだ「はみだしの人類学者」を思い出しながら読了。彼女は普通の人なら見落としてしまいそうな些細な出来事に意味を見出すところが凄いし、母国語ではない日本語で感覚的なことを伝えようとするところも素晴らしい。
たびたび登場する娘さん達のエピソードが可愛らしい。動いている=生きていると思ってたんぽぽの綿毛に綿あめを食べさせようとしている話は読んでいて和んだ。
後半は男性からのDVや性加害の話で読んでいるのが苦しかった。女性であるというだけで、どうしてここまで酷いことをされないといけないのだろう。女性であることは一種の呪いですらあると思ってしまう。ヴァージニア・ウルフの本の話も出てきたが、昔は女性は自由に図書館にも出入りできなかった時代を知って本が好きな女性は物凄く大変で辛い目にあってたんじゃないかなと思ったり。「美女と野獣」に登場するベルも本好き故に変わり者だと思われていたし。また著者が大学の先生になるべく面接を受けるエピソードがあるが、そこでも「今いる子供はどうするか?」と聞かれてかなり戸惑ったとある。なぜ女性だけがそんな質問をされるのだろう?これが男性であったなら、「子供(娘・息子)はどうするのか?」なんて絶対に質問されないはずだ。
私自身、女性であることであまり良い思い出がないので、著者の気持ちが痛いくらい分かる。本当に女性であることは何かの呪いだと思う。死ぬまで解けない呪いだ。

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