読書記録
人面の大岩/ナサニエル・ホーソーン
2025/07/20 19:59海外文学

人面の大岩/ナサニエル・ホーソーン/国書刊行会
こちらもボルヘスが編纂したバベルの図書館シリーズの一冊。
「ウェイクフィールド」「人面の大岩」「地球の大燔祭」「ヒギンボタム氏の災難」「牧師の黒いベール」を収録。
ホーソーンは実はあまり読んだことがない作家で、どんな作風かなと楽しみに読んだ。表題作である「人面の大岩」は童話のような雰囲気がある話で主人公が報われるのが良かった。
「地球の大燔祭」は本、酒、煙草、武器などあらゆる人類の文化を燃やし尽くす話でディストピアの趣きがあり、こういう薄ら寒い話は大好物。
「ヒギンボタム氏の災難」はある村の老人が殺されたと聞いてその話をあちこちで言いふらしたら実は老人は生きてて……という話なのだが、これまたオチが良くて楽しく読めた。
「牧師の黒いベール」は以前読んだので再読だが、死ぬ時ですら顔に着けた黒いベールを外さなかった牧師の話。たった1枚の黒いベールがもたらす不信感、疑念、不気味さ、酷く奇妙な感じは人が持つ顔の役割を浮き彫りにするようでいて面白い。
「ウェイクフィールド」は何食わぬ顔で妻を残して家を出、近くにある別の家で20年間暮らしながら妻を監視した後、再び何事もなかったように自宅に戻る男の話。こういう人を食ったような奇妙な話はホラーとは違った怖さがあり、大変楽しめました。
ホーソーンの他の作品も読んでみたい。
