読書記録
禿鷹/フランツ・カフカ
2025/07/20 19:55海外文学

禿鷹/フランツ・カフカ/国書刊行会
バベルの図書館シリーズの本作は表題作の他「断食芸人」「最初の悩み」「雑種」「町の紋章」「プロメテウス」「よくある混乱」「ジャッカルとアラビア人」「十一人の息子」「万里の長城」を収録。
「町の紋章」「万里の長城」はこれぞカフカとも言うべき作品でボルヘスの言葉を借りれば「延期された遅延」という不条理を書いたもの。
表題作の「禿鷹」「プロメテウス」「よくある混乱」はまるでシュールなコントのような掌編でカフカ流のユーモアがあり、楽しめた。
「断食芸人」は40日間何も食べずにいる男が見世物になっている話だが、人の世の移ろいやすさ、興味関心の失速の速さは残酷で悲劇的ですらある。ある意味彼は承認欲求をこじらせすぎたのかもしれない。
「雑種」は羊と猫が合体したような動物を買っている男の話であるが、この話には何となくカフカの情愛や優しさが見え隠れしていて意外な印象を受けた。
カフカは長編「城」を読むのを挫折してからあまり読まなくなったが、次は長編作も読みたい。
