読書記録
ペルーの異端審問/フェルナンド・イワサキ
2025/06/30 14:57海外文学

ペルーの異端審問/フェルナンド・イワサキ/新評論
序文が筒井康隆とマリオ=バルガス・リョサという超豪華な本作は史実を元にした短編小説。タイトル通り、リマを舞台に繰り広げられる異端審問の記録といった形で書かれたもの。
神父という立場を利用してうら若き乙女に不埒な行為をしたり、精液を集めて菓子を作る女、神父と偽れば女からモテると豪語した重婚男、自然主義を唱えたために異端と見なされてしまった男など、どれも興味深いエピソードばかり。
史実を元にしているのでここに書かれているエピソードはどれも教会の記録にきちんと残っているものだが、悪魔の仕業でなければ狂人とみなした、自白を引き出すために拷問をした、というのはキリスト教の負の歴史でもあるだろう。
中でも自然主義を唱えた離教派の創設者、ニコラス・レグラス・バンディエルの思想はかなり理にかなっているものであり、生まれた時代が違っていたらもっと別の形でその名前が歴史に残っていたのではないかと思う。
死後、身体が生きているように暖かく、勃起したままの状態だったクリストバル・パン・イ・アグア修道士の話は人体の神秘を凄いと思うのと同時に結構馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。
