読書記録

アーサー・サヴィル卿の犯罪/オスカー・ワイルド

2025/06/11 17:57
海外文学
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アーサー・サヴィル卿の犯罪/オスカー・ワイルド/国書刊行会

ボルヘスが編纂した「バベルの図書館」シリーズ6冊目はオスカー・ワイルド。収録作品は表題作他、「カンタヴィルの幽霊」「幸せの王子」「ナイチンゲールと薔薇」「わがままな大男」の5編。
「アーサー・サヴィル卿の犯罪」は手相占い師の予言を信じ込んだサヴィル卿が彼の言葉通りに殺人を犯す話。幸福な結婚をするためにもどうしても人を殺さなければいけないと思い込むサヴィル卿が滑稽にも思える。2回も失敗している時点で諦めれば良いものの、愛する女性のために犯罪へ突き進む彼は誰にも止められない。結局3度目には成功するものの、哀れなことにサヴィル卿を占ったポジャースが殺される。しかも彼の占いはどうやらインチキだったらしいことがほのめかされているので、何ともやり切れない。
「カンタヴィルの幽霊」はイギリスの古い館をアメリカ人一家が買い取ってから始まる幽霊騒動の話。一見するところ、ゴシック小説らしい雰囲気があるが、アメリカ人一家を脅かして追い出そうとする幽霊の方が逆に人間に脅かされるコメディ仕立ての小説。全く幽霊を恐れない大人や子供達の姿を見ていると少し幽霊に同情してしまう。最後は幽霊が安らかに眠ることが出来たのは救い。
「幸せの王子」「ナイチンゲールと薔薇」「わがままな大男」は童話で別の本で既読。久し振りに再読して楽しかった。

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