読書記録
猟奇歌/夢野久作
2025/04/02 18:59日本文学

猟奇歌/夢野久作/中公文庫
1927年~1935年の間に雑誌に寄稿した単価連作「猟奇歌」。
「頭の中でピチンと何か割れた音/イヒ、、、、/……と……俺が笑ふ声」
「よく切れる剃刀を見て/鏡をみて/狂人のごとくほゝゑみてみる」
「暗の中で/俺と俺とが真黒く睨み合つた儘/動くことが出来ぬ」
このような調子の短歌がページを埋め尽くす。
鈍く煌めく闇、漆黒に迸る血と音もなく咲きこぼれる気狂いが言葉になったら「猟奇歌」となるのだろう。誰の胸底にも密やかに咲く悪意と恐怖、狂気、悪夢を夢野久作は三十一文字で見事に言い表している。