読書記録

書物とデザイン/松田行正

2025/03/23 22:19
日本文学
design
書物とデザイン/松田行正/左右社

本書は文字の登場からどのようにして本というものが造られ、発展してきたのかを歴史を追いながら解説したもの。
文字を書き記す行為は日常生活で必要な行為というよりは、宗教的な側面が強く、その教義を効率よく布教していくために造本技術と印刷技術が発展していったと言っても過言ではない。重くて大きい本、知識階級が独占していた希少な本を軽く小さく、大量生産して民衆たちのものへ。やがて本は宗教色を脱して文学や詩集、博物誌、百科事典というものにまで広がっていく。それは読みやすく、本の内容に相応しい書体の創出にも繋がり、紙面のレイアウト、見た目の美しさ、目新しさを生み、モダンなデザインアートの台頭へと続いていく。
本はそれ自体がオブジェであり、アートであり、小宇宙だ。本によって内容は様々ではあるものの、本は知の集積であり、そう簡単に無くしてはならないコンテツだと思う。ネットがあれば事足りることもあるけれど、それでも情報の精度は本には敵わない。ネットが発達した現代でこそますます本は必要となっていくものではないだろうか。
本を蔑ろにすることは知性を蔑ろにするのと同じであると、本好きな私としては思ってしまう。

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