読書記録
縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち/花房観音
2025/02/28 15:50日本文学

縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち/花房観音/大洋図書
海外でも活躍する緊縛師・奈加あきらの生い立ちから緊縛師になるまで、そして緊縛師としての活躍を描いた評伝。本人による言葉、彼を知る緊縛師やAV女優・男優の証言、実際の緊縛写真も多数収録。
緊縛の世界がどんなものであるか、その片鱗を覗くことができる本書は物凄くディープ。
縛られたいと望む女性たちはなぜそれを望むのか、実際に縛られてどう感じるのかなども赤裸々に告白している。また緊縛師によって縛り方も、それで感じる感情も全く違うらしい。
一般的な感覚として、緊縛はSMに分類されるが、しかし奈加あきらの縄や縛りはそれとは全く違うもののように思える。彼の縄はそのまま緊縛という独立したジャンルであり、本書でも言及されているがアートでもある(尤も本人は否定しているが)。
SMにも色々あるし、近年はイメージ的にはスタイリッシュな感じがあるが、奈加あきらの緊縛はもっと暗く、背徳感があり、常人は踏み込んではいけない危うさがある。その禁忌を踏み越えられる者だけが得られる快楽は究極のエクスタシーであり、地獄にいながら極楽浄土にいるような心地なのだろう。死ぬるほどの快楽。それは恋人同士が手と手を取り合って心中するような甘美さだ。
快楽の極致と底なしの愛情、それは肉体の交わりを必要とせず、縛り縛られることで得られるものなのかもしれない。