読書記録
わたしたちが火の中で失くしたもの/マリアーナ・エンリケス
2026/05/19 23:39海外文学

わたしたちが火の中で失くしたもの/マリアーナ・エンリケス
前回読んだ「寝煙草の危険」が好みだったので図書館から借りて読みました。表題作含む12編収録。
所謂、幽霊が出てくるホラーとは違い、人の暗部に焦点を合わせた話が多く、作品全般に共通するアルゼンチンの貧富の差、若年層に広がる麻薬汚染、ストリートチルドレンといった社会問題の根深さが一種のホラーとして機能しているかのように思える。
忍び込んだ空き家で失踪事件が起きる「アデーラの家」、殺人事件ゆかりの場所をバスツアーでガイドする男の話「パブリートは小さな釘を打った」、警察官が殺人事件に関わった疑惑を究明する女検事の話「黒い水の下」、女性がパートナーに燃やされる事件がきっかけで全国的に焼身が広がる話「わたしたちが火の中で失くしたもの」がお気に入り。
