読書記録

ガルシン短編集 赤い花

2026/03/10 23:34
海外文学
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ガルシン短編集 赤い花/ガルシン

表題作他、「四日間」「アッターレア・プリンケプス」「めぐりあい」「信号」「ナジェジュダ・ニコラーエヴナ」収録。
どれも面白く読んだ。「赤い花」は精神病院に入院する男の話で、赤い芥子の花がこの世の全ての罪悪だと妄想して執着し、摘み取っていく。
童話風の語り口の「アッターレア・プリンケプス」は棕櫚の木が主人公。温室で暮らす彼女は外の世界への憧れを募らせて、とうとうガラスの天井を突き破るまでに背丈を伸ばしたけれど……という話で、結末は切ない。
本作の白眉は「ナジェジュダ・ニコラーエヴナ」だろう。画家とそのモデル、モデルに恋する男セルゲーイ・ワシーリエヴィッチの三角関係。高まり絡み合う情念が決壊する時、悲劇が訪れる。ラストは後味が悪いものの、これしかない決着だったので楽しく読めた。

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