読書記録

人形のアルファベット/カミラ・グルドーヴァ

2026/01/10 15:53
海外文学
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人形のアルファベット/カミラ・グルドーヴァ

表題作含む13編からなる短編集。
女性がきつい労働に従事し、男性は学者などの知的階級に属するという構図が目立つ。だがどちらも貧困に喘いでいて暮らしぶりは楽ではない。そんな世界をベースに奇妙な味わいのある物語が展開される。
一番のお気に入りはラストを飾る「蜘蛛の手記」。生まれつき脚が八本ある男の話で、彼はある日ミシンの「フローレンス」に熱烈に恋するあまり、最後はフローレンスで自分の脚を縫ってくれとお針子に頼む。残酷かつロマンティックな作風が凄く刺さった。
文章それ自体は淡々とした筆致だが、害虫、鼠、カビ、腐ったもの、朽ちたもの、錆びたもの、泥などが頻繁に登場し、読んでいて生理的に受け付けない人もいるかもしれない。
またミシンも繰り返し登場するアイテムである。ミシンは女性そのものであり、女性の生きる手段であり、女性を抑圧するものでもある。それを良く描いているのが冒頭に掲げられた「ほどく」。
どれも楽しく読みました。

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