読書記録

午後/フェルディナント・フォン・シーラッハ

2026/01/09 21:13
海外文学
design
午後/フェルディナント・フォン・シーラッハ

全26篇からなる短編集。著者が訪れた土地で出会った人や偶然再会した友人、自分自身の記憶から立ちのぼる断片を集めて物語化した本作は書き手のドライな筆致も相俟ってそれぞれの話のラストのオチが痺れるほど効いている。
中でもパンチが効いていたのは不良少女を救った男メロの話。メロは彼女を慈しみ、真っ当に育てながら、その裏で秘密裏に彼女の裸の映像を撮ってポルノビデオとして売っていたという、なんとも後味の悪い話なのだが、作中にもあったように人間とは結局メロのようなものなのかもしれない。
それを考えると「22」でピーターがいう「凡庸」という言葉がとても大事に思えてくる。
「12」の医者からプロポーズされて「いやです」と一蹴した女性の話もラストが予想外すぎて好き。
「午後」というタイトルが付けられているように、本作は午後のゆったりとした時間が流れる時に読みたい作品。

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可