読書記録

AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて/川野芽生

2025/11/04 16:45
日本文学
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AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて/川野芽生/リトルモア

アセクシュアルだと公言する著者の経験談を交えたエッセイ。
あまりにも恋愛至上すぎる世の中に違和感を持っている私としては彼女の言っていることや怒りにとても共感した。何となく「友情」よりも「恋愛」が上だと見なされている風潮も、男女が2人で出かけたら「デート」であり、それに応じれば「脈アリ」と見なされて勝手に「恋愛対象」と見なされることも、「恋愛」しないと「不幸」「孤独」「精神的に未熟」と言われることも、本当に彼女の味わってきた苦しさに共感できて、読んでいて何だか社会に対して怒りが湧いてきた。
私は単に恋愛がしたくない・興味がないだけでアセクシュアルではないと思うけれど(でも多分ヘテロではないと思う)そんな私でも生きづらさや苦しさを感じているのだから、著者はもっと苦しかったに違いない。それこそ死にたくなるほどの絶望だ(と本人も書いている)。
どうして世の中はそんなにも「恋愛」に収斂させようもするのだろうと疑問に思っていたが、本書の中にあった「世の中の仕組みに都合の良い幸福へのルートが異性愛だから」という主旨の言葉にとても納得してしまった。そういう枠組みの中で生きているから皆「恋愛や結婚、子供を持つことは良いものだ」と考えてしまうのだろう。
「性自認や性的志向は他者から押し付けられたり、誰かにジャッジされるべきものではない、自分がそうだと思ったらそれで良い、そしてそれを公言しても良いし、しなくても良い」というメッセージはとても大事だと思う。良く「性はグラデーション」と聞くが、本書を読んでいると実感する。
もっとアセクシュアルについて知りたいので巻末にある文献なども読んでみようと思う。

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