雨宿りdiary

2015.11.22.※暗鬱注意

2024/11/15 01:34
雑記
9年前に受信をしたメールを開いて感傷に浸る深夜。

読書を介して知り合ったMさん。
今どうしているんだろうか。

Mさんは色々な本を読まれている方で根っからのハルキスト。メッセージをやり取りする中で仲良くなって彼女の勧める本を読んだり、私も面白かった本を勧めたり。最初の頃はお互い遠慮があったからメールのやり取りも控えめだったけど、次第に頻繁にやり取りするように。

私も彼女もメンタルの病気を抱えてて、色々辛さが解ったから、そんな面でも励まし合う仲だった。
また家族と上手くいっていないも共通してて、お互いに親がああだと困るよね〜とか言い合っていた。
Mさんは既婚者だったから、嫁ぎ先の義両親とも難しい関係で良く悩みや愚痴を聞いていた。

元気だった頃は友達も多くて、趣味の陶芸にも精を出していたらしい。Mさんの写真も見せて貰ったけど笑顔が素敵な美人さん。私とはメールだけの付き合いだったけど(そのうち電話で話したいねとずっと言っていたけど、彼女の主治医から許可が出なかったので、結局電話はできずじまいだった)Mさんはとても気さくで頭も良くて優しい人だった。

そんな彼女はメンタルの病気を患ってからは友人とも疎遠になってしまったらしい。体調もあって仕事には出られず、旦那さんもとにかく仕事が忙しい人で家にあまりいない上に、実の両親とも義両親とも上手くいってなかったせいもあって孤独な日々を送っていたから、私とのやり取りが毎日の楽しみなのだとある時Mさんは言っていた。

不安定な精神を抱えていた彼女はネットで誹謗中傷を受けてから一気にメンタルのバランスを崩してしまい、入院してしまった。
入院する前からMさんの病状は深刻だったし、通っているクリニックの医者とも上手くいっていなかったから、ある意味、彼女が入院して私はほっとした。日中彼女は独りで家で過ごしていたし、何かあっても私がすぐ駆け付けられる距離でもなかったから。
でもそれは甘かった。彼女は思い詰めた結果、病院のトイレで自殺を図った。命には別状はなく、無事だったけれども知らせを旦那さんから聞いて激しいショックを受けた。暫くの間、不眠になってしまったくらいだ。
自殺企図をした患者を置いておけないと思ったのか、その後数日で彼女は退院。彼女が落ち着きを取り戻してからまた私はメールのやり取りをした。
初めてメッセージのやり取りを初めてから2年間、毎日のようにメールをした。
話題は本のことや病気のこと、家族の悩みについて、またに好きな音楽の話もした。Mさんは邦ロックやCoccoが好きで、私も教えて貰ってCoccoを聴くようになった。今でもたまに聴く。

ある時、旦那さんが家で倒れたと連絡が来て、パニックになってた彼女の元に直ぐ駆け付けられないのが酷くもどかしかったのを覚えている。私は関東住み、彼女はずっと西の方に住んでいたので。幸い、旦那さんは数日の入院で済んだ。どうやら過労だったらしい。

メールをやりとりしてた2年間、彼女の病気は良くならず、悪化していった。とにかく主治医の対応があまりよくなかったので(一度に服薬する規定量を超えた薬を処方し、服薬することを指示する)転院を何度も勧めたけれど、彼女が住む地域にはメンタルクリニックがあまりないこともあって、結局そこへ通い続けるしかなかった。

医師の指示のせいで薬の過剰摂取状態が続いていて、病状も悪く、2017年に大きな病院へ彼女は再度入院することになる。
そうなるとメールのやりとりができないので、旦那さんに住所を聞いて手紙を書いて送った。2、3ヶ月に1、2通のペースで書送った。主に読んだ本についてのことを。元気になって戻ってくるのを待っているよと文末に添えて。彼女からの返事はなかった。恐らく返事を書ける状態ではなかっただろうし、医師からも止められていたのかもしれない。

返事がなくても私は定期的に手紙を書き続けた。2年くらい彼女に手紙を書き続けていたと思う。
3月のある日、手紙が宛先不明で返ってきた。戻ってきた手紙を見て唖然としてしまった。自分で勝手にしていたことだけど、突然連絡先を絶たれて、何だか物凄く虚しい気持ちになってしまったのだ。いつか彼女から連絡が来ると信じてたし、期待もしていた。それなのに、宛先不明のスタンプが押された手紙が戻ってきたのだ。まるでもう手紙を送ってくるなと言われてるみたいで、冷たい仕打ちだと思ったし、今まで私がしてたことは何だったんだろう?とすら思った。せめて最後くらいは何か一言欲しかった。随分身勝手な感情だけど、でも何でもいいから反応が欲しかったのだ。そうでなければ、私のやってたことは無意味で果てしない徒労だと。

当時はそんなふうに思ったけれど、でもそれは戻ってきた手紙を受け取った日だけで、翌日にはこれで良かったのかもしれないと思い直した。
私もいつまで手紙を書き続けられるか判らないし、相手も私も生きてる限り、状況や環境は変わっていく。もし私が何らかの理由で手紙を書くのを辞めたら相手はどうして急に手紙をくれなくなったのか悩んだかもしれないし、そのことで変に落ち込んでしまうかもしれない。もっと言えば見捨てられたと思うかもしれない。だから、相手から「もうこれ以上は手紙を送らなくて良い」と意思表示をしてくれたのは(私はそう解釈している)かえって有難いことなのかもしれなかった。

なので私は旦那さんにメールで新しい住所を訊かなかった。Mさんと電話でおしゃべりするという夢は果たせなかったけれど、それで良いと思った。

Mさんと知り合って9年が経った。
Mさんと連絡が取れなくなって凡そ5年経った。
5年の間に私も色々あったし、環境も少しだけ変わった。
何となく疎遠になった人もいれば死に別れた友人もいて、そしてまた別の誰かと出会って、いつかまた別れがくるのだろうと思う。
出会って、別れて、失って。
その繰り返し。
生きてる限り、続いていく。
これから先もまた私は色々な人と出会うだろう。
そして色々な人と別れていくだろう。
いつか置いていく身にもなって。

Mさんが今は元気になって幸せに生きていることを切に願う。

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可
  • 理図2024/11/15 09:57

    夜雨さん、おはようございます。
    似たような病を抱えているからこそ、声をかけたかったり書にすることによって何か力になりたいって思ってしまうものですよね。

    内容を拝見するに、きっとご友人はメールのやり取りすら出来ないどころか、外界の一切を遮断してしまいたい域に推移してしまったのかなぁと思いました(部外者の勝手な推論ですみません)。
    目に見えないから難しいですよね。
    私も家のことなんて何ひとつできる状況ではないし、薬の管理も母にされています。
    夜雨さんもお気をつけてくださいね。

    名前
    コメント内容
    削除用パスワード ※空欄可
    • 夜雨2024/11/15 17:00

      理図さん、こんばんは!
      そうなんですよね、彼女とは仲良くしてたし、何か力になりたかった。でもそれは私の自己満足に過ぎなかったのかもしれません。
      理図さんも心身ともに今は大変そうなのでどうか無理しないでくださいね。
      (ここでなんですが、理図さんがご紹介してたYouTubeちょっと見ました!あれは癒されるし、親友との関係性が素敵でした☺️✨)

      名前
      コメント内容
      削除用パスワード ※空欄可