原作軸

終焉、その先へ


   吾らは夢と同じ糸で織られている
  We are such stuff as dreams are made on…
    (テンペスト/シェイクスピア)


 ……目を醒ましてくれ……なァ、ロー……、判ってるよ、コラさん……でもまだそうやってアンタの声を聴いていたいんだ……目を開けるのが酷く億劫で……、コラさん……おれの名前……もっと……、

「――ロー、ここで眠ったら駄目だ。目を醒ますんだ」
 水底から響いてくるような声音が不意に鮮明な形を得て鼓膜を揺らし、暗がりに沈んでいたローの意識を引き上げる。起きてくれと肩を揺さぶられてローはむずがる幼子のように眉根を寄せ、目蓋を微かにふるわせてゆっくりと瞳を開いた。醒めきらない目で視線を彷徨わせる。ぼやけた視界に光が鋭く射し込み、その眩しさに瞳を瞬かせると焦点が合った。良く知ったハート柄が目に飛び込んで一気に覚醒する。
「コラさん……!」
 ローが弾かれたように勢い良く立ち上がると真正面にいた大男は些か驚いた顔色を浮かべながらも、ほっと胸を撫で下ろした。
「目ェ醒めたみてェだな」
 良かったぜ――へらりと眉尻を下げて笑う顔はローの記憶の中にある十三年前と同じだった。できることならもう一度逢いたいと切望していた愛しい人の姿を信じられない思いで見詰めて堪らずにその大きな躰に抱き着いた。被っていた白い帽子が脱げて足元に落ちる。 うぉっ⁉――勢い良く抱きつかれてコラソンはバランスを崩し、床に尻もちを着く。
「コラさん……っ」
 懐かしい匂い。懐かしい体温。懐かしい声。ローはハート柄のシャツを握り込んで厚い胸板に顔をうず埋めて戦慄く唇を噛み締めた。そうでもしなければ勝手に涙が出てしまう。
「暫く会わねェうちに甘えん坊になっちまったか?」
 コラソンは眦を和らげて愛し子の背をあやすように慰撫する。ロー顔見せて――穏やかに言うと濡れた金色の双眸がコラソンを捉えた。
「デカくなったなァ」
 両の手で精悍に引き締まった頬に触れながら「昔はおれの掌に乗るくれェ小さかったのによォ」一丁前に髭まで生やしちまってと何か眩しいものを見るように柘榴色の瞳を眇める。
「流石にそこまで豆じゃねェよ」
 ローはふっと笑う。大人びた笑い方――年相応のそれに彼もそんなふうに笑うようになったのかとコラソンは感慨深く思いながらぽんと黒い頭を撫でた。
「そうかァ? でもお前が立派に育って安心したよ。珀鉛病もすっかり良くなったみてェだしな」
「ああ。全てはコラさんのお陰だ。コラさんがあの時、」
 それ以上は言いっこなしだ――コラソンは長い人差し指を立てるとローの唇に軽く押し当てて言葉を塞ぐ。それから、こうしちゃおれねェとローの腕を引いて立ち上がる。
「ロー、今すぐこの列車から降りるんだ」
「は、」
 そう言われて初めてローは自分が置かれている状況に意識を向けた。コラソンが言う通り、ローは列車に乗っていた。一体どこへ向かっているのか定かではない。暖色系の電灯の下、規則的に並んだボックス席に他に乗客はなく、酷く静かだった。少しの揺れも感じないので列車が停止しているように感じられた。ローは帽子を拾い上げると車内を見回し、窓の外に視線を転じる。窓外は黒々とした闇が広がるばかりで、何も見通せなかった。窓硝子は電灯と闇とを映して鏡となってローの姿を浮かび上がらせる。と、ローは虚を突かれたように瞠目した。背後を振り返る。
「コラさん、アンタ――」
 アルルカンは困ったように力無く笑って「まァそういうこった」肩を竦めて見せた。窓硝子にはコラソンの姿は映っていなかった。確かに彼はローのすぐ傍にいるのに、だ。ローだけが独り取り残されたように暗闇の鏡に虚像を映していた。
「お前も早いとここの列車を降りねェとおれみてェになっちまう。この列車にお前が乗るのは早すぎる」
 だから早く降車するんだとコラソンはローの腕を掴んで乗降口へと向かおうとする。が、ローはその場から動こうとしなかった。逞しい腕に縋る。
「厭だ。せっかくコラさんに会えたのに」
 ずっと会いたかったのだ。それこそ夢に見るくらいに。彼の夢を見て目醒める度に寂寥感に打ちのめされた。夢が幸福であればあるほど迎える朝は残酷さ極めた。人間は目醒めるために夢を見ると言うが、それならばいっそ夢を見ないまでに深く眠るか、眠らずにいるしかなかった。
 ローは顔を歪めて唇を硬く引き結ぶ。恰も泣き出す寸前の子供のような態度を目の当たりにしてコラソンは「あー、判ったよ」コイフの上からガシガシと頭を掻いて溜息を吐いた。
「お前をこのまま乗せていくわけには行かねェけど、ちっとだけなら一緒にいても構わねェよ。ちっとだけな」
 本当にちっとだけだからなと念を押しつつ、つくづく自分はローに甘いと思う。己に呆れながら、しかし悄然と項垂れている姿を見てしまっては毅然とした態度を取ることはできなかった。またローを泣かせてしまう――そんな罪悪感に混じって大人になった彼ともう少し言葉を交わしたい気持ちもあった。
 コラソンはローを席に座らせると自身も真向かいに腰を下ろす。ローは行儀良く帽子を膝の上に置き、言うべき言葉を探すように視線を落として惑わせる。伝えたいことはたくさんあるのに想いばかりが先走ってしまい、言葉が胸につかえて出てこない。と、コラソンは薄く笑って「ローが今までどんなふうに生きて何をしてきたのか、おれは全部知ってるよ」張り詰めた沈黙をほどくように優しく告げる。
「ローがオペオペの実の能力を使って珀鉛病を治したことも、町で初めて出会った仲間の怪我を治癒したことも、海へ出る切っ掛けも。それからドフィのことも」
 ごめんなロー――コラソンは心底申し訳なさそうに眉を曇らせる。
「おれはお前に自由に生きて欲しかったのに結果的に全部背負わせちまった。あの時、おれが引き金を引けていたら――躊躇うことなくドフィを撃っていたなら、ローが危険な目に遭うこともなかったんだ。それにお前との約束も破っちまったし、」
 隣町で落ち合おう――果たせないと判っていて約束を交わした。最期には海兵であったことは明かしたが、ずっとローには嘘ばかり吐いていたのだ。そうすることが最善と信じてのことだが、今思い返してみれば我ながら酷いと思う。
「なァ、おれのこと嫌いになった……?」
 コラソンはおずおずといった風情ですっかり逞しい青年へと成長したローの顔色を窺う。するとかつての愛し子はおかしそうに噴き出した。
「え、おれ何か変なこと言ったか⁉」
「アンタ、この期に及んでおれが恨み言を言うとでも思ったのか?」
「いや、だってよォ、あんな別れ方したし、おれはお前が嫌ってた海兵だったろ。嫌わない方がおかしいって言うか、」
「世界一愛してるコラさんを嫌うわけねェだろ。コラさんはずっとおれのために優しい嘘を吐いてくれてた。ちゃんと判ってるよ、全部」
 嘘を吐き通すことで真実にしようとしていたことを今は知っている。それがどんなに難しいことであるかも。ローは生真面目な表情を作って真正面に座る最愛の人に真摯な眼差しを向ける。
「ドレスローザでセンゴクと会った。その時に言われたよ。受けた愛に理由をつけるなと。センゴクの言うことは理解できるし、尤もだと思う。だけど、おれはやっぱり知りたい。――なァ、コラさん。どうしておれを助けたんだ?」
 死にかけのガキを拐うようにして海に出た。海兵としての義務や職務を投げ打ってまで。自分に関わらなければ当初の目的――兄を止めることだってできたはずだ。命を落とすことだってなかったし、そうであれば今だって海兵として生きていたはずで。センゴクは部下である彼のことを人一倍正義感が強い男だと評していた。本当なら眩いばかりの正義を背負ってその生涯を捧げていたに違いないのに。
 ローは時折苦い後悔に囚われずにはいらない。自分の存在が彼の生き方を歪め、全てを奪ってしまったのだと。またあの時、ヴェルゴにさえ会わなければと。自分がヘマをしなければ無事に逃げおおせて、隣町で落ち合って、それで。
 ――世界中を旅しよう。
 明るく笑って告げるコラソンの残像が目の前の男と重なる。十三年前と変わらぬ相貌。右眼には涙を、口許には笑みを。彼の素顔はどんなふうであったのか思い出そうとしても上手く像が結ばない。
 十三歳の頃、コラソンのメイクを奇妙に思っていたが今なら判ることがある。アルルカンのメイクは泣くことも笑うことも己に禁じるための仮面だったのだ。兄の前で完璧にコラソンを演じるための仮面。何を見ても決して笑わず、悲しむこともないように。それは同時に彼自身の心を守る鎧でもあったかもしれない。ローは不意にコラソンの――ドンキホーテ・ロシナンテの素顔を見たく思った。
 一方、コラソンは問われて言い淀む。何でって。何でって、そりゃあ――落ち着かない様子で羽根のコートやズボンのポケット探る。しかし一番欲しかった物は見つからなかったようでコラソンは無為にライターを弄んだ。そうしながらあーとかうーとか無意味に唸って、やがて観念したように言葉を紡ぐ。
「何もかもぶち壊そうとしてるお前のことを見ちゃおれなかったし、何より海賊団ファミリーにいちゃいけねェ人間だったから」
 あの時のローは自分ごと世界を破壊しようとしていた。憎しみに猛る姿は声も涙もないまま泣き叫んでいるようにコラソンには見えたのだ。その痛ましいまでの姿には既視感があった。傷付けられ、全てを奪われたことの激痛にのたうち回りながら世界を怨嗟する――兄と同じだと。
 お前は怒るかもしれねェけど――コラソンは眉根を寄せて赤い瞳を眇める。
「おれはローを救うことで、ドフィを救えなかった自分を救いたかったんだ。だから実際はただの自己満足だ。けど、お前をどうしても助けたかったことも、病気を治して生きて欲しかったのも、本当だ。これは嘘じゃねェ。信じて貰えるか判らねェけど」
 コラソン自身、このことに気が付いたのはずっと後になってからだ。当時は無我夢中でとにかく必死だった。自分でも説明できない衝動に突き動かされるまま、ローを連れて片っ端から病院を訪ね回った。医者や病院関係者から酷い扱いを受ける度に相手を殴り飛ばして病院を爆破したのも一回や二回じゃない。ローにもう辞めてくれと泣かれたことだってある。こんなにも激しい感情が自分の中にあるのだと知って驚き、頭に血がのぼったら何をしでかすか判らない恐ろしさに悪のカリスマと恐れられる兄と同じ血が流れていることを自覚して慄然とした。いつかこの激しさがローを決定的に傷付けてしまうのではないかと、白い痣に覆われた小さな手を掴むことを躊躇った瞬間もあった。
「おれはずっとお前に嫌われるのが怖かった。センゴクさんには嫌われても恨まれても仕方ねェと思ってたけど、でもローだけには嫌われたくなかったんだ」
 何よりも大事だったから。愛していたから。コラソンにとってローの存在はそのまま己を取り巻く世界とイコールだった。もう自分にはローしかなかったのだ。己の存在理由も、愛する意味も価値も、何もかも。戻れる場所は既になく、兄を止めることができるかどうかも判らない。安息の地は世界中探してももうどこにもない。あるとすればそれはローだった。そしてそれはローとて同じだったはずだ。コラソンだけが生きるよすがで自分を守ってくれる唯一の存在だった。世界でふたりぼっちだったのだ、あの病院巡りの旅は。
 それでアンタは――ローは静かに問う。
「おれを救うことで自分を救えたか?」
 つよい眼差しを受け、コラソンは強張らせていた表情を和らげて頷いた。
「救われたよ、ちゃんと。オペオペの実を食った後、おれの怪我を治そうとしてくれたことがあっただろ。あの時すげェ嬉しかったし、おれはお前から愛されてたんだなって思ったよ」
 ローがくれた優しさが嬉しかった。あの瞬間、自分の全てが報われたと感じた。養父が自分を慈しみ、愛してくれたように、自分もまた誰かを愛することができるのだと。兄とは違う、たとえこの身に天竜人の血が流れていようとも己は他の人間ひとと何ら変わらぬただの人間なのだと――自己証明した瞬間でもあったのだ。
「ロー、ありがとうな。こんなおれを愛してくれて」
 コラソンは白い歯を見せて朗らかに笑う。十三年前と同じ笑顔にローの胸が軋んだ。大丈夫だぞ、ロー――いつか聴いた言葉が鼓膜の奥で甦る。
「――さて、そろそろ時間だ」
 コラソンは立ち上がるとローの腕を掴んで乗降口へ向かう。
「待ってくれコラさん。おれはまだアンタに言いたいことが、」
「これ以上は駄目だ。戻れなくなる」
 半ばローを引き摺るようにして先を歩むコラソンは振り返りもせず硬い声音で告げる。――厭だ、コラさん。離れたくない。だっておれはアンタのことを。
「――愛してる」
 広い背中に向けて告白する。コラソンは大きく目を見開いて振り返った。ローは胸裡に溢れる想いを、堰を切ったように語り出す。ずっと彼に伝えたかったこと。
「コラさんはおれのことを家族のように愛してくれた。やり方は無茶苦茶だったけど、アンタは真っ直ぐにおれを愛してただのガキでいることを赦してくれてた」
 当時は子供扱いされることを腹立だしく感じていたが今なら判る。子供なんだから素直に大人に甘えろ――そんなコラソンの優しさであったことを。
「さっきアンタはおれに全てを背負わせたと言ったが、ドフラミンゴのことはおれがやりたくてやっただけだ。だからコラさんが気に病む必要はねェ」
 開け放たれた鳥籠から飛び立つために。与えられた自由を生ききるために。
「おれはコラさんから命も自由も愛も、望んでいたもの全てを貰った。だが、まだもうひとつ欲しいものがある」
 ローは伸び上がり、腕を伸ばして太い首に絡めると引き寄せて笑みが刻まれるように引かれたルージュに口付けた。柘榴色の瞳が驚愕に見開かれる。
「ロー、お前……っ」
「おれがアンタを愛しているのはこういう意味だ。ずっと好きだった」
 コラソンを慕う感情の意味を知ったのは彼を喪った後だった。彼がくれた愛はローの中で恋となって芽吹いた。穢れのない色をした無垢なそれを奥底にある宝箱の中に仕舞い込んだ。一生涯、誰にも見せず、墓場まで持っていくつもりだった。――だけど。
「おれはコラさんから同じ愛が欲しい」
 どうか嫌わないでくれとローは愛しい人に縋るように抱きつく。コラソンは束の間愛しい子を見下ろしてから、ふっと笑み崩れて身を屈めると「ローのことをずっと愛してるの術だ」ぽんと黒い頭を撫でてた。今度はローが驚く番だった。
「コラさんそれ、」
「おれはお前が望むものならなんでもやりてェし、大好きなローがおれのことを愛してくれるのはすげェ嬉しい」
 コラソンはローを抱き締めると無防備な唇に口付けた。柔らかな熱を享受したのは一瞬だった。ローの背後で列車の乗降口の扉が開き、躰が突き放された。視界が揺れ、反転する。耳元でゴォと風が唸り、暗闇の中を落ちていく。
「コラさん……!」
 ローは手を伸ばす。列車が遠ざかる。コラソンの姿が小さくなる。
「ロー! 生きろ!」
 無窮むきゅうの暗闇にコラソンの声が響き渡る。
「愛してるぜ!」

 ◆◆◆

 ……良く知っている声が聞こえる、……テン、キャプテン、起きて……目を醒して……キャプテン……、……ああこの声は……、
「……ベポ……?」
 薄く目を開く。焦点が合わない視界にぼんやりと白い影が映り込む。
「キャプテン……っ!」
 良かった――心底ほっとしたように言って、ベポは砂浜に横たわるローをぎゅっと抱き締めた。途端に躰に痛みが走ってローが低く呻くとベポはごめんと謝罪して慌てて痩躯を解放する。ローは痛みが去るのを待ってからゆっくり身を起こし、辺りを見回しながら記憶を反芻する。確か――、
「黒ひげに……」
 呟いて全てを思い出す。勝者ウィナー島で黒ひげとロード歴史の本文ポーネグリフを巡ってやり合った結果、ポーラータングは破壊され、他のクルー達と離散してしまった。ベポが月の獅子スーロン化し身を呈してローを守り、命からがら逃げ出した――途中で気を失ったローを案じてペボは見付けた島で一旦躰を休めることにして、冒頭に戻る。聞けばローが気を失っていた時間はそれほど長くはなく、島に辿り着いてから一時間も経っていないだろうとペボは答えた。
「キャプテン、大丈夫?」
 ベポは俯いて沈黙しているローの顔を覗き込む。
「――畜生」
 ローはきつく唇を噛み締めて唸った。畜生畜生畜生――拳を地面に叩きつける。これまで何度も強敵と遭遇し危機に瀕したがそれでも打ち勝ち、クルー達と共に乗り越えてきた。しかし今回は圧倒的な黒ひげの力によって膝を折られた。初めて喫した敗北はローに重たく伸しかかった。おれがもっと強ければ――苦い後悔と怒りに似た感情が胸の裡に吹き荒れる。
 キャプテン辞めて――ベポが振り上げたローの拳を掴む。
「おれ達は、ハートの海賊団は、誰も死んでない。船は壊れちゃったし、皆とはぐれちゃったけど、でも誰も死んでねェ。皆生きてる。これくらいでやられるおれ達じゃない」
 そうでしょ――ベポはいつになく真剣な声で言う。
 北の海からずっと航海してきた。どんな荒波も困難も乗り越え、ここまで、こんなにも遠くまで来た。今まで積み重ねてきたものがある。簡単に壊れたりしない。それくらいで終わってしまうようなおれ達ではない。高らかに掲げた心臓ハートの火は消えずに燃えている。
 ローは己の胸の前で拳を握る。
 ――ロー! 生きろ!
 最愛の人の声が聞こえる。
 まだ終われない。こんなところで終わるわけにはいかない。あの人の想いに報いるためにも。
 ローは己に言い聞かせるように告げる。
「ああ、そうだな。ハートの海賊団おれ達は誰一人欠けることなく、世界中の海を航海する。欲しいものは手入れる。取るべきイスは必ず奪う」
 ローは眼前に広がる目に痛いまでの青を湛えた海を見据えて誓う。
 クルー達と再会を果たし、辿り着く。
 何があっても、必ず。

(了)
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