400字小説

夜明け(コラロ)

 ロー! 見てみろよほら!――はしゃぐ声に起こされてローは醒めきらない目を手で擦る。何だよコラソンまだ早いだろと文句を言いかけたところではっと息を呑んだ。
 雲一つない東雲しののめの空が金色こんじきに燃え、生まれたばかりの太陽が眩い光を放っていた。鮮烈なまでの旭光はローの瞳の底を射抜いた。夜の名残りを孕んだ空は少しずつその色を薄めていく。
「綺麗だな」
 ローと初日の出が見られて良かったとコラソンは満足そうに笑って朝焼けを見詰める。ローも小さく頷いて刻々と光が満ちていく空の様子を眺めながら密かに願った。
 ――どうかこの優しい人と一日でも長く一緒にいられますように。
 神様は信じていないがこの素晴らしく美しい朝焼けなら自分の願いを聞き届けてくれるように思ったのだ。あまりにも綺麗なので。
 二人きりで眺めた新しい一年の始まりの朝をローは一生涯、忘れないだろう。願ったことも、コラソンが眩しそうに瞳を眇めている表情も、凍える寒さも全て。
 
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