400字小説
affinity(みつくり)
こんなの聞いてない――大倶利伽羅は熱の醒めた頭で思いながら己の躰を柔く抱く光忠を何処か恨めしそうに見遣った。
恋仲になって半年。大倶利伽羅は光忠に抱かれた。彼は驚く程丁寧に大倶利伽羅の躰を扱った。恰も玻璃細工に触れるように。最後まで光忠は優しかったし、そのことについて大倶利伽羅も不満はない。ないのだが、しかし。
「あんた俺以外にもこういう相手がいるのか」
予想外の言葉に光忠は「真逆。伽羅ちゃんだけだよ」心外だと大きく目を見開く。
「どうしてそう思うの?」
「……初めてにしては妙に手馴れてる」
顕現して人の身を得た刀である。人間のようにその躰を使って睦み合うのは互いにこれまで経験がない。にも拘らず光忠はそうとは思えないような態度だったのだ。要は悦かったのだ。大倶利伽羅が想像していたよりずっと。そんなことを言うと「君にそう思って貰えるのは光栄だよ」光忠は笑う。
「きっとこういうのを相性が良いって言うんだね」
こんなの聞いてない――大倶利伽羅は熱の醒めた頭で思いながら己の躰を柔く抱く光忠を何処か恨めしそうに見遣った。
恋仲になって半年。大倶利伽羅は光忠に抱かれた。彼は驚く程丁寧に大倶利伽羅の躰を扱った。恰も玻璃細工に触れるように。最後まで光忠は優しかったし、そのことについて大倶利伽羅も不満はない。ないのだが、しかし。
「あんた俺以外にもこういう相手がいるのか」
予想外の言葉に光忠は「真逆。伽羅ちゃんだけだよ」心外だと大きく目を見開く。
「どうしてそう思うの?」
「……初めてにしては妙に手馴れてる」
顕現して人の身を得た刀である。人間のようにその躰を使って睦み合うのは互いにこれまで経験がない。にも拘らず光忠はそうとは思えないような態度だったのだ。要は悦かったのだ。大倶利伽羅が想像していたよりずっと。そんなことを言うと「君にそう思って貰えるのは光栄だよ」光忠は笑う。
「きっとこういうのを相性が良いって言うんだね」