戀―REN―
雨の午睡
腹が膨れて眠くなったのか、太宰はふぁと小さな欠伸をしてころりと畳の上に横臥する。国木田は彼の隣――壁に凭れて座って読み差しの文庫本を開いた。
今日は揃って公休日なのだが、生憎の雨模様。出掛けるのも少々億劫に感じられて、偶には自宅で彼とのんびり過ごすのも悪くないと国木田は昼食を拵えて太宰と共に食した。
ちらりと太宰を見ると彼は長い睫毛を揃えてうつらうつらしている。静かな雨音は催眠効果があるようで、何となく国木田も眠気を催し、開いたばかりの本を閉じると横になった。
身を太宰に寄せて、無造作に投げ出された白い手をそっと握る。
「……ん……あれ、国木田君……?」
微睡む鳶色の瞳を薄く開きながら不思議そうに問う声音は半ば夢心地だ。国木田は痩身を抱き寄せてすっぽりと腕の中に恋人を閉じ込める。と、彼は馴染んだ体温に甘えるようにして頬擦りする。まるで猫のような仕草に自然と頬が緩んでしまう。 抱き締めた己よりも低い体温を愛しげに掌で撫でながら国木田もまた目を閉じる。心地の良い眠りは直ぐやって来た。
愛おしい手と恋人繋ぎをしたまま、雨の午睡へと沈んでいく。
腹が膨れて眠くなったのか、太宰はふぁと小さな欠伸をしてころりと畳の上に横臥する。国木田は彼の隣――壁に凭れて座って読み差しの文庫本を開いた。
今日は揃って公休日なのだが、生憎の雨模様。出掛けるのも少々億劫に感じられて、偶には自宅で彼とのんびり過ごすのも悪くないと国木田は昼食を拵えて太宰と共に食した。
ちらりと太宰を見ると彼は長い睫毛を揃えてうつらうつらしている。静かな雨音は催眠効果があるようで、何となく国木田も眠気を催し、開いたばかりの本を閉じると横になった。
身を太宰に寄せて、無造作に投げ出された白い手をそっと握る。
「……ん……あれ、国木田君……?」
微睡む鳶色の瞳を薄く開きながら不思議そうに問う声音は半ば夢心地だ。国木田は痩身を抱き寄せてすっぽりと腕の中に恋人を閉じ込める。と、彼は馴染んだ体温に甘えるようにして頬擦りする。まるで猫のような仕草に自然と頬が緩んでしまう。 抱き締めた己よりも低い体温を愛しげに掌で撫でながら国木田もまた目を閉じる。心地の良い眠りは直ぐやって来た。
愛おしい手と恋人繋ぎをしたまま、雨の午睡へと沈んでいく。