1話
夢小説設定
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店を出ると、チャイナ服の少女が駆け寄ってきた。男性二人の姿は見えない。
「お待たせしました。はい、これ記念品とドーナツ。三人で分けてね」
「ヤッホーイ!ありがとネ!」
大喜びではしゃぐ少女に思わず笑みがほころぶ。美味しい食べ物が目の前にあるとはしゃぐ気持ちはすごくわかる。箱をかかげていた少女はハッとした顔で葵を見つめた。
「私は神楽ネ。万事屋やってるヨ。何かあればいつでも来るヨロシ。オネーサンは?」
「私は光瀬葵よ。……万事屋って?」
「なんでも屋アルよ」
なんでも屋。この争奪戦には依頼されて来たと言っていたと思い出した。言う通りになんでもするなら、似たような事をしていると、葵は思った。
「何かあったら依頼させてもらうね」
「いつでも歓迎ネ」
バイバイと手を振って神楽と別れる。元気に跳ねる背中を見送り、信女に会う約束をするべく携帯を取り出した。
すっかり日が暮れている。白い見廻組の制服は暗くなっても分かりやすくていい。
「信女。仕事、お疲れ様」
「ええ。……それ」
さっそく気がついたらしい信女の目線は、すっかり葵の左手、正しくはドーナツ屋の店名が入った箱に釘付けだ。
「無事手に入ったよ。新作三種類。ついでに、いつも食べてるのも買ってるよ」
すいっと持ち上げると、信女の視線も同じく動く。ネコジャラシを前にした猫みたいだと思った。信女の手に箱を持たせる。キラリと信女の目が喜びに輝いたように見えた。こういう反応が見られるなら、参加した甲斐があったものだ。
「葵、ありがとう」
「どういたしまして。じゃあ、渡せたし、私は帰るね」
「待って」
仕事終わりだし、これから晩ご飯もあるだろうし時間をあまり奪う訳にはいかない。そう思って、帰ろうとした瞬間、羽織を引っ張られ、引き止められた。転けそうになるのをなんとか避けつつ、そろっと信女に目を向ける。
「戻ったら異三郎もいる」
「うん」
「一緒に食べましょう。みんなで」
「いいの?」
お邪魔してもいいのか、という意味を込めて聞くと、小さく頷いた信女に葵は笑った。
「それなら、いただきに行っちゃお」
信女の艶やかな髪と見廻組の制服が揺れる。彼女の横に並んで葵は、こんな日があってもいいなと思った。
「お待たせしました。はい、これ記念品とドーナツ。三人で分けてね」
「ヤッホーイ!ありがとネ!」
大喜びではしゃぐ少女に思わず笑みがほころぶ。美味しい食べ物が目の前にあるとはしゃぐ気持ちはすごくわかる。箱をかかげていた少女はハッとした顔で葵を見つめた。
「私は神楽ネ。万事屋やってるヨ。何かあればいつでも来るヨロシ。オネーサンは?」
「私は光瀬葵よ。……万事屋って?」
「なんでも屋アルよ」
なんでも屋。この争奪戦には依頼されて来たと言っていたと思い出した。言う通りになんでもするなら、似たような事をしていると、葵は思った。
「何かあったら依頼させてもらうね」
「いつでも歓迎ネ」
バイバイと手を振って神楽と別れる。元気に跳ねる背中を見送り、信女に会う約束をするべく携帯を取り出した。
すっかり日が暮れている。白い見廻組の制服は暗くなっても分かりやすくていい。
「信女。仕事、お疲れ様」
「ええ。……それ」
さっそく気がついたらしい信女の目線は、すっかり葵の左手、正しくはドーナツ屋の店名が入った箱に釘付けだ。
「無事手に入ったよ。新作三種類。ついでに、いつも食べてるのも買ってるよ」
すいっと持ち上げると、信女の視線も同じく動く。ネコジャラシを前にした猫みたいだと思った。信女の手に箱を持たせる。キラリと信女の目が喜びに輝いたように見えた。こういう反応が見られるなら、参加した甲斐があったものだ。
「葵、ありがとう」
「どういたしまして。じゃあ、渡せたし、私は帰るね」
「待って」
仕事終わりだし、これから晩ご飯もあるだろうし時間をあまり奪う訳にはいかない。そう思って、帰ろうとした瞬間、羽織を引っ張られ、引き止められた。転けそうになるのをなんとか避けつつ、そろっと信女に目を向ける。
「戻ったら異三郎もいる」
「うん」
「一緒に食べましょう。みんなで」
「いいの?」
お邪魔してもいいのか、という意味を込めて聞くと、小さく頷いた信女に葵は笑った。
「それなら、いただきに行っちゃお」
信女の艶やかな髪と見廻組の制服が揺れる。彼女の横に並んで葵は、こんな日があってもいいなと思った。
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