1話
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黄色に染まったイチョウの葉と澄んだ青空。地面に倒れた少女――篝はこの景色も体の痛みももう十回は味わったと心の中で指を折った。
荒い呼吸を落ち着かせているうち、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。地面を歩き、葉を踏みしめる音。あえて体は起こさず待っていると、篝の視界に白髪の男が映った。
「師匠!」
敬意を込めて呼ぶ。近くにしゃがみ込んだ男は、篝の髪に付いていたイチョウの葉を取る。
「私、絶対に師匠を倒す!強くなる!」
「何回目だろうな、その言葉」
あまり表情が変わらない白髪の男――朧の口元がふっと緩んだ、気がした。あ、と思った瞬間、強く風が吹き、思わず目を閉じてしまった。貴重な表情が見れたかもしれないのに。
その悔しさも重ねながら、拳をつくり朧に向かって突き上げる。
「何回だって言う!絶対勝つもん!」
「……それだけの元気があれば、もう一本いけるだろう」
「いっ、いたたた……!これは肋、肋折れてる!ったたたた!」
「……勝つと言っていた言葉が消えるのは早いな」
ゴロゴロと地面の上を転がる弟子に、呆れた顔をした朧は手にしていた仕込刀を鞘に収め、篝の視界から消える。
シャンっと錫杖の音と葉を踏む音がして、篝はチャンスだと思った。右手を懐に入れ扇子を取り出すと、地面に転がしていた身体を素早く起こす。扇子は仕込み刀だ。刀身を抜き、こちらに背を向けて歩く朧に向かって飛び上がり、右手を上から下へと振る。
「隙あり!」
いける、と思った瞬間、脇腹への衝撃に体が吹き飛び、叩きつけられた拍子にゴロゴロと地面を転がる。はっはっと短い呼吸しか出来ない篝の視界に、朧の足と金剛杖が見えた。刀は抜かれず、金剛杖を脇腹に当てられたらしい。
「まだまだ、遠いな」
朧の声が遠くなる。肺に回る空気が冷たいと篝は感じた。
荒い呼吸を落ち着かせているうち、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。地面を歩き、葉を踏みしめる音。あえて体は起こさず待っていると、篝の視界に白髪の男が映った。
「師匠!」
敬意を込めて呼ぶ。近くにしゃがみ込んだ男は、篝の髪に付いていたイチョウの葉を取る。
「私、絶対に師匠を倒す!強くなる!」
「何回目だろうな、その言葉」
あまり表情が変わらない白髪の男――朧の口元がふっと緩んだ、気がした。あ、と思った瞬間、強く風が吹き、思わず目を閉じてしまった。貴重な表情が見れたかもしれないのに。
その悔しさも重ねながら、拳をつくり朧に向かって突き上げる。
「何回だって言う!絶対勝つもん!」
「……それだけの元気があれば、もう一本いけるだろう」
「いっ、いたたた……!これは肋、肋折れてる!ったたたた!」
「……勝つと言っていた言葉が消えるのは早いな」
ゴロゴロと地面の上を転がる弟子に、呆れた顔をした朧は手にしていた仕込刀を鞘に収め、篝の視界から消える。
シャンっと錫杖の音と葉を踏む音がして、篝はチャンスだと思った。右手を懐に入れ扇子を取り出すと、地面に転がしていた身体を素早く起こす。扇子は仕込み刀だ。刀身を抜き、こちらに背を向けて歩く朧に向かって飛び上がり、右手を上から下へと振る。
「隙あり!」
いける、と思った瞬間、脇腹への衝撃に体が吹き飛び、叩きつけられた拍子にゴロゴロと地面を転がる。はっはっと短い呼吸しか出来ない篝の視界に、朧の足と金剛杖が見えた。刀は抜かれず、金剛杖を脇腹に当てられたらしい。
「まだまだ、遠いな」
朧の声が遠くなる。肺に回る空気が冷たいと篝は感じた。