志村新八
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※捏造あります。
真ん丸な夕日がオレンジの光で道路や家々をを照らす。
「ナマエちゃん大丈夫かな」
道場の門を出て左右を見渡してみるけど、歩いてくる人影は見えない。
今日は姉上とナマエちゃんと僕とで夜ご飯がてら、ご飯を一緒に作る約束をしていた。
先日、神楽ちゃんたちと料理のレパートリーを増やそうと料理教室へ行ったけど、結局レパートリーの数は増えていない。
その事をナマエちゃんに話すと「それなら今度、料理本見ながら一緒に何か作ろうよ。私もレパートリーは増やしておきたいんだよね」とお誘いを受けたのだ。
そして今日、約束の時間を過ぎてもナマエちゃんはまだ来ていなかった。
彼女が普段遅れるなんてことは無い。途中で事故にあったりしたら、と考えたら不安に駆られる。彼女がいつも通っているルートを逆走しようとも考えたけど、すれ違いになってしまう可能性もある。
やっぱり迎えに行こう。考えている時間がもったいない。そう決めて、姉上に一言伝えて来ようと門をくぐろうとした時、視界の端にナマエちゃんの姿が見えた。
「ナマエちゃん!」
「新八くん!」
僕の名前を呼びながら、小走りで距離を縮めてくれる彼女を見て改めて思う。ああ、やっぱりナマエちゃんに会えると嬉しい。
「遅くなってごめんね」
「いいんだ。何かあったんじゃないかって、心配して迎えに行こうと思ってたところなんだ」
「ちょっと遅くなるって連絡しようと思ってたんだけど、あいてる公衆電話が無くて。心配かけちゃったね」
「ううん、何もなくて良かったよ」
彼女から買い物袋を受け取る。ありがとう、とはにかむナマエちゃんと並んで歩く。門から玄関までの短い距離だけど、些細な会話を交わすだけで満たされた。
買い物袋を玄関ホールに置いて、振り返って挨拶をひとつ。
「おかえりなさい」
目の前にはぽかんとした顔のナマエちゃん。やってしまった。つい、いつも姉上と買い物に行った時のやり取りが出てしまった。
「あ、今のは、その、いつも姉上と買い物から帰って来る時に言ってて癖で」
両手を振りながら喋るにつれ、声が上擦っていく。
彼女と「おかえり」「ただいま」のやり取り気が早いだろ、と自身にツッコミを入れる。
「ほんと、気にしなくていいから」
返事がしづらいだろう彼女に気を利かせないように言いつつ、引き戸を閉めにナマエちゃんの横を通る。
閉めた磨りガラスに向かって頭を叩きつけたくなる衝動に駆られたけど、彼女がいる手前出来るわけが無い。
「た、ただいま、新八くん」
返ってきた言葉に背中を叩かれ、急いで振り返る。
花が咲いたような笑顔って多分このことを言うんだ。ナマエちゃんの笑顔は、磨りガラス越しの夕陽がかかかって、いっそう綺麗にみせる。緊張か、上擦った声がまた可愛い。
ただいまの言葉でぽかぽかと胸が暖かくなっていく。数十秒前の自分に感謝した。
「なんか、いいね。こういうの」
「うん。将来、毎日言い合いたいね?」
いたずらっ子のように笑う声が耳を通った。将来、毎日。
「……毎日って、えェエエ!」
驚きのあまり、それ以上言葉が出なかった。
家に帰ってきた彼女を玄関で「ナマエちゃん、おかえりなさい」と言って迎えた僕に「ただいま、新八くん」と笑うナマエちゃん。
逆もあるのか。帰ってきた僕が「ただいま」と言うと、奥から小走りでやってきて「新八くん、おかえり」とあたたかく迎えてくれるナマエちゃん。
そう言い合う姿が簡単に想像できた。じわじわナマエちゃんと、そういう未来もある事を実感して顔が熱くなって、鼓動が活発に働き出す。
「新八くん?」
ナマエちゃんの呼び掛けにハッと意識が戻った。
「冗談のつもりだったんだけど、嫌だったかな?」
「そ、そんなことない!」
意識が別のところに飛んでいた僕の反応に不安になったらしい。両手をとって、真っ直ぐナマエちゃんを見つめる。
「ナマエちゃん、僕は、僕は」
声が震えて、詰まる。心臓がうるさい。それでも、息を吸い込んで、ぎゅっと繋がる手に力を込める。
「本気にしたいって思ってる」
一瞬の静寂。彼女の瞳が揺れた。
バクバクと鼓動だけうるさくて耳を塞ぎたくなる。ナマエちゃんが口を開いて、僕の名前を呼んだ。
「新ちゃん、ナマエちゃん来たの?」
姉上の声が聞こえてパッと手を離す。名残惜しさを感じて残る指先の体温がむず痒い。
「あら、顔を真っ赤にさせてどうしたの」
「な、なんでもないです!それより、遅くなってしまってごめんなさい」
「いいのよ。ふたりとも、そんな暑いところに立ってないで、早く上がりなさいな」
「はい、今行きます」
「お邪魔します」
柔らかく微笑んで台所の方へ消えていく姉上をふたりで追いかける。
結局、僕の言葉にナマエちゃんがなんて言いたかったのかは分からない。でも、真っ赤に染まった顔も、握り返してくれた手から、彼女も同じ気持ちであって欲しい。
ナマエちゃんと「ただいま」「おかえり」を言い合うことが当たり前の光景になればいいと思った。
2025.8.5
真ん丸な夕日がオレンジの光で道路や家々をを照らす。
「ナマエちゃん大丈夫かな」
道場の門を出て左右を見渡してみるけど、歩いてくる人影は見えない。
今日は姉上とナマエちゃんと僕とで夜ご飯がてら、ご飯を一緒に作る約束をしていた。
先日、神楽ちゃんたちと料理のレパートリーを増やそうと料理教室へ行ったけど、結局レパートリーの数は増えていない。
その事をナマエちゃんに話すと「それなら今度、料理本見ながら一緒に何か作ろうよ。私もレパートリーは増やしておきたいんだよね」とお誘いを受けたのだ。
そして今日、約束の時間を過ぎてもナマエちゃんはまだ来ていなかった。
彼女が普段遅れるなんてことは無い。途中で事故にあったりしたら、と考えたら不安に駆られる。彼女がいつも通っているルートを逆走しようとも考えたけど、すれ違いになってしまう可能性もある。
やっぱり迎えに行こう。考えている時間がもったいない。そう決めて、姉上に一言伝えて来ようと門をくぐろうとした時、視界の端にナマエちゃんの姿が見えた。
「ナマエちゃん!」
「新八くん!」
僕の名前を呼びながら、小走りで距離を縮めてくれる彼女を見て改めて思う。ああ、やっぱりナマエちゃんに会えると嬉しい。
「遅くなってごめんね」
「いいんだ。何かあったんじゃないかって、心配して迎えに行こうと思ってたところなんだ」
「ちょっと遅くなるって連絡しようと思ってたんだけど、あいてる公衆電話が無くて。心配かけちゃったね」
「ううん、何もなくて良かったよ」
彼女から買い物袋を受け取る。ありがとう、とはにかむナマエちゃんと並んで歩く。門から玄関までの短い距離だけど、些細な会話を交わすだけで満たされた。
買い物袋を玄関ホールに置いて、振り返って挨拶をひとつ。
「おかえりなさい」
目の前にはぽかんとした顔のナマエちゃん。やってしまった。つい、いつも姉上と買い物に行った時のやり取りが出てしまった。
「あ、今のは、その、いつも姉上と買い物から帰って来る時に言ってて癖で」
両手を振りながら喋るにつれ、声が上擦っていく。
彼女と「おかえり」「ただいま」のやり取り気が早いだろ、と自身にツッコミを入れる。
「ほんと、気にしなくていいから」
返事がしづらいだろう彼女に気を利かせないように言いつつ、引き戸を閉めにナマエちゃんの横を通る。
閉めた磨りガラスに向かって頭を叩きつけたくなる衝動に駆られたけど、彼女がいる手前出来るわけが無い。
「た、ただいま、新八くん」
返ってきた言葉に背中を叩かれ、急いで振り返る。
花が咲いたような笑顔って多分このことを言うんだ。ナマエちゃんの笑顔は、磨りガラス越しの夕陽がかかかって、いっそう綺麗にみせる。緊張か、上擦った声がまた可愛い。
ただいまの言葉でぽかぽかと胸が暖かくなっていく。数十秒前の自分に感謝した。
「なんか、いいね。こういうの」
「うん。将来、毎日言い合いたいね?」
いたずらっ子のように笑う声が耳を通った。将来、毎日。
「……毎日って、えェエエ!」
驚きのあまり、それ以上言葉が出なかった。
家に帰ってきた彼女を玄関で「ナマエちゃん、おかえりなさい」と言って迎えた僕に「ただいま、新八くん」と笑うナマエちゃん。
逆もあるのか。帰ってきた僕が「ただいま」と言うと、奥から小走りでやってきて「新八くん、おかえり」とあたたかく迎えてくれるナマエちゃん。
そう言い合う姿が簡単に想像できた。じわじわナマエちゃんと、そういう未来もある事を実感して顔が熱くなって、鼓動が活発に働き出す。
「新八くん?」
ナマエちゃんの呼び掛けにハッと意識が戻った。
「冗談のつもりだったんだけど、嫌だったかな?」
「そ、そんなことない!」
意識が別のところに飛んでいた僕の反応に不安になったらしい。両手をとって、真っ直ぐナマエちゃんを見つめる。
「ナマエちゃん、僕は、僕は」
声が震えて、詰まる。心臓がうるさい。それでも、息を吸い込んで、ぎゅっと繋がる手に力を込める。
「本気にしたいって思ってる」
一瞬の静寂。彼女の瞳が揺れた。
バクバクと鼓動だけうるさくて耳を塞ぎたくなる。ナマエちゃんが口を開いて、僕の名前を呼んだ。
「新ちゃん、ナマエちゃん来たの?」
姉上の声が聞こえてパッと手を離す。名残惜しさを感じて残る指先の体温がむず痒い。
「あら、顔を真っ赤にさせてどうしたの」
「な、なんでもないです!それより、遅くなってしまってごめんなさい」
「いいのよ。ふたりとも、そんな暑いところに立ってないで、早く上がりなさいな」
「はい、今行きます」
「お邪魔します」
柔らかく微笑んで台所の方へ消えていく姉上をふたりで追いかける。
結局、僕の言葉にナマエちゃんがなんて言いたかったのかは分からない。でも、真っ赤に染まった顔も、握り返してくれた手から、彼女も同じ気持ちであって欲しい。
ナマエちゃんと「ただいま」「おかえり」を言い合うことが当たり前の光景になればいいと思った。
2025.8.5