志村新八
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アイス の続き
バクバクと激しく動く心臓が苦しくて、走る足にストップをかけ、息を整える。
ナマエさんから食べさせてもらったアイスの味が口の中に残っている。
食べた瞬間は緊張でどうにかなりそうで、味が分からなかったけど、甘いミルクの味だったらしい。
少し落ち着いてきた頃、さっきの出来事がだんだんと実感を持って、記憶に焼きついていく。
汗ばんだ手で握った彼女の手の感触も覚えている。僕の手よりも小さくて、でもしっかりと存在を感じられた。
それから、ほんのりと赤くなっていた頬。
自分から僕に余裕があるように仕掛けてくるけど、本当は照れ屋なのを知っている。ナマエさんの表情は分かりやすい。
記憶の中の彼女と同じく、また顔に熱が集まるのが分かった。身体中が沸騰しそうだ。
流れる汗を拭おうとして、彼女の日除けの傘を持ってきてしまったことに気がついた。
僕は傘を返すために、ひらきっぱなしだった傘をとじて、来た道を引き返すことにした。
家の前に着くと、丁度、玄関で履き物をぬいでいるところだった。ゆっくりと近づいて、背中に彼女の名前を呼びかけた。
「ナマエさん」
「新八くん、どうしたの?」
くるっと振り返った彼女に優しい声で名前を呼ばれて、気持ちが一気に高揚する。荒ぶる気持ちを誤魔化すためにメガネのブリッジを上げる。
「傘を、貸し忘れてたので、戻ってきました」
「あ!ありがとう」
忘れてた、と笑う彼女の顔を見ていると、さっき落ち着いたはずの心臓がまた激しく動く。
だって、可愛すぎる。離れてくなくなってしまう。これから万事屋に戻らないといけないのに。
「じゃあ、僕は本当にこれで」
「待って、新八くん」
名残惜しさを尾鰭に玄関を出ようとすると、呼び止められた。
「どうしました?」
「これから万事屋に戻るんだよね」
靴箱に傘を立てかけて一歩近づいたと思ったら、正面から腰に彼女の腕が回された。
ハアァァァ!??え?なに?これなに!?
「あああ、あの、あのこれって」
思考が停止しかける。状況を判断できないうちに、密着するナマエさんの体温が増える。
動かない体でも、視線だけはなんとか動かす。少し動かしただけで彼女の頭が見えて、あ、抱きしめられてるんだとその瞬間、気づいた。
「頑張って、てエール。あと、さっきの新八くんがとっても愛おしくなっちゃったから」
抱きしめたくなっちゃった、と照れを含んだ声が耳をくすぐる。
愛おしくなったってなに!?どれのこと!?つーかこれ、抱きしめ返していいの!?
心の中が大騒ぎで、それに合わせるようにドッドッドとありえないくらい鼓動が動く。
抱きしめられた、と気づいた瞬間に吹き出た汗も、背中を伝っていく。
一瞬の葛藤の中、暴れ回る僕の音とは別に、微かに布越しで同じくらい心臓が動いているのを感じた。
漢だろ。志村新八。
僕と同じくらい緊張しているのに、してくれてるんだ。やらなきゃいつやる。
こわごわと腕を腰に回して強く、抱きしめる。こんなに近く感じることなんて無い。さっきまで微かに感じていた鼓動も、もう僕のものと混ざり合って、どっちのものか分からなくなった。
緊張と幸せの落ち着かない空気の中、トントンと腰を軽く叩かれながら、肩口でナマエさんがごそごそと動く。
「ごめんね。ちょっと力、強いかも」
「ススススイマセン!!調子乗りました!!」
バッと体を離すと、彼女の体温も離れる。寂しさと、やってしまったという気持ちが交互にやってきた。
「ううん。大丈夫。次はもう少し優しくしてくれると嬉しいな」
「はい!……次?」
「うん。じゃあ、新八くん、ありがとうね。お仕事頑張って」
バイバイと笑顔で手を振るナマエさんに手を振りかえし、放心しながら万事屋への帰路を歩く。
次、って次?またチャンスがあるってこと!?
混乱しっぱなしの頭で、次はもう少し力を優しくすることを心に刻みつけた。
202.7.23
バクバクと激しく動く心臓が苦しくて、走る足にストップをかけ、息を整える。
ナマエさんから食べさせてもらったアイスの味が口の中に残っている。
食べた瞬間は緊張でどうにかなりそうで、味が分からなかったけど、甘いミルクの味だったらしい。
少し落ち着いてきた頃、さっきの出来事がだんだんと実感を持って、記憶に焼きついていく。
汗ばんだ手で握った彼女の手の感触も覚えている。僕の手よりも小さくて、でもしっかりと存在を感じられた。
それから、ほんのりと赤くなっていた頬。
自分から僕に余裕があるように仕掛けてくるけど、本当は照れ屋なのを知っている。ナマエさんの表情は分かりやすい。
記憶の中の彼女と同じく、また顔に熱が集まるのが分かった。身体中が沸騰しそうだ。
流れる汗を拭おうとして、彼女の日除けの傘を持ってきてしまったことに気がついた。
僕は傘を返すために、ひらきっぱなしだった傘をとじて、来た道を引き返すことにした。
家の前に着くと、丁度、玄関で履き物をぬいでいるところだった。ゆっくりと近づいて、背中に彼女の名前を呼びかけた。
「ナマエさん」
「新八くん、どうしたの?」
くるっと振り返った彼女に優しい声で名前を呼ばれて、気持ちが一気に高揚する。荒ぶる気持ちを誤魔化すためにメガネのブリッジを上げる。
「傘を、貸し忘れてたので、戻ってきました」
「あ!ありがとう」
忘れてた、と笑う彼女の顔を見ていると、さっき落ち着いたはずの心臓がまた激しく動く。
だって、可愛すぎる。離れてくなくなってしまう。これから万事屋に戻らないといけないのに。
「じゃあ、僕は本当にこれで」
「待って、新八くん」
名残惜しさを尾鰭に玄関を出ようとすると、呼び止められた。
「どうしました?」
「これから万事屋に戻るんだよね」
靴箱に傘を立てかけて一歩近づいたと思ったら、正面から腰に彼女の腕が回された。
ハアァァァ!??え?なに?これなに!?
「あああ、あの、あのこれって」
思考が停止しかける。状況を判断できないうちに、密着するナマエさんの体温が増える。
動かない体でも、視線だけはなんとか動かす。少し動かしただけで彼女の頭が見えて、あ、抱きしめられてるんだとその瞬間、気づいた。
「頑張って、てエール。あと、さっきの新八くんがとっても愛おしくなっちゃったから」
抱きしめたくなっちゃった、と照れを含んだ声が耳をくすぐる。
愛おしくなったってなに!?どれのこと!?つーかこれ、抱きしめ返していいの!?
心の中が大騒ぎで、それに合わせるようにドッドッドとありえないくらい鼓動が動く。
抱きしめられた、と気づいた瞬間に吹き出た汗も、背中を伝っていく。
一瞬の葛藤の中、暴れ回る僕の音とは別に、微かに布越しで同じくらい心臓が動いているのを感じた。
漢だろ。志村新八。
僕と同じくらい緊張しているのに、してくれてるんだ。やらなきゃいつやる。
こわごわと腕を腰に回して強く、抱きしめる。こんなに近く感じることなんて無い。さっきまで微かに感じていた鼓動も、もう僕のものと混ざり合って、どっちのものか分からなくなった。
緊張と幸せの落ち着かない空気の中、トントンと腰を軽く叩かれながら、肩口でナマエさんがごそごそと動く。
「ごめんね。ちょっと力、強いかも」
「ススススイマセン!!調子乗りました!!」
バッと体を離すと、彼女の体温も離れる。寂しさと、やってしまったという気持ちが交互にやってきた。
「ううん。大丈夫。次はもう少し優しくしてくれると嬉しいな」
「はい!……次?」
「うん。じゃあ、新八くん、ありがとうね。お仕事頑張って」
バイバイと笑顔で手を振るナマエさんに手を振りかえし、放心しながら万事屋への帰路を歩く。
次、って次?またチャンスがあるってこと!?
混乱しっぱなしの頭で、次はもう少し力を優しくすることを心に刻みつけた。
202.7.23