坂田銀時
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「銀さん、海に行こう」
つるっと喉を通った水ようかんを食べ終えてようやく、銀さんが口を開いた。
「海ィ?」
「そう、今から」
どう?と首を傾げて聞いてみる。首筋を伝う汗がジャージの先に消えた。
「今からってたって、もうお天道様は沈む準備してんだぜ」
「だからこそ!」
意気込む私とは反対に、スプーンを咥えたまま、めんどくせーという表情を隠しもしない。まあ、面倒くさいと思うのもわかる。銀さんの言う通り、陽は西に向かい始めている。今から行けば、夕陽が拝めるだろう。私の狙いはまさにそれなのだ。
夕日が沈んでいく海は青とオレンジのコントラストで美しい。裸足になって、まばらにしか人がいない砂浜の上を跳ねるように海へ向かう。
「銀さーん!早くはやく!」
銀髪を掻きながら私の後ろを着いてきてくれる。その足取りは緩やかだ。
「早くって言われてもねェ……。前見てねェと転ぶぞ」
「分かってる、分かってわっ!」
「危ねェ!」
柔らかい砂浜に足を取られて体制が崩れる。海水の方に倒れた私は、全身が濡れることを覚悟して目をつぶった。
「あれ……?」
濡れた感覚は無く、恐る恐る目を開けると、銀さんの胸元が目の前にあった。背中に回る逞しい腕の存在感が、 抱きしめられていると意識させられる。ドッドッと心臓が鳴るのが、彼に伝わらないでほしい。
「あっぶねェな、だから言っただろ?お転婆も程々にしとけよ」
私が海の方に落ちる前に、銀さんが引き寄せて助けてくれたらしい。打ち寄せる波が足を濡らす。
「ご、ごめんなさい。ありがとう、銀さん」
お礼を言って離れようとしても、背中に回った腕が許してくれそうにない。なんで離してくれないの。
抗議を込めて顔を上げると、オレンジの光に照らされた銀さんの顔がいつも以上に近く感じる。数秒、視線が釘付けになった。
「綺麗だな」
「え?」
真剣な顔にドキッと心臓が高鳴る。銀さんの手が伸びきて、耳に髪を掛けられた。熱い指が触れて慣れない緊張が身体を走る。ふっと笑った彼の手は顔の横をすり抜けた。
「夕日だよ、夕日」
指し示す先には水平線に沈み始めている夕日。一瞬、自分の事だと思ったのが恥ずかしくなった。夕日に染っているから、誤魔化せるかもしれない。でも、きっとそれ以上に赤くなっている顔を見られたくなくて、夕日に目を向ける。
「本当、綺麗」
光が増し、目を細めないといけないほど輝く。沈んでいくなんて信じられない。
「だよなァ」
声が近い。そう思った瞬間、ちゅっと頬に柔らかい感覚がして、甘い熱がそこから広がっていく。 思わず、ぎゅっと彼の着物の裾を掴む。銀さんからじりじりとした視線を痛いほど感じた。
「ナマエ」
「なんですか」
「こっち向いてくれねェの?」
「……その言い方ずるいです」
沈黙を破った甘い声に抗えるはずもない。銀さんの方へ顔を向けると、燃えるような瞳に胸の内から焦がされてしまった。
2025.8.9
2026.3.4 加筆
つるっと喉を通った水ようかんを食べ終えてようやく、銀さんが口を開いた。
「海ィ?」
「そう、今から」
どう?と首を傾げて聞いてみる。首筋を伝う汗がジャージの先に消えた。
「今からってたって、もうお天道様は沈む準備してんだぜ」
「だからこそ!」
意気込む私とは反対に、スプーンを咥えたまま、めんどくせーという表情を隠しもしない。まあ、面倒くさいと思うのもわかる。銀さんの言う通り、陽は西に向かい始めている。今から行けば、夕陽が拝めるだろう。私の狙いはまさにそれなのだ。
夕日が沈んでいく海は青とオレンジのコントラストで美しい。裸足になって、まばらにしか人がいない砂浜の上を跳ねるように海へ向かう。
「銀さーん!早くはやく!」
銀髪を掻きながら私の後ろを着いてきてくれる。その足取りは緩やかだ。
「早くって言われてもねェ……。前見てねェと転ぶぞ」
「分かってる、分かってわっ!」
「危ねェ!」
柔らかい砂浜に足を取られて体制が崩れる。海水の方に倒れた私は、全身が濡れることを覚悟して目をつぶった。
「あれ……?」
濡れた感覚は無く、恐る恐る目を開けると、銀さんの胸元が目の前にあった。背中に回る逞しい腕の存在感が、 抱きしめられていると意識させられる。ドッドッと心臓が鳴るのが、彼に伝わらないでほしい。
「あっぶねェな、だから言っただろ?お転婆も程々にしとけよ」
私が海の方に落ちる前に、銀さんが引き寄せて助けてくれたらしい。打ち寄せる波が足を濡らす。
「ご、ごめんなさい。ありがとう、銀さん」
お礼を言って離れようとしても、背中に回った腕が許してくれそうにない。なんで離してくれないの。
抗議を込めて顔を上げると、オレンジの光に照らされた銀さんの顔がいつも以上に近く感じる。数秒、視線が釘付けになった。
「綺麗だな」
「え?」
真剣な顔にドキッと心臓が高鳴る。銀さんの手が伸びきて、耳に髪を掛けられた。熱い指が触れて慣れない緊張が身体を走る。ふっと笑った彼の手は顔の横をすり抜けた。
「夕日だよ、夕日」
指し示す先には水平線に沈み始めている夕日。一瞬、自分の事だと思ったのが恥ずかしくなった。夕日に染っているから、誤魔化せるかもしれない。でも、きっとそれ以上に赤くなっている顔を見られたくなくて、夕日に目を向ける。
「本当、綺麗」
光が増し、目を細めないといけないほど輝く。沈んでいくなんて信じられない。
「だよなァ」
声が近い。そう思った瞬間、ちゅっと頬に柔らかい感覚がして、甘い熱がそこから広がっていく。 思わず、ぎゅっと彼の着物の裾を掴む。銀さんからじりじりとした視線を痛いほど感じた。
「ナマエ」
「なんですか」
「こっち向いてくれねェの?」
「……その言い方ずるいです」
沈黙を破った甘い声に抗えるはずもない。銀さんの方へ顔を向けると、燃えるような瞳に胸の内から焦がされてしまった。
2025.8.9
2026.3.4 加筆
