坂田銀時
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数分前から私の頭の中は眠気で支配され始めている。眠い。眠すぎる。閉店するお店のシャッター同様、瞼が閉じるのをなんとか気合いでひらく。
昨日の夜更かしが原因だけど、新八くんと神楽ちゃんの留守の間に、ふたりから銀時のことを任されたのだからその仕事を放棄するわけにはいかない。
昨日の依頼人が太っ腹だったらしく、報酬もかなり貰ったらしい。銀時がパチンコでとかさないように、ふたりが帰ってくる間の見張りを頼まれた。
隣に座る銀時がジャンプのページをめくる音も眠気へ誘う。
「……ナマエ、眠いなら寝ろよ」
「でも、銀時の監視を任されてるから、寝るわけには」
銀時の着物を手繰り寄せて握り込む。ジャンプを閉じる音がして、赤い瞳が私を見た。
「あのね、寝てるお前を置いて出かけるわけないだろ。そんな男に見える?」
「懐をあたたかくしようって、パチンコに行く可能性はちょこっとあるかなって」
空いてる手で親指と人差し指の隙間をほんの少し空けて見せる。
「おいおい、可愛くないことを言うやつの手はこれか?」
大きな手が余裕で私の手を包み、ねじり込むように指が絡む。骨ばった指が、ぎゅっぎゅと握って、するりと解けた。
「ちょっとでも寝ろよ。仮にお前を置いてパチ屋行ったとしても、眠気でやる気ない運の女神が着いてきそうだ」
「ふふ、馬鹿」
冗談を言い合い、銀時の言葉に甘えて少し寝させてもらうことにした。こういう時の銀時は嘘を言わない。
「和室借りるね」
昼寝なら畳の上でもまあ問題ない。もし急に依頼人の人が来ても、襖を閉めてれば見えないし、起きたあとの身体の痛さより、今はこの眠気をどうにかすることが先決だ。
移動しようと立ち上がったその時、銀時の緩やかな声が私にストップをかけた。
「おいおい、誰が和室に行けっつったよ」
腕を引っ張られ再度ソファに着席した私を横目に、銀時は端っこに寄って、着物がのる足を叩いた。
「ソファがあるだろ。んで、ここ、枕に使えよ」
「え、えー」
「えーってなんだよ。せっかく銀さんが膝貸してやるって言ってるのに。滅多にないよ?ナマエだけの特権だよ?この先、一生ねぇかもしれないのに、いいのかなァ」
チラッチラッと、赤い瞳が伺うように動く。銀時の膝枕は確かに貴重かもしれない。思い返してみても、銀時から提案されたことは無かった。
それに、銀時が膝枕してくれるって事は、私から離れられなくなる。私が寝てる間、ずっと傍に。
そう、考えて、身体中の血液が沸騰したみたいに熱くなるのが分かる。いやいやいやいや、落ち着いて。呼吸をひとつ、冷静に、冷静に。
「じゃあ、枕役お願いしようかな」
「ん、それでいいんだよ」
お邪魔します、と一言。ゆっくりと頭を銀時の膝の上に乗せる。彼のお腹に向かって横向きに寝転ばせてもらった。
すっぴんも知ってるとはいえ、上から顔を見られるのは勘弁願いたい。無防備すぎて、とてもじゃないけど恥ずかしい。
「安眠確定な銀さんの膝枕、好きなだけ堪能しろよ?……おやすみ」
「おやすみなさい」
目を閉じる。待ちわびた時間に意識はすぐに夢の中へと向かっていった。
ふと、意識が朧気に上昇する。また目を閉じれば、すぐにでも意識はまた夢へと逆戻り。そんな微睡みの中でも、銀さんの手が私の髪を遊んでいるのが分かる。
「ナマエ」
ちょっとくすぐったいけど、あたたかさと、優しく触れる手に彼がそばにいるという安心感をもらう。銀時に触れられるのが嬉しくて、とくんとくんと、心臓が動くのもまた心地よい。
ささやかな幸せだけど、これがずっと続けばいい。
「……どんな夢みてたら、こんなニヤけ面になるのかねェ」
ニヤけ面とはなんだ、と反論したかったけど、口から出るのは言葉にならない声だった。
銀時の笑った声が聞こえた気がした。
01.手放し難い特権
微睡み/ページをめくる音/ささやかな
ワードパレット『ZZZ』 お借りしてます。
icca様
2025.7.20
昨日の夜更かしが原因だけど、新八くんと神楽ちゃんの留守の間に、ふたりから銀時のことを任されたのだからその仕事を放棄するわけにはいかない。
昨日の依頼人が太っ腹だったらしく、報酬もかなり貰ったらしい。銀時がパチンコでとかさないように、ふたりが帰ってくる間の見張りを頼まれた。
隣に座る銀時がジャンプのページをめくる音も眠気へ誘う。
「……ナマエ、眠いなら寝ろよ」
「でも、銀時の監視を任されてるから、寝るわけには」
銀時の着物を手繰り寄せて握り込む。ジャンプを閉じる音がして、赤い瞳が私を見た。
「あのね、寝てるお前を置いて出かけるわけないだろ。そんな男に見える?」
「懐をあたたかくしようって、パチンコに行く可能性はちょこっとあるかなって」
空いてる手で親指と人差し指の隙間をほんの少し空けて見せる。
「おいおい、可愛くないことを言うやつの手はこれか?」
大きな手が余裕で私の手を包み、ねじり込むように指が絡む。骨ばった指が、ぎゅっぎゅと握って、するりと解けた。
「ちょっとでも寝ろよ。仮にお前を置いてパチ屋行ったとしても、眠気でやる気ない運の女神が着いてきそうだ」
「ふふ、馬鹿」
冗談を言い合い、銀時の言葉に甘えて少し寝させてもらうことにした。こういう時の銀時は嘘を言わない。
「和室借りるね」
昼寝なら畳の上でもまあ問題ない。もし急に依頼人の人が来ても、襖を閉めてれば見えないし、起きたあとの身体の痛さより、今はこの眠気をどうにかすることが先決だ。
移動しようと立ち上がったその時、銀時の緩やかな声が私にストップをかけた。
「おいおい、誰が和室に行けっつったよ」
腕を引っ張られ再度ソファに着席した私を横目に、銀時は端っこに寄って、着物がのる足を叩いた。
「ソファがあるだろ。んで、ここ、枕に使えよ」
「え、えー」
「えーってなんだよ。せっかく銀さんが膝貸してやるって言ってるのに。滅多にないよ?ナマエだけの特権だよ?この先、一生ねぇかもしれないのに、いいのかなァ」
チラッチラッと、赤い瞳が伺うように動く。銀時の膝枕は確かに貴重かもしれない。思い返してみても、銀時から提案されたことは無かった。
それに、銀時が膝枕してくれるって事は、私から離れられなくなる。私が寝てる間、ずっと傍に。
そう、考えて、身体中の血液が沸騰したみたいに熱くなるのが分かる。いやいやいやいや、落ち着いて。呼吸をひとつ、冷静に、冷静に。
「じゃあ、枕役お願いしようかな」
「ん、それでいいんだよ」
お邪魔します、と一言。ゆっくりと頭を銀時の膝の上に乗せる。彼のお腹に向かって横向きに寝転ばせてもらった。
すっぴんも知ってるとはいえ、上から顔を見られるのは勘弁願いたい。無防備すぎて、とてもじゃないけど恥ずかしい。
「安眠確定な銀さんの膝枕、好きなだけ堪能しろよ?……おやすみ」
「おやすみなさい」
目を閉じる。待ちわびた時間に意識はすぐに夢の中へと向かっていった。
ふと、意識が朧気に上昇する。また目を閉じれば、すぐにでも意識はまた夢へと逆戻り。そんな微睡みの中でも、銀さんの手が私の髪を遊んでいるのが分かる。
「ナマエ」
ちょっとくすぐったいけど、あたたかさと、優しく触れる手に彼がそばにいるという安心感をもらう。銀時に触れられるのが嬉しくて、とくんとくんと、心臓が動くのもまた心地よい。
ささやかな幸せだけど、これがずっと続けばいい。
「……どんな夢みてたら、こんなニヤけ面になるのかねェ」
ニヤけ面とはなんだ、と反論したかったけど、口から出るのは言葉にならない声だった。
銀時の笑った声が聞こえた気がした。
01.手放し難い特権
微睡み/ページをめくる音/ささやかな
ワードパレット『ZZZ』 お借りしてます。
icca様
2025.7.20
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