志村新八
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湯呑みから湯気がのぼる。火傷しないように気をつけながら、温かいお茶を飲む。一気に涼しくなった秋の空気に、冷えた身体に染み渡っていく。
「新八くん、今日は中秋の名月なんだって」
「そうみたいですね。朝の天気予報で結野アナも言ってました」
隣に座る新八くんは嬉しそうな顔で団子を食べている。私も串団子を一本手にした。一口大サイズの玉が三つ連なった串団子。ここの団子は硬すぎず、柔らかすぎずで私好みで、お気に入りのお店だった。
「やっぱり、お月見には団子だよねぇ」
「今昇ってるのは月じゃなくて太陽なんですけど」
空を見上げる新八くんの視線を追いかける。晴天に眩しいくらい輝く太陽がかぶき町を照らしていた。
「……ほら、空に丸いものが浮かんでるって考えると一緒じゃない?」
「全然別物ですけどね!?……それにお月見なら、夜に団子を食べるべきですよ」
私の適当な言い訳の真意を知りたいのか。じーっと見られて、言い返す言葉も見つからない気まずさに、三つ目の団子を口の中へ入れることで誤魔化そうとした。だけど、新八くんの目は逃げることを許してくれそうに無くて、素直に白状する以外の選択肢はなさそうだ。団子を食べ終わり、彼の目を見つめ返す。
「月を見ながらお団子食べるのも良いけど、お昼から会えば、一緒にいる時間を長くできるかなぁって思いまして……」
正直、理由なんて何でも良かった。今日が月見だろうが、なんだろうが新八くんと一緒にいられる時間を作りたかっただけ。じわじわと体が熱くなってきた。鼓動も心做しか早くなっていて、自分で言ってて恥ずかしくなってくる。
「それに、ほら!今食べて、夜にお月見しながらまた団子食べたっていいし!一石二鳥みたいな!ね?」
変なことを言っているのは理解しているけど、羞恥で上手く回らない頭はストップをかけられない。
「や、ま、まぁ確かに、そうなるとナマエさんと一緒にいられる時間が増えますよね。うん、いいアイディアだなって僕も思います……って熱っつ!?」
「大丈夫!?」
なぜかメガネにお茶を呑ませようとしていた新八くんの熱さに対する声で、冷静な思考がかえってきた。彼が自身のハンカチを取り出したのを見て、私も持っていたハンカチで濡れたところを拭く手伝いをする。椅子が濡れたりはしていないみたい。
「あはは、ありがとうございます」
メガネを拭いている横顔は少し赤い。自分より慌てている人がいると冷静になると言うけど、新八くんの慌てぶりに逆に落ち着くことが出来た。
「どういたしまして。火傷とかしてない?」
「はい、大丈夫です。…………あの、ナマエさん、夜まで、ど、どう過ごしますか」
緊張した声に落ち着いたはずの鼓動がまた早く動き出す。彼からのデートのお誘いに心が踊らないはずは無い。
秋の柔らかな陽が沈むまでの時間をどうするか。それを考える前にまずは、さっきとは反対に私から目を逸らしている新八くんの目を向けることから始めることにした。
2025.10.9
「新八くん、今日は中秋の名月なんだって」
「そうみたいですね。朝の天気予報で結野アナも言ってました」
隣に座る新八くんは嬉しそうな顔で団子を食べている。私も串団子を一本手にした。一口大サイズの玉が三つ連なった串団子。ここの団子は硬すぎず、柔らかすぎずで私好みで、お気に入りのお店だった。
「やっぱり、お月見には団子だよねぇ」
「今昇ってるのは月じゃなくて太陽なんですけど」
空を見上げる新八くんの視線を追いかける。晴天に眩しいくらい輝く太陽がかぶき町を照らしていた。
「……ほら、空に丸いものが浮かんでるって考えると一緒じゃない?」
「全然別物ですけどね!?……それにお月見なら、夜に団子を食べるべきですよ」
私の適当な言い訳の真意を知りたいのか。じーっと見られて、言い返す言葉も見つからない気まずさに、三つ目の団子を口の中へ入れることで誤魔化そうとした。だけど、新八くんの目は逃げることを許してくれそうに無くて、素直に白状する以外の選択肢はなさそうだ。団子を食べ終わり、彼の目を見つめ返す。
「月を見ながらお団子食べるのも良いけど、お昼から会えば、一緒にいる時間を長くできるかなぁって思いまして……」
正直、理由なんて何でも良かった。今日が月見だろうが、なんだろうが新八くんと一緒にいられる時間を作りたかっただけ。じわじわと体が熱くなってきた。鼓動も心做しか早くなっていて、自分で言ってて恥ずかしくなってくる。
「それに、ほら!今食べて、夜にお月見しながらまた団子食べたっていいし!一石二鳥みたいな!ね?」
変なことを言っているのは理解しているけど、羞恥で上手く回らない頭はストップをかけられない。
「や、ま、まぁ確かに、そうなるとナマエさんと一緒にいられる時間が増えますよね。うん、いいアイディアだなって僕も思います……って熱っつ!?」
「大丈夫!?」
なぜかメガネにお茶を呑ませようとしていた新八くんの熱さに対する声で、冷静な思考がかえってきた。彼が自身のハンカチを取り出したのを見て、私も持っていたハンカチで濡れたところを拭く手伝いをする。椅子が濡れたりはしていないみたい。
「あはは、ありがとうございます」
メガネを拭いている横顔は少し赤い。自分より慌てている人がいると冷静になると言うけど、新八くんの慌てぶりに逆に落ち着くことが出来た。
「どういたしまして。火傷とかしてない?」
「はい、大丈夫です。…………あの、ナマエさん、夜まで、ど、どう過ごしますか」
緊張した声に落ち着いたはずの鼓動がまた早く動き出す。彼からのデートのお誘いに心が踊らないはずは無い。
秋の柔らかな陽が沈むまでの時間をどうするか。それを考える前にまずは、さっきとは反対に私から目を逸らしている新八くんの目を向けることから始めることにした。
2025.10.9