志村新八
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11+1=? の続き
昼に貰ったプレゼントを抱えて、銀さんと神楽ちゃんと帰路に着く。夜は姉上が腕をふるってご馳走を作ると意気込んでいた。嬉しい気持ちと、食べて食らうダメージを考えて複雑だ。他にもご飯は手配してあると聞いている両隣のふたりはむしろこっち目当てじゃないのか。
朝に出勤してからお祝いをしてもらっているから文句は無いけど。
三人で他愛ない話をしていると、ぬっと大きい影が前からやって来た。
「こんばんは、みなさん。奇遇ですね」
「ひぃ……ヘ、ヘドロさん、こ、こんばんは」
「な、なんだ、びっくりさせやがって」
「回覧板なら逆回りあるネ!」
僕を盾にふたりは僕をヘドロさんと挟んで会話をし始める。肩に食い込む指が痛い。肘で銀さんをつついてみるけど、力が緩むどころか強くなっていく。
「いえいえ、たまたまお見かけしたので声を掛けさせてもらいました。……おや、そのひまわり」
ヘドロさんの視線が僕の腕の辺り。ナマエちゃんがくれたひまわりの花束に向いたのが分かって、思わず強く抱きしめる。
「あまり強い力を加えてはいけませんよ」
「は、はいィィ!」
そうは言われても驚きと恐怖ですぐには腕の力が抜けない。ナマエちゃんから貰ったものを台無しにするな、と自信に言い聞かせ、少しだけ力みがとれた。
「こ、このひまわりがどうかしました……?」
「花には花言葉と本数で意味を持つものがありましてね。素敵なものをお持ちだなと思ったんです」
「へ、へぇー、さすが花屋……」
ずっと顔が近づいてくるのが、本人には悪いけど怖い。
「良ければ、この時期の花言葉などをまとめたものをお渡ししますよ」
「あ、ありがとうございますゥ」
両手が塞がっている僕の代わりに、銀さんが差し出された一枚の紙を受け取る。ヘドロさんが去るまで三人で固まって見送った。
道の端に寄り、三人で紙を覗き込む。早く家に帰りたいのはやまやまだけど、花の意味を知りたい気持ちの方が大きかった。ふたりもその気持ちは一生だったらしい。
「ヘェ、色々意味があるんだな」
どれがなにと聞かれたら答えられないけど、花言葉があるのは分かる。それ以外にも本数に意味があるなんて知らなかった。
「ひまわりの十一本は……最愛、だとよ」
銀さんの言葉を理解した瞬間、身体中の体温が上がった。確実に。
最愛。反芻すると同時に、ナマエちゃんの顔が浮かんで、今すぐ走ってかぶき町を一周したくなるくらい感情が昂る。
「イイもん貰ってんなァ」
「愛の告白ネ」
「ふたりともちょっと黙っててください」
ふたりがコソコソと、僕にも聞こえる小声で好き放題言っている。おかげで、更に恥ずかしさが増す。
浮かれていたが、彼女が意味を知らずに渡した可能性もある。でも、それならわざわざ一本減らした意味が分からない。僕なら、きっと日付に本数を合わせる。それに追加で一本、用意する必要があるのか。
そういえば、彼女は最初から十二本にしておけば良かったんだけど、と言っていた。もしかして、十二本でも何か意味があったりするのだろうか。
「あの、十二本ならどういう意味になるんですか」
「十二本は、恋人になってくださいネ」
それはもう告白だ。だから彼女は十二本を避けたくて、一本減らした、と考えられなくもない。最愛もとても大きな気持ちを貰ったようなものだけど、少しショックを受けているのはなんでだ。
「別で一本持ってたし、本当はそっちの意味で渡したかったのかもしれねェな」
「え?」
「鈍感童貞眼鏡が気づくわけないネ」
やれやれ、と手のひらを上に向けて肩を竦める神楽ちゃん。ふたりの言葉をそのまま受け取れば、彼女が僕を好きってことになる。自惚れるには早いぞ、志村新八。
そう言い聞かせようとして、最近、彼女と会った時のことが頭をよぎる。ナマエちゃんのキラキラした笑顔や、僕の名前を呼ぶ時の他の人とは違うように感じていた柔らかい声。
考えすぎて頭がパンクしそうだ。頭を抱えたくなった僕の目に、銀さんの持っている紙が目に入る。
ヘドロさんがくれた紙には他にも色々な花言葉が載っている。次は僕がナマエちゃんに花を贈ろう。女の子には花が似合うから。
2025.8.19
昼に貰ったプレゼントを抱えて、銀さんと神楽ちゃんと帰路に着く。夜は姉上が腕をふるってご馳走を作ると意気込んでいた。嬉しい気持ちと、食べて食らうダメージを考えて複雑だ。他にもご飯は手配してあると聞いている両隣のふたりはむしろこっち目当てじゃないのか。
朝に出勤してからお祝いをしてもらっているから文句は無いけど。
三人で他愛ない話をしていると、ぬっと大きい影が前からやって来た。
「こんばんは、みなさん。奇遇ですね」
「ひぃ……ヘ、ヘドロさん、こ、こんばんは」
「な、なんだ、びっくりさせやがって」
「回覧板なら逆回りあるネ!」
僕を盾にふたりは僕をヘドロさんと挟んで会話をし始める。肩に食い込む指が痛い。肘で銀さんをつついてみるけど、力が緩むどころか強くなっていく。
「いえいえ、たまたまお見かけしたので声を掛けさせてもらいました。……おや、そのひまわり」
ヘドロさんの視線が僕の腕の辺り。ナマエちゃんがくれたひまわりの花束に向いたのが分かって、思わず強く抱きしめる。
「あまり強い力を加えてはいけませんよ」
「は、はいィィ!」
そうは言われても驚きと恐怖ですぐには腕の力が抜けない。ナマエちゃんから貰ったものを台無しにするな、と自信に言い聞かせ、少しだけ力みがとれた。
「こ、このひまわりがどうかしました……?」
「花には花言葉と本数で意味を持つものがありましてね。素敵なものをお持ちだなと思ったんです」
「へ、へぇー、さすが花屋……」
ずっと顔が近づいてくるのが、本人には悪いけど怖い。
「良ければ、この時期の花言葉などをまとめたものをお渡ししますよ」
「あ、ありがとうございますゥ」
両手が塞がっている僕の代わりに、銀さんが差し出された一枚の紙を受け取る。ヘドロさんが去るまで三人で固まって見送った。
道の端に寄り、三人で紙を覗き込む。早く家に帰りたいのはやまやまだけど、花の意味を知りたい気持ちの方が大きかった。ふたりもその気持ちは一生だったらしい。
「ヘェ、色々意味があるんだな」
どれがなにと聞かれたら答えられないけど、花言葉があるのは分かる。それ以外にも本数に意味があるなんて知らなかった。
「ひまわりの十一本は……最愛、だとよ」
銀さんの言葉を理解した瞬間、身体中の体温が上がった。確実に。
最愛。反芻すると同時に、ナマエちゃんの顔が浮かんで、今すぐ走ってかぶき町を一周したくなるくらい感情が昂る。
「イイもん貰ってんなァ」
「愛の告白ネ」
「ふたりともちょっと黙っててください」
ふたりがコソコソと、僕にも聞こえる小声で好き放題言っている。おかげで、更に恥ずかしさが増す。
浮かれていたが、彼女が意味を知らずに渡した可能性もある。でも、それならわざわざ一本減らした意味が分からない。僕なら、きっと日付に本数を合わせる。それに追加で一本、用意する必要があるのか。
そういえば、彼女は最初から十二本にしておけば良かったんだけど、と言っていた。もしかして、十二本でも何か意味があったりするのだろうか。
「あの、十二本ならどういう意味になるんですか」
「十二本は、恋人になってくださいネ」
それはもう告白だ。だから彼女は十二本を避けたくて、一本減らした、と考えられなくもない。最愛もとても大きな気持ちを貰ったようなものだけど、少しショックを受けているのはなんでだ。
「別で一本持ってたし、本当はそっちの意味で渡したかったのかもしれねェな」
「え?」
「鈍感童貞眼鏡が気づくわけないネ」
やれやれ、と手のひらを上に向けて肩を竦める神楽ちゃん。ふたりの言葉をそのまま受け取れば、彼女が僕を好きってことになる。自惚れるには早いぞ、志村新八。
そう言い聞かせようとして、最近、彼女と会った時のことが頭をよぎる。ナマエちゃんのキラキラした笑顔や、僕の名前を呼ぶ時の他の人とは違うように感じていた柔らかい声。
考えすぎて頭がパンクしそうだ。頭を抱えたくなった僕の目に、銀さんの持っている紙が目に入る。
ヘドロさんがくれた紙には他にも色々な花言葉が載っている。次は僕がナマエちゃんに花を贈ろう。女の子には花が似合うから。
2025.8.19