このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

シスター・キントレ!

 シスター・キントレです。

 今日も元気にマッスルマッスル。
 毎日ひたすら薪割りしていたら、孤児院の薪をひと冬分割り終わってしまったんだ。

 修道院の薪割りも昨日終えてしまって……私は今日から何を割ればいいんだろう。
 

「シスター・キントレ。城下にお使いに行ってくれる?」
「はい、シスター・クロエ!」

 荷物を受け取ってくるミッションが発生したよ。
 この世界だと荷物の搬送は郵便屋に頼むのが一般的。
 だけど、運送料がお高い。
 一般市民はモンスターと戦えないから。

 途中モンスターと戦えば筋トレになるし、私は即答した。

 拳が効かないモンスターが出たときのために、念の為ナタも足に括っときましょう。
 町長のところで馬を借りてゴー城下町!

「行くわよロドリゲス3世!!」

 ヒヒィンン!!(アタシの名前はクリスティーナよおおお!! 何回言ったら覚えるのよ脳筋シスター!)

 あと少しで城下町というところで、豪華な馬車がモンスターに囲まれていた。
 数が多すぎて、護衛の兵だけじゃ手が足りないように見える。

 ロドリゲスが襲われないよう木陰に隠して、単身で馬車の方に走る。
 兵たちが私を見て大慌て。

「危ないですお嬢さん! はやく町の中に逃げて!」
「私も戦います。このままではその馬車が町に入れないでしょう」
「そんな、君みたいな女の子じゃ無理ーー」

 無理なもんか。
 私はこの世界に来てから学んだ。
 女だって戦える!

 |動く木のモンスター《トレント》が振り下ろす枝を避け、ナタで落としていく。

「私がトレントと戦います。皆さん他のモンスターを!」

 兵たちの|刺突の剣《レイピア》はトレントと相性が悪い。
 かわりに、スライムやグライアイなどには効果的。

 手分けしてモンスターを蹴散らし、無事モンスターの群れを討伐することができた。

「ありがとう、お嬢さん。主を助けていただいたお礼をしなければ……」
「お礼はいらないです。私はただの通りすがりで、お使いの途中なので失礼しますね」

 兵たちに呼び止められたけれど、いやほんと、お礼はいらないのよ。
 ほっといたら馬車に乗っている人も襲われることになるし。人として素通りできないでしょあれは。


 城下町の修道院で荷物を受け取って、ロドリゲスの背に乗せる。

「帰りも頼むわよ、ロドリゲス」

 ヒヒィン!(覚えられないならもう何とでも呼ぶといいわ……あんたバカだけど勇気はあるのね。見直したわよ脳筋シスター)

 無事にお使い終了、やったね私。
10/11ページ
スキ